東日本大震災の恩返しイベント、今年もロシアで実施 孤児の子どもたち大福作りに挑戦、感謝の手紙届く
「毎回、参加するたび、楽しい思い出と、忘れられない感情が残ります。実は、正直に言うと、毎年3月11日を楽しみに待っているんです。友達と会って、『日本に滞在』し、日本の文化や伝統、生活習慣に触れられるからです。その中でも特に印象的なのは、日本の自然の美しさと、その特徴です。自然の中で一番好きなのが富士山で、必ず訪れたいのは、東大寺です。たくさんの日本の祝日やお祭りについて知ることができましたが、その中でも私がよく覚えているのは、4月8日の花まつり(※お釈迦様の誕生日)と7月7日の七夕です。この二つは、とてもはっきりと印象に残っていて、楽しいお祭りだと思います。そして日本食はすごくバラエティに富んでいます。何が一番好きかというと(ヤルメンスタッフの予想に反して)もちろんカレーです!美味しくてお腹いっぱいになるし、料理するのもあまり難しくありません。そして先日の体験では、『モチ』を作ることができました。中身を色々変えて、実験しながら、次回も作ってみたいと思います。
(かつて、梅本さんが施設に来てくれたときの)茶道のデモンストレーションは、忘れられない思い出になりました。あれは私の人生の中で、一番ファンタスティックな出来事でした。日本人と一緒に座って、本物のお茶道具で伝統的な抹茶をいただくのは想像もできなかったことです。その時のことを思い出すと今でも嬉しくなります。本当に、心の底から、ありがとうと言いたいです。
日本は私にとって、とても特別な、驚くべき国です。日本の中には何もかも詰まっています。日本人は外国から来た伝統や習慣を取り入れながらそれを日本の特性とミックスさせながら、自分たちのものにしてきました。他の国がかつての伝統を忘れて何十年も経っても、日本の中には、伝統が生きています。そんな、情報技術と文化価値を併せもった国で、旅行したり、実際に住んで勉強してみたいです。」
「実は梅本さんと出会うよりも前、国連のグローバルプロジェクトの枠内で、ピースボートに参加した日本人が毎年私たちの施設を訪れ、日本文化について話してくれていたので、子どもたちは日本に関心をもつ土壌ができていたのです。子ども村SOSプーシキンの子どもたちにとって、日本文化に触れることは、伝統と言っても良いかもしれません。
ヤルメンのプロジェクトでは、最初は折り紙をしたり、漢字を書いてみたりということをしていましたが、一昨年は、子どもたちが、それぞれ関心のあるテーマで日本に関するレポートを自分たちで準備してきて、皆の前で発表しました。この7年間で子どもたちは、たくさんの新しいこと、面白いことを知りました。そして知れば知るほど、もっと知りたいという気持ちが生まれているようです。子どもたちは調理実習が大好きなんです。子ども村のパートナー企業のご寄付で、一流ホテルでピザやメキシコ料理などの実習をさせてもらったこともあります。今回の大福作りも子どもたちはとても楽しんでいました。お土産に大福を持って帰って皆で分けたところ、甘すぎなくて面白い味、と好評でした。
子どもたちにとってこういう機会は、料理ができるようになるということだけでなく、社会化、社会の一員になるにあたって大事なことであり、視野や世界観を広げることができます。外国の方に何かを習って、一緒に作業をすることで、相手がどこから来たどんな人であっても、共通点を見つけることができます。それでいてそれぞれの文化の独自性も学ぶことができる。食べ物とか芸術、音楽というのは、それにぴったりのテーマです。子どもたちが進学や就職をして社会に出るとき、こういった民間外交の経験は必ず役に立つでしょう。」