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「ここから出ていけ!」脅しとヘイトについて、東京にあるロシア食品店「赤の広場」のオーナーに聞く
「ここから出ていけ!」脅しとヘイトについて、東京にあるロシア食品店「赤の広場」のオーナーに聞く
Sputnik 日本
2月28日に東京、銀座にあるロシア食品店「赤の広場」の看板が破壊された事件で、日本の警察が5月末、53歳の米国人の身柄を拘束したと報じられた。「赤の広場」のオーナーであるヴィクトリヤさんによれば、店は現在も定期的にヘイトや脅しを受けているという。これに関して、「スプートニク」がヴィクトリヤさんにお話を伺った。 2022年6月11日, Sputnik 日本
2022-06-11T18:55+0900
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「まだショック状態の日々が続いている」 事件の詳細現在、ロシア食品店「赤の広場」の看板を壊した米国人は物的損傷の罪で起訴されている。捜査の間、警察はその男性について、また事件の動機については発表しないよう求めていた。ヴィクトリヤさん自身、米国人が逮捕されたということは、心臓の問題で病院に行っていたその日のうちに聞いたという。ヴィクトリヤさんによれば、この事件によって健康上の問題ができたという。ヴィクトリヤさん:「何日もすぎましたが、今もショック状態が続いています。そろそろ元に戻らないといけないと思っています」ヴィクトリヤさん曰く、事件が起きたとき、ヴィクトリヤさんは店にいなかったが、2人の女性スタッフと数人の客がいたという。ヴィクトリヤさん:「自転車に乗った男性がきて、足で看板を蹴り、すぐに走り去りました。わたしたちは最初、うちの店の看板が壊されたということをすぐに理解することができませんでした。店にのそばには看板がいくつかあって、わたしたちの店の看板を壊すには、わざわざ近くまで近寄らなければならないのです。自転車でそのまま引っかかるということはあり得ないのです」ヴィクトリヤさんによれば、以来、ずっと警察が来て、問題がないか尋ねてくれたという。ヴィクトリヤさん:「様子を見てもらい、警護してもらっていると感じます。しかし正直に言えば、犯人が捕まるとは思っていませんでした。しかし、店に付いている監視カメラを使って、なんとかこの男性を見つけることができたようです」日本人の反応:サポート、ヘイト、脅しヴィクトリヤさんは、今回の出来事について、周囲の人々はさまざまな反応を見せたと話している。しかし、店のスタッフらは、ネガティブな感情よりも、支援やサポートの方をはるかに多く受け取っているとのこと。ヴィクトリヤさん:「ほとんどの人たちはわたしたちをとても助けてくれています。新しい看板を買うためのお金を送ってきてくれたお客様もいます。わたしたちは、そのみなさんお一人お一人に、正式な返信を送り、感謝の気持ちを伝え、プレゼントを贈っています」しかし、同時に、ヴィクトリヤさんによれば、ツイッターなどで、商店のスタッフのことなど信じられない、すべては作り話だと書いてくる人も少なくなかったという。ヴィクトリヤさん:「ほとんどの人はわたしたちのことをとても一生懸命にサポートしてくれましたが、ヘイトと呼ばれるような事件もかなりたくさんありました。なぜか高齢の方からの電話がとても多いです。たとえば、あるおばあさんは電話をかけてきて、『ここから出ていけ!』と言いました。またスタッフの話では、今日も、高齢の男性から、同じような電話があったようです。クリル諸島(北方領土)に対する不満を爆発させているのかもしれません」スプートニク:「今までで一番、変だなと感じられた出来事はどのようなものでしたか?」ヴィクトリヤさん:「ある時、高齢男性が電話をかけてきて、怒って言うんです。『あなたたちは本当にウクライナから来たのか。嘘をつくな。ロシア人だろう!』と。ここで働いているスタッフは全員ウクライナ人です。そしてわたしたちが、政治には関係がないので、どちらの味方でもないと答えると、それに対して、『嘘をつくな。つまりお前らは皆、プーチンの手先だな』などと言われるのです。わたしもスタッフの女の子たちもそんなセリフを聞いて、いつも笑ってしまいます。概して、『特定できない番号』から電話をかけてくる人は、好きなことを言って、自分が英雄みたいな気分になって、きっとそれで気持ちが落ち着くんでしょうね」ヴィクトリヤさんは、また比較的、許せる内容の電話もあれば、ときにかなり深刻な脅しの電話を受けることもあると話す。たとえば、3月28日の午前7時にEメールがきて、そこにはある女性が、鋸でスタッフ全員を切り刻んでやると書いてきたそうだ。ヴィクトリヤさん:「メールの内容に店員たちはかなり動揺していました。女の子たちは、大きなバッグを持った客が来ると怖がって、入り口に置くようお願いしていました。ですが、今はかなり落ち着いています。もちろんいつでも何かあるかもしれないと心の準備はしていますが」「赤の広場」の今後スプートニク:「これからお店はどうなっていくと思いますか?このようなヘイトや脅しを乗り越えてやっていく自信はありますか?」ヴィクトリヤさん:「オフィスでは皆、団結しています。スタッフは皆、いいチームなんです。わたしたちは、現在の状況を耐える必要があるということを理解しています。わたしたちにとって、お店にとって、一番大きな問題は、飛行機が運行していないため、ロシアから製品を輸入することができないということです。もしできたとしても、航空運賃が高騰しているので、3倍の料金がかかるということです。今後、お店がどうなるかという問題については、苦しい状況ですが、脅しやヘイトなどの問題は今では受け入れることができ、熱くなることもありません。3月は実際、かなり激しい、厳しい月で、お店だけでなく、スタッフのそれぞれの家庭でも大きな問題がたくさんありました。4月になって、わたし自身も少し落ち着いてきて、5月になってから、今も、そのような脅しは来ていません。実際、99%の人が本当にわたしたちを支援してくれていて、わたしたちはこれからも発展していくつもりです」ヴィクトリヤさんはまた、スタッフたちはポジティブな気分で、アメリカやカザフスタンのものなど、新たな種類の商品を増やしていく計画だと話してくれた。また、近く、秋に実現予定の新たなプロジェクトを発表する計画だという。ヴィクトリヤさん:「このプロジェクトは、実は2年前から温めていたものなんです。パンやケーキを出すカフェをオープンしたいと思っています。わたしの姉(妹)はお菓子を焼くのがとても上手なんです。彼女はまもなく、マリウポリからここに来ることになっています。というのも、マリウポリではすべてが崩壊し、未来などないからです。すべてうまくいくと信じています。そして家族全員をここに呼びたいと思っています。ここで、また新たに仕事していきたいと思っています」最近、ヴィクトリヤさんは、「赤の広場」という店名を何かウクライナっぽい名前に変えてはどうかという提案をよく受けるのだそうだ。しかし、オーナーはこのことについては固い考えがあるのだそうだ。ヴィクトリヤさん:「すぐにあちこちに場所を変えるのは好きではないのです。わたしには、わたしのプロジェクトがあり、人生があり、わたしの作ったものがあり、それはすべてわたし自身のものです。これはわたしのもので、変えられるものではありません。わたしには、進んでいくべき自分の道があります。そんなわたしの人生のスローガンは、『ただ前進あるのみ』です」
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赤の広場
「ここから出ていけ!」脅しとヘイトについて、東京にあるロシア食品店「赤の広場」のオーナーに聞く
2022年6月11日, 18:55 (更新: 2022年6月15日, 14:37) 独占記事
2月28日に東京、銀座にあるロシア食品店「赤の広場」の看板が破壊された事件で、日本の警察が5月末、53歳の米国人の身柄を拘束したと報じられた。「赤の広場」のオーナーであるヴィクトリヤさんによれば、店は現在も定期的にヘイトや脅しを受けているという。これに関して、「スプートニク」がヴィクトリヤさんにお話を伺った。
「まだショック状態の日々が続いている」 事件の詳細
現在、ロシア食品店「赤の広場」の看板を壊した米国人は物的損傷の罪で起訴されている。捜査の間、警察はその男性について、また事件の動機については発表しないよう求めていた。ヴィクトリヤさん自身、米国人が逮捕されたということは、心臓の問題で病院に行っていたその日のうちに聞いたという。ヴィクトリヤさんによれば、この
事件によって健康上の問題ができたという。
ヴィクトリヤさん:「何日もすぎましたが、今もショック状態が続いています。そろそろ元に戻らないといけないと思っています」
ヴィクトリヤさん曰く、事件が起きたとき、ヴィクトリヤさんは店にいなかったが、2人の女性スタッフと数人の客がいたという。
ヴィクトリヤさん:「自転車に乗った男性がきて、足で看板を蹴り、すぐに走り去りました。わたしたちは最初、うちの店の看板が壊されたということをすぐに理解することができませんでした。店にのそばには看板がいくつかあって、わたしたちの店の看板を壊すには、わざわざ近くまで近寄らなければならないのです。自転車でそのまま引っかかるということはあり得ないのです」
ヴィクトリヤさんによれば、以来、ずっと警察が来て、問題がないか尋ねてくれたという。
ヴィクトリヤさん:「様子を見てもらい、警護してもらっていると感じます。しかし正直に言えば、犯人が捕まるとは思っていませんでした。しかし、店に付いている監視カメラを使って、なんとかこの男性を見つけることができたようです」
ヴィクトリヤさんは、今回の出来事について、周囲の人々はさまざまな反応を見せたと話している。しかし、店のスタッフらは、ネガティブな感情よりも、支援やサポートの方をはるかに多く受け取っているとのこと。
ヴィクトリヤさん:「ほとんどの人たちはわたしたちをとても助けてくれています。新しい看板を買うためのお金を送ってきてくれたお客様もいます。わたしたちは、そのみなさんお一人お一人に、正式な返信を送り、感謝の気持ちを伝え、プレゼントを贈っています」
しかし、同時に、ヴィクトリヤさんによれば、ツイッターなどで、商店のスタッフのことなど信じられない、すべては作り話だと書いてくる人も少なくなかったという。
ヴィクトリヤさん:「ほとんどの人はわたしたちのことをとても一生懸命にサポートしてくれましたが、ヘイトと呼ばれるような事件もかなりたくさんありました。なぜか高齢の方からの電話がとても多いです。たとえば、あるおばあさんは電話をかけてきて、『ここから出ていけ!』と言いました。またスタッフの話では、今日も、高齢の男性から、同じような電話があったようです。クリル諸島(北方領土)に対する不満を爆発させているのかもしれません」
スプートニク:「今までで一番、変だなと感じられた出来事はどのようなものでしたか?」
ヴィクトリヤさん:「ある時、高齢男性が電話をかけてきて、怒って言うんです。『あなたたちは本当にウクライナから来たのか。嘘をつくな。ロシア人だろう!』と。ここで働いているスタッフは全員ウクライナ人です。そしてわたしたちが、政治には関係がないので、どちらの味方でもないと答えると、それに対して、『嘘をつくな。つまりお前らは皆、プーチンの手先だな』などと言われるのです。わたしもスタッフの女の子たちもそんなセリフを聞いて、いつも笑ってしまいます。概して、『特定できない番号』から電話をかけてくる人は、好きなことを言って、自分が英雄みたいな気分になって、きっとそれで気持ちが落ち着くんでしょうね」
ヴィクトリヤさんは、また比較的、許せる内容の電話もあれば、ときにかなり深刻な脅しの電話を受けることもあると話す。
たとえば、3月28日の午前7時にEメールがきて、そこにはある女性が、鋸でスタッフ全員を切り刻んでやると書いてきたそうだ。
ヴィクトリヤさん:「メールの内容に店員たちはかなり動揺していました。女の子たちは、大きなバッグを持った客が来ると怖がって、入り口に置くようお願いしていました。ですが、今はかなり落ち着いています。もちろんいつでも何かあるかもしれないと心の準備はしていますが」
スプートニク:「これからお店はどうなっていくと思いますか?このようなヘイトや脅しを乗り越えてやっていく自信はありますか?」
ヴィクトリヤさん:「オフィスでは皆、団結しています。スタッフは皆、いいチームなんです。わたしたちは、現在の状況を耐える必要があるということを理解しています。わたしたちにとって、お店にとって、一番大きな問題は、飛行機が運行していないため、ロシアから製品を輸入することができないということです。もしできたとしても、航空運賃が高騰しているので、3倍の料金がかかるということです。今後、お店がどうなるかという問題については、苦しい状況ですが、脅しやヘイトなどの問題は今では受け入れることができ、熱くなることもありません。3月は実際、かなり激しい、厳しい月で、お店だけでなく、スタッフのそれぞれの家庭でも大きな問題がたくさんありました。4月になって、わたし自身も少し落ち着いてきて、5月になってから、今も、そのような脅しは来ていません。実際、99%の人が本当にわたしたちを支援してくれていて、わたしたちはこれからも発展していくつもりです」
ヴィクトリヤさんはまた、スタッフたちはポジティブな気分で、アメリカやカザフスタンのものなど、新たな種類の商品を増やしていく計画だと話してくれた。また、近く、秋に実現予定の新たなプロジェクトを発表する計画だという。
ヴィクトリヤさん:「このプロジェクトは、実は2年前から温めていたものなんです。パンやケーキを出すカフェをオープンしたいと思っています。わたしの姉(妹)はお菓子を焼くのがとても上手なんです。彼女はまもなく、マリウポリからここに来ることになっています。というのも、マリウポリではすべてが崩壊し、未来などないからです。すべてうまくいくと信じています。そして家族全員をここに呼びたいと思っています。ここで、また新たに仕事していきたいと思っています」
最近、ヴィクトリヤさんは、「赤の広場」という店名を何かウクライナっぽい名前に変えてはどうかという提案をよく受けるのだそうだ。しかし、オーナーはこのことについては固い考えがあるのだそうだ。
ヴィクトリヤさん:「すぐにあちこちに場所を変えるのは好きではないのです。わたしには、わたしのプロジェクトがあり、人生があり、わたしの作ったものがあり、それはすべてわたし自身のものです。これはわたしのもので、変えられるものではありません。わたしには、進んでいくべき自分の道があります。そんなわたしの人生のスローガンは、『ただ前進あるのみ』です」