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意外にも共通点が多いロシアと日本の高齢者問題
意外にも共通点が多いロシアと日本の高齢者問題
Sputnik 日本
... 2021年10月16日, Sputnik 日本
2021-10-16T15:15+0900
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2021年9月の時点での日本の総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は29.1%に達し、過去最高となった。高齢者の数は3,640万人で、国立社会保障・人口問題研究所の予測によれば、2025年には高齢者の割合は30%、2040年には35.3%になると見られる。一方、ロシアでは、労働省の統計によれば、2021年の年初に65歳以上の人口の数は3,680万人を上回った。これは総人口の25.2%に相当する。そして2030年にはその割合は30%に近づくと予測されている。社会学者のナジェージダ・スミルノワ氏は、この数値について、「現在、年齢によるライフステージの区分が変わってきています。以前は60歳以上は高齢期とされていましたが、今は後期壮年期と位置付けられています。現在のWHO(世界保健機関)の定義では、高齢者は70歳から75歳の年齢の人とされています。世界のどの国でも寿命が延びていることから、これは世界的な傾向です」と述べている。2020年の末、日本の労働人口に占める高齢者の割合は13.6%であった。ロシアではおよそ11.4%となっている(労働人口7,510万人のうち高齢者は860万人)。なぜ高齢者たちはゆっくり休暇を楽しむ権利を持つようになってもなお働き続けるのだろうか。ロシアの世論調査の回答の中でもっとも多い理由は年金額が少ないこと、次いで、今までずっと働いてきたか、社会の役に立ちたい、1人になるのが怖いなどが挙がり、子どもたちを金銭的に助けたいと答えた人はもっともすくなかった。おそらく、日本の年金生活者が働く理由もほぼ同じだろうと推察される。日本の政府が保障している最低年金(月額およそ6万5,000円)は、基本的には食費、光熱費を支払うのには十分であるが、贅沢できるほどではない。しかし、日本には別の年金制度があり、これまでの勤続年数や給与額、年金控除額などによって、この金額は2倍あるいはそれ以上になることもある。しかも、日本人の中には老後のために貯蓄をする人が多く、もちろんそう出ない人もいるが、定年退職するころには、貯蓄はかなりの金額になっていることが多い。平均の年金支給額が15,744ルーブル(およそ25,295円)というロシアの基準で考えれば、日本の年金は最低額でさえ、多額に感じられる。スミルノワ氏は言う。一方で、子どもたちから支援を受けている人たちもいます。ロシアにも、日本にも、比較的貧しい生活を強いられている孤独な高齢者もいます。こういう人たちは、まだ働ける場合はバイトやパートを探すことになります。とはいえ、なかなか実際に就職するのは難しいのですが。普通、企業はそれほど技能の必要ない、給与の少ない仕事に就いてくれる若者を見つけることができない場合に限って、高齢者を雇います。ロシアの多くの高齢者には、ダーチャや畑などで息抜きをしながら、できる範囲で野菜を栽培したりしています。日本では都会に暮らしていた高齢者が物価が高いために田舎に引っ越さなければならないという場合も少なくありません。そこでコメを栽培したりします。両国の主な共通点は、高齢者の人口が全体として、労働人口の重荷となり、年金の保険料、医療費、社会福祉サービス料の値上げを招いているということです」。心も体も健康であれば、高齢者も仕事を見つけるチャンスはあるが、70歳を過ぎれば働くことができない人たちも多くなり、介護や医療を受けることになる。ロシアでも、日本でも、高齢者の介護施設や老人ホームというものがある。日本では年老いた家族をそのような施設に入所させることは普通のこととされているが、ロシアでは今でも社会的に批判されることが多い。もちろん、事情によっては、家族の介護をするのにそれ以外の方法がない場合もある。実際、病気を抱える高齢者を自宅で介護することが、本人にとって最良とは言えないことも多い。最近、日本では、同居孤独死という問題がよく聞かれるようになっている。これは、家族と同居していながら、高齢者が自分の部屋でひっそりと孤独に亡くなることである。そして同居している家族は、家族の死に、数日あるいは数週間気づかないのである。
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意外にも共通点が多いロシアと日本の高齢者問題
2021年10月16日, 15:15 (更新: 2022年4月27日, 22:53) 日本とロシアは、経済面でも社会面でもあまり似ていないが、実は共通点もある。それは労働力人口が減少し、高齢者人口が増加の一途をたどっているということである。日本は、平均寿命で世界1位、高齢者の就職率では2位を占めているが、日本とロシアの高齢者の数はほぼ同数となっている。ではロシアの高齢者と日本の高齢者問題における共通点、そして相違点はなんなのだろうか。「スプートニク」が取材した。
高齢者の数は3,640万人で、国立社会保障・人口問題研究所の予測によれば、2025年には高齢者の割合は30%、2040年には35.3%になると見られる。
一方、ロシアでは、労働省の統計によれば、2021年の年初に65歳以上の人口の数は3,680万人を上回った。これは
総人口の25.2%に相当する。そして2030年にはその割合は30%に近づくと予測されている。
社会学者のナジェージダ・スミルノワ氏は、この数値について、「現在、年齢によるライフステージの区分が変わってきています。以前は60歳以上は高齢期とされていましたが、今は後期壮年期と位置付けられています。現在のWHO(世界保健機関)の定義では、高齢者は70歳から75歳の年齢の人とされています。世界のどの国でも寿命が延びていることから、これは世界的な傾向です」と述べている。
2020年の末、日本の労働人口に占める高齢者の割合は13.6%であった。ロシアではおよそ11.4%となっている(労働人口7,510万人のうち高齢者は860万人)。
なぜ高齢者たちはゆっくり休暇を楽しむ権利を持つようになってもなお働き続けるのだろうか。ロシアの世論調査の回答の中でもっとも多い理由は年金額が少ないこと、次いで、今までずっと働いてきたか、社会の役に立ちたい、1人になるのが怖いなどが挙がり、子どもたちを金銭的に助けたいと答えた人はもっともすくなかった。
おそらく、日本の年金生活者が働く理由もほぼ同じだろうと推察される。日本の政府が保障している最低年金(月額およそ6万5,000円)は、基本的には食費、光熱費を支払うのには十分であるが、贅沢できるほどではない。しかし、日本には別の年金制度があり、これまでの勤続年数や給与額、年金控除額などによって、この金額は2倍あるいはそれ以上になることもある。
しかも、日本人の中には老後のために貯蓄をする人が多く、もちろんそう出ない人もいるが、定年退職するころには、貯蓄はかなりの金額になっていることが多い。平均の年金支給額が15,744ルーブル(およそ25,295円)というロシアの基準で考えれば、日本の年金は最低額でさえ、多額に感じられる。
「日本の年金をロシアの基準で見るのは正しいことではありません。この年金が、日本の生活に十分な金額なのかということを理解する必要があります。そのためには、住宅費、公共料金、医薬品など、ロシアよりもかなり高い日本の物価と比較しなければなりません。しかし、ロシア人と日本人は実は思っているほど異なってはいません。ロシアにも、日本にも、多額の年金をもらっている高齢者はいます。そうした高齢者は、すでに成人した子供たちを助け、ときに若い人たちよりも高い支払い能力を持っていることもあります。
一方で、子どもたちから支援を受けている人たちもいます。ロシアにも、日本にも、比較的貧しい生活を強いられている孤独な高齢者もいます。こういう人たちは、まだ働ける場合はバイトやパートを探すことになります。とはいえ、なかなか実際に就職するのは難しいのですが。普通、企業はそれほど技能の必要ない、給与の少ない仕事に就いてくれる若者を見つけることができない場合に限って、高齢者を雇います。ロシアの多くの高齢者には、ダーチャや畑などで息抜きをしながら、できる範囲で野菜を栽培したりしています。日本では都会に暮らしていた高齢者が物価が高いために田舎に引っ越さなければならないという場合も少なくありません。そこでコメを栽培したりします。
両国の主な共通点は、高齢者の人口が全体として、労働人口の重荷となり、年金の保険料、医療費、社会福祉サービス料の値上げを招いているということです」。
心も体も健康であれば、高齢者も仕事を見つけるチャンスはあるが、70歳を過ぎれば働くことができない人たちも多くなり、介護や医療を受けることになる。
ロシアでも、日本でも、高齢者の介護施設や老人ホームというものがある。日本では年老いた家族をそのような施設に入所させることは普通のこととされているが、ロシアでは今でも社会的に批判されることが多い。もちろん、事情によっては、家族の介護をするのにそれ以外の方法がない場合もある。実際、病気を抱える高齢者を自宅で介護することが、本人にとって最良とは言えないことも多い。最近、日本では、
同居孤独死という問題がよく聞かれるようになっている。これは、家族と同居していながら、高齢者が自分の部屋でひっそりと孤独に亡くなることである。そして同居している家族は、家族の死に、数日あるいは数週間気づかないのである。