岸田首相、臨時国会で所信表明演説 旧統一教会問題など「厳しい意見を聞く」
2022年10月3日, 14:33 (更新: 2022年10月3日, 15:43)
© AP Photo / Ted Shaffrey岸田首相
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日本の岸田首相は3日、召集された臨時国会で所信表明演説を行った。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題について「国民の声を正面に受け止め」るとし、同時に消費者関連契約の法改正を検討すると表明。また構造的な賃上げ実現に向け、職業能力の再開発支援に5年間で1兆円を投じるとした。エネルギーでは原発再稼働、外交・安全保障では防衛力の抜本強化について触れた。
岸田首相は旧統一教会との関係について「国民の声を正面から受け止め説明責任を果たす」としたうえで、「政府としては寄せられた相談内容を踏まえ、総合的な相談窓口を設け、法律の専門家による支援体制を充実・強化するなど被害者の救済に万全を尽くす」と述べた。
また先月の安倍元首相の国葬については「厳粛かつ心のこもったものとなった」としつつも「国民から頂いた様々な意見を重く受け止め今後に生かしていく」と強調。
電気料金については「急激な値上がりのリスクがある」として「家計・企業の電力負担の増加を直接的に緩和する、前例のない、思い切った対策を講じる」と表明した。
新たな総合経済対策として「構造的な賃上げ」を実現するため、成長分野で働くための支援に5年間で1兆円を投入する方針を明らかにした。
エネルギー安定供給に関しては「原子力発電の問題に正面から取り組む」と強調。原発十数基の再稼働や次世代型原発の開発・建設に向けた議論を年末に向けて活発化させると表明した。
外交・安全保障分野では5年以内の防衛力の抜本強化を挙げた。必要な内容と予算規模の把握、財源について「一体的に」議論を進めるとした。憲法改正をめぐっては、国会論議の加速に期待を示した。
国会の会期は12月10日までの69日間。