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米国はASEANの分裂に期待できない
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米国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)を分裂させようという露骨な試みに着手した。6月1日に開催された会議「ロシアと中国:新時代の協力」の中で、ロシアのイーゴリ・モルグロフ外務次官が発言した。それは本当なのか、実現可能なのか、通信社スプートニクは解明を試みた。 2022年6月4日, Sputnik 日本
2022-06-04T15:35+0900
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モルグロフ外務次官は、「ASEANを分裂させようという露骨な動きがある。ロシアと中国は、広範な問題に関して、緊密で結果を重視する相互関係をASEANと築いている」と語った。また、同外務次官は、NATOがロシアと中国のすべての国境周辺に問題を抱えさせ、再び軍拡競争を起こそうとしていると指摘した。米国は以前から、中国やロシアに対抗するため、東南アジア諸国を自国の側に引き入れようと試みてきた。特にそのことは、5月12日から13日にワシントンで開催された米国とASEAN首脳との会合で顕著に示された。サミットの議題はインド太平洋地域の経済・安全保障問題が中心だったが、バイデン大統領がロシアと中国を封じ込めるために、欧州の同盟国だけでなく、アジア太平洋地域からも支持を得たいと考えていることは明らかであった。それは、同地域のすべての国が米国の立場を支持しているわけではないからだ。サミット開幕前日の5月11日、カンボジアのフン・セン首相は、ASEAN諸国ははっきりとどちらかの側につくことを望んでいないと表明した。カンボジアは今年、ASEANの議長国を務めている。ロシア科学アカデミー東洋学研究所付属東南アジア・オーストラリア・オセアニア研究センターのドミトリー・モシヤコフ所長は、ASEAN諸国に対する米国の圧力は明白だが、これらの国々は選択を迫られるような状況から逃れようとしており、しかも、中国だけでなく、ロシアとの関係もあるのだと強調した。関連ニュース
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米国, 東南アジア諸国連合, 中国, ロシア, オピニオン
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米国はASEANの分裂に期待できない
2022年6月4日, 15:35 (更新: 2022年6月6日, 18:39) 米国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)を分裂させようという露骨な試みに着手した。6月1日に開催された会議「ロシアと中国:新時代の協力」の中で、ロシアのイーゴリ・モルグロフ外務次官が発言した。それは本当なのか、実現可能なのか、通信社スプートニクは解明を試みた。
モルグロフ外務次官は、「ASEANを分裂させようという露骨な動きがある。ロシアと中国は、広範な問題に関して、緊密で結果を重視する相互関係をASEANと築いている」と語った。
また、同外務次官は、NATOがロシアと中国のすべての国境周辺に問題を抱えさせ、再び軍拡競争を起こそうとしていると指摘した。
米国は以前から、中国やロシアに対抗するため、東南アジア諸国を自国の側に引き入れようと試みてきた。特にそのことは、5月12日から13日にワシントンで開催された米国とASEAN首脳との会合で顕著に示された。サミットの議題はインド太平洋地域の経済・安全保障問題が中心だったが、バイデン大統領がロシアと中国を封じ込めるために、欧州の同盟国だけでなく、アジア太平洋地域からも支持を得たいと考えていることは明らかであった。それは、同地域のすべての国が米国の立場を支持しているわけではないからだ。
サミット開幕前日の5月11日、カンボジアのフン・セン首相は、ASEAN諸国ははっきりとどちらかの側につくことを望んでいないと表明した。カンボジアは今年、ASEANの議長国を務めている。
「私たちの政策は、ASEANの政策と密接な関係にある。インド太平洋およびアジア太平洋のあらゆるイニシアティブにおいて、カンボジアは、3つの原則にもとづき行動する。第1は平和と発展、第2は誰も敵としないこと、第3にASEAN中心主義というコンセプトの堅持だ」
ロシア科学アカデミー東洋学研究所付属東南アジア・オーストラリア・オセアニア研究センターのドミトリー・モシヤコフ所長は、
ASEAN諸国に対する米国の圧力は明白だが、これらの国々は選択を迫られるような状況から逃れようとしており、しかも、中国だけでなく、ロシアとの関係もあるのだと強調した。
「この地域の多くの国々は、一連の国がロシアのウクライナ侵攻を批難しても、制裁に加わることを急がず、非常に抑制的なスタンスをとっている。あるいはシンガポールのように、その範囲を非常に限定的なものとしている。第1に、このことは各国そのものの利益にならない。第2に、東南アジアに平和と自由、中立の地帯を作るという目標を宣言しているASEANの原則に反する。米国は各国に個別に圧力をかけている。今年、米国政府は、インドネシアに強く圧力をかけ、11月にバリ島で予定されているG20サミットへのロシア大統領の出席を認めないようインドネシア政府を説得している。米国は、1986年に追放された大統領の息子であるフェルディナンド・マルコス次期大統領に期待しており、彼の政策がドゥテルテ大統領の政策よりも親米的であることを望んでいる」
「米国は以前、ロシアの軍事用ヘリや他の武器をフィリピンが購入しようとするのを事実上妨害している。米国政府は、南シナ海での中国との一連の未解決の紛争や対立を使って、ベトナムを同盟国に加えようと圧力をかけ続けている。しかし、この地域の国々を反中国の方向でまとめることはできていない。中国は、この地域の国々にとって最大の貿易および経済のパートナーであり、最大の投資国だ。中国と切り離されては、どんな国も正しく発展することはできない。中国の政策は多くの国に嫌われているが、これらの国々の米国に対する対応も一義的ではない。例えば、東京で開催された日米豪印戦略対話(QUAD)のサミットでバイデン大統領が提案したインド太平洋経済枠組み(IPEF)は、今のところ概要が提示されただけで、ASEAN諸国に何をもたらすのか、まだ議論すらされていない。ASEANをはじめとするアジア中心の同盟の分裂については、米国は期待できないと思う。ASEANは、まとまること、一緒であることの意味を理解しており、バラバラでは重みがないことを知っている」