宇宙で最も重い質量の星が見つかる その重さは?
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銀河系星雲の一つである「大マゼラン雲」で、宇宙で最も重い質量を持つ星の、より正確な質量が天文学者らによって明らかになった。この発見をまとめた論文が、査読前論文サーバ「アーカイヴ」に掲載されている。
研究者らは今回、ハワイのジェミニ天文台の望遠鏡で地球から15万光年離れたところにある大マゼラン雲を観察。その星雲の中にある散開星団「R136」に含まれる個々の星の調査を進めている中で、宇宙で最も重い質量を持つ星「R136a1」のより正確な質量が明らかになった。
Using the 8.1-meter Gemini South telescope in Chile, part of @GeminiObs and operated by @NOIRLabastro, astronomers have obtained the sharpest image ever of the star R136a1, the most massive known star in the #Universe 🌟 https://t.co/7e8Lq1i0cT (1/2) pic.twitter.com/eesYSiqPih
— Gemini Observatory (@GeminiObs) August 18, 2022
「R136a1」の質量は、これまでの予測では太陽の250〜320倍だとされていたが、今回それが150〜200倍に修正された。しかし、それでもこれまで知られている宇宙の星々の中では最も質量が重い。また、表面温度は太陽の8倍、半径は40倍に達する。
研究者らは、今回の発見は最大級の星の形成メカニズムを理解する上で重要であり、今後は星の質量上限を見極めることが可能になると指摘している。また、太陽の寿命は100億年であるのに対し、重い星の寿命は200〜300万年と比較的短いことから、そういった星の形成の仕組みは天文学者らにとって謎に包まれているという。
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