ウクライナ問題に対し、G7とは異なる立場が日本の中で生まれているのか?

© AP Photo / Lukas BarthG7
G7 - Sputnik 日本, 1920, 15.10.2022
日本維新の会の鈴木宗男参院議員は、「G7(先進7カ国)」がロシアを常に批判していることに落胆したと自身のブログに綴った。日本のメディアが伝えるところによれば、鈴木氏は、ウクライナがクリミア大橋の爆破に関与しているのであれば、「ウクライナも非難されるべきだ」との考えを主張している。
連帯した西側はウクライナを絶対的に支持するという立場をとっており、主流な情報を流しているが、鈴木氏のこの意見は、そんな流れにおける「唯一の声」なのか、「スプートニク」が日本問題の専門家にお話を伺った。あるいは、日本の政治家の中で、ウクライナ危機の様相は、事実ますます危機的なものになりつつあり、一方的なものではなくなりつつあるのだろうか。
というのも、鈴木氏の主要な不満は、G7がオンラインで開いた緊急会合を開いたが、ウクライナ問題解決、停戦に向けた新しい提案や発表はなされず、ロシアに対する批判や非難しかなかったというものなのである。しかし、現在の日本に、実際に(ウクライナにおける紛争の)当事者同士を交渉の席に就かせようとする政治家はいるのだろうか。あるいは、鈴木氏の批判は「砂漠の中に響くたった1人の声」なのだろうか。
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ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所、日本経済・政治部門のヴィタリー・シヴィトコ部長は、次のような見解を明らかにしている。
「日本では、概して、人と違うことをして目立ったり、大多数の人と異なる意見を言ったりしない方がよいとされています。そのようなことから、日本の政治家がどのように感じているのか、本当のところは多くの人には知られていないと言えるでしょう。しかし、鈴木宗男氏は日本の社会において、かなり特異な人物です。彼は伝統的な『主流の政治家』という存在ではなく、それゆえに他の政治家よりも多くのことが許されています。つまり、『第一級』の政治家とは異なり、大胆な発言を行い、独創的な考えを主張する傾向があります」
一方、有名な東洋学者で、政治学者で、国際関係の専門家であるドミトリー・ストレリツォフ氏は、鈴木宗男氏は、常軌を逸した、いわばスキャンダルの多い政治家だったと述べている。2004年には、受託収賄の罪に問われ、懲役2年の実刑判決を受けた。また鈴木氏は、ロシアと係争中の北方四島について「日本に島は不要」と述べた人物であり、もっとも親露的な政治家の1人とされている。
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ウクライナ危機に対する他の日本の政治家の考え方について言えば、日本政府はこの問題について完全な意見の一致が保たれているとストレリツォフ氏は述べている。
「この問題に関して、日本の政治家の間に分裂は見られません。鈴木宗男氏の見解を支持するのは限られた政治家だけでしょう。日本には、ロシアに対して、依然、総合的に批判的な雰囲気があります。しかも、与党だけでなく、野党の中でも同様です。加えて、共産党を含め、野党の方が『より強硬』な姿勢を示しています。ですから、現在、日本で『分裂の可能性を模索』したり、ロシアを支持する野党の意見を見つけるのは困難です。とはいえ、日本は西側と異なり、常に、穏健的な立場を占めています。それは、日本がロシアとの対話を完全に停止することを望んでおらず、また必要な経済関係は維持したいという意味においてです。なぜなら、日本の安全はやはり多くの点において、ロシアの要素に左右されるからです。こうした見地から見ると、日本は、サハリンのプロジェクトを維持し、連帯した西側の全体的な『足並み』から若干外れています。ロシア経済分野協力担当大臣というポストが廃止されなかったのも偶然ではないでしょう。安倍首相の時代に導入されたこのポストは『ロシア政治担当大臣』とも考えられるもので、これが廃止されると言われていました」
注目に値するのは、日本とロシアの科学文化面における関係は(以前ほどの規模ではないものの)まだ続いており、学生の交換留学も維持されているということである。さらに2022年の8月末には、日本でロシア文化フェスティヴァルが開かれ、ロシアと日本のアーティストらの合同コンサートも開かれた。しかし、こうしたことも、ウクライナ紛争に関する日本の政治家たちの立場にはいかなる影響も及ぼしていない。現在のところ、日本はG7の立場を踏襲しているだけだとストレリツォフ氏は指摘する。
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一方、シヴィトコ氏は、日本政府指導部にとって、ウクライナ危機は、日本にとって二義的な問題であり、日本に直接関係のあるものではないとも付け加えている。というのも、ウクライナは日本から遠く離れており、市民の意識の中で、ウクライナ紛争というものはそれほど大きな場所を占めていないからだとシヴィトコ氏は語っている。
「日本人はウクライナ危機について心から心配したり、その解決の有効性を真剣に分析したりはしません。つまり、平和的な解決について深く考えたりはしないのです。なぜなら、このことに関して、日本ができることは少ないからです。政治の世界における主な(かなり厳しい)討論は、日本国内の具体的な問題をめぐって行われています」
日本のメディアも、こうした問題について取り上げ、議論している。その議論は日本の社会や福祉に関するあらゆることである。また外交においても、優先的な問題となっているのはウクライナではなく、北朝鮮からの(日本への直接的な)脅威に対抗する防衛力の強化に関する問題なのである。
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一方、中国および現代アジア諸国研究所の日本問題の専門家であるオレグ・カザコフ氏は、日本がウクライナ問題には無関心だとするシヴィトコ氏の意見には同意しないとし、次のように述べている。
「日本の政治家の間には、あらゆる対露制裁について、『G7』を支持するという公式的なトレンドがあります。日本政府はこの方向性でかなり積極的に行動しています。つまり、日本は逆に、ロシアが現在、ウクライナ危機(特別軍事作戦)に関する問題をどのような方法で解決するのかを、非常に注意深く観察し、分析しているのです。日本政府はこれは国際法の違反だと考えており、同じようなことが日本でも起こるのではないかと懸念しています。たとえば中国が、日本と係争中の領土に対して 似たような手段に出てくるかもしれないと考えているのです」
そんな中、鈴木宗男氏は、いかなる制裁も厳しい政治危機を解決することはできないとの考えを示し、「新たに制裁措置も取っているが、いかにさまざまな制裁措置をしても紛争は終わらない。停戦、双方が銃を置くことが急務ではないか」、「世界の主要国の首脳会議で停戦すべきとの声が出なかったことに落胆した次第だ」と述べた。
これはたった1人の政治家の声にすぎず、日本の政治界からの「大きな声」ではない。しかし、それでも、この言葉には同意せずにはいられない。
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