中国の専門家 英潜水艦のオーストラリア沖配備の可能性を疑う

© AP Photo / Andrew Harnik3カ国間の軍事同盟「AUKUS」の会議
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中国国際関係専門家グループのリュウ・ツジュン副長は、ロシア側が主催したモスクワ・北京・上海を繋いだビデオ会議で、英国の軍事力はオーストラリアの基地に原子力潜水艦を配備するには十分ではない可能性があり、そうした計画は他のAUKUS加盟国の利益にはならないかもしれないとの考えを示した。
2021年、米国と英国、オーストラリアの3カ国は、インド太平洋地域の安全保障上の脅威に対処するため、3カ国間の軍事同盟「AUKUS」を創設すると発表した。2022年7月末には、英国は中国に対する抑止力として、オーストラリアに原子力潜水艦を派遣する用意があると明らかにした。英紙デイリー・メールによると、この計画では、オーストラリア西海岸の主要港であるパースに、2040年までに英国の潜水艦を配備することになっている。
しかし、中国の専門家であるリュウ氏は、オーストラリア沖に英国の原子力潜水艦基地を配備する計画が実行に移されることに疑問を抱いている。同氏は、「我々は、2040年までに英国の潜水艦をオーストラリアの基地に配置するというAUKUSの現在の計画を懐疑的にみている。なぜなら、今日の英国は、太陽が沈まない帝国ではないからだ。野心的な計画を実行する能力が十分でない可能性がある」と述べている。
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リュウ氏は出席したビデオ会議で、AUKUS加盟国の海軍、特に米国と英国の海軍は、もはや最新式のものではないと強調した。「彼ら(米国と英国)が使っている軍備は、非常に多くのものが旧式化している。彼らは、自分たちの艦隊の近代化という課題に直面しており、新しい艦隊の建造を他者に約束している。その約束がどこまで実現できるかは未知数だ」と強調した。また、同氏は、AUKUSの計画があまりに積極的なものになると、中国やロシアなどの安保理常任理事国から圧力がかかるとみている。
リュウ氏によれば、オーストラリアは現在、軍事力の向上を望んでおり、そのために米国と緊密な連携を取っている。しかし、このような緊密な連携がオーストラリアの長期的な利益にどの程度つながるかは、まだ明確なものにはなっていないとリュウ氏は指摘する。また、同氏はもう一つの側面に注目している。英国の潜水艦をオーストラリアに配備する計画が進めば、日本や韓国などの国も同様の軍事力増強を望むようになり、地域の緊張が高まるのは必至という。同氏は会議の最後で、「中国の前提は、力を誇示するのではなく、地域のバランスと安全を維持するために努力することだ。これは、我々がパートナーにも期待していることなのだ」と述べた。
これよりも前、中国は軍事同盟「AUKUS」に関するすべての懸念を解決するための特別委員会を国際原子力機関(IAEA)に設置することを望んでいるとの考えを示した。
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