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ロシア抜きのフィギュアスケートはどうなっているのか
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ロシアのフィギュアスケーターは、国際大会で常に優勝候補の一角を占めてきた。そして今、2022年初めにロシア人選手の出場停止処分が発表されてから半年以上が経過した。フィギュアスケートは、ロシアがいない中、どのような状態になっているのだろうか? 2022年10月20日, Sputnik 日本
2022-10-20T21:41+0900
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ロシア代表がいなくなると、残念ながらジュニア大会のペアでは見どころがなくなってしまう。2022年のジュニアグランプリ(GP)ファイナルでは、米国のペアが2011年以来、ウクライナのペアが2015年以来、カナダのペアが2012年以来出場することが決まった。アイスダンスもロシア人選手がいなければ面白いものにならない。出場停止処分の「おかげ」で、ジュニアGPファイナルに史上初めて英国と韓国の選手が進出した。前者は少なくとも1984年サラエボオリンピックの金メダリスト、ジェーン・トービル/クリストファー・ディーン組の例があるが、後者は今のところ、リズムダンスでの『江南スタイル』があるのみだ。また、ジュニアGPシリーズに出場した男子シングルの選手らは、シーズン初戦を控えめな形でスタートを切った。ジュニアGP第1戦のフランス大会(クールシュベル)の男子シングルでは、ショートプログラムでトリプルアクセルに挑戦する選手は少なかった。フリープログラムでは、優勝した日本の中村俊介選手(17)だけが転倒したものの、4回転トウループを実施した。しかし、第2戦以降は、ショートとフリーにもウルトラC級の要素が多くなってきた。そう、すべての優勝者が難しい要素に挑戦したわけではない。例えば、イタリアのニコライ・メモラ(18)は4回転を1度も挑戦することなく決勝に進出し、米国のルーカス・ブルサードはトリプルアクセルを1度もクリーンに成功させることができなかった。あの羽生結弦(27)でさえ、初めてのオリンピックで1回の4回転トウループだけで臨んだのだ。一方、ジュニアGPの女子シングルでは、ロシア勢が不在な中でハイレベルなジャンプが見られなくなってしまうということは起きなかった。年齢制限が引き上げられたことで、ジュニアのレベルがシニアレベルに移行する際の準備段階と認識されることを危惧する声も多かった。無理を押してウルトラC級の要素を実施しても意味がないのだ。しかし、実際の大会では逆の結果になってしまった。年齢制限を引き上げ導入後の最初のシーズンで、ジュニアの女子選手らはロシア女子が持っていたベンチマークを新たな高みにまで引き上げたのだった。ジュニアGPの女子シングルでは、トリプルアクセルがウルトラС級のメインエレメントだった。日本人では島田真央(13)、吉田陽菜(17)、中井亜美(14)が挑戦し、3者全員が成功した。一方で、4回転ジャンプを飛ぶ選手はあまりいなかった。ただし、米国のミア・カリンは、第2戦チェコ大会(オストラヴァ)のフリーで4回転ジャンプを2度成功させた。一方、島田は出場したGPシリーズ2戦で圧倒する演技を見せ、フリーではトリプルアクセルと4回転トウループを決めた。島田が現れる前には米国のアリサ・リュウ(17)と、ロシアのソフィア・アカチエワ、ソフィア・サモデルキナ、カミラ・ワリエワ(16)だけが、こういったコンビネーションをもっていた。島田のポテンシャルはこれらの選手に匹敵すると思われる。女子シングルのGPファイナル決勝に進出したのは、日本と韓国の選手のみ。島田、中井、吉田という高度なジャンプをこなすスケーターが全員、ファイナルへの切符を手にした。ところで、興味深い事実がある。一般に、ウルトラC級の高度な技は年の若い女子選手の方がやりやすいといわれている。島田と中井(島田は13歳、中井は14歳)にはこの法則が通用しても、17歳の吉田には通用しないということだ。今回のジュニアGPシリーズでは、難易度の高いジャンプも、10代の繊細な演技ができることを証明した。そして、こういったことはロシア人でなくてもできるのだ。関連記事
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ロシア抜きのフィギュアスケートはどうなっているのか
ロシアのフィギュアスケーターは、国際大会で常に優勝候補の一角を占めてきた。そして今、2022年初めにロシア人選手の出場停止処分が発表されてから半年以上が経過した。フィギュアスケートは、ロシアがいない中、どのような状態になっているのだろうか?
ロシア代表がいなくなると、残念ながらジュニア大会のペアでは見どころがなくなってしまう。2022年のジュニアグランプリ(GP)ファイナルでは、米国のペアが2011年以来、ウクライナのペアが2015年以来、カナダのペアが2012年以来出場することが決まった。
アイスダンスもロシア人選手がいなければ面白いものにならない。出場停止処分の「おかげ」で、ジュニアGPファイナルに史上初めて英国と韓国の選手が進出した。前者は少なくとも1984年サラエボオリンピックの金メダリスト、
ジェーン・トービル/クリストファー・ディーン組の例があるが、後者は今のところ、リズムダンスでの『江南スタイル』があるのみだ。
また、ジュニアGPシリーズに出場した男子シングルの選手らは、シーズン初戦を控えめな形でスタートを切った。ジュニアGP第1戦のフランス大会(クールシュベル)の男子シングルでは、ショートプログラムでトリプルアクセルに挑戦する選手は少なかった。フリープログラムでは、優勝した日本の中村俊介選手(17)だけが転倒したものの、4回転トウループを実施した。しかし、第2戦以降は、ショートとフリーにもウルトラC級の要素が多くなってきた。
そう、すべての優勝者が難しい要素に挑戦したわけではない。例えば、イタリアのニコライ・メモラ(18)は4回転を1度も挑戦することなく決勝に進出し、米国のルーカス・ブルサードはトリプルアクセルを1度もクリーンに成功させることができなかった。あの羽生結弦(27)でさえ、初めてのオリンピックで1回の4回転トウループだけで臨んだのだ。
一方、ジュニアGPの女子シングルでは、ロシア勢が不在な中でハイレベルなジャンプが見られなくなってしまうということは起きなかった。
年齢制限が引き上げられたことで、ジュニアのレベルがシニアレベルに移行する際の準備段階と認識されることを危惧する声も多かった。無理を押してウルトラC級の要素を実施しても意味がないのだ。しかし、実際の大会では逆の結果になってしまった。
年齢制限を引き上げ導入後の最初のシーズンで、ジュニアの女子選手らはロシア女子が持っていたベンチマークを新たな高みにまで引き上げたのだった。
ジュニアGPの女子シングルでは、トリプルアクセルがウルトラС級のメインエレメントだった。日本人では島田真央(13)、吉田陽菜(17)、中井亜美(14)が挑戦し、3者全員が成功した。一方で、4回転ジャンプを飛ぶ選手はあまりいなかった。ただし、米国のミア・カリンは、第2戦チェコ大会(オストラヴァ)のフリーで4回転ジャンプを2度成功させた。
一方、島田は出場したGPシリーズ2戦で圧倒する演技を見せ、フリーではトリプルアクセルと4回転トウループを決めた。島田が現れる前には米国のアリサ・リュウ(17)と、ロシアのソフィア・アカチエワ、ソフィア・サモデルキナ、カミラ・ワリエワ(16)だけが、こういったコンビネーションをもっていた。島田のポテンシャルはこれらの選手に匹敵すると思われる。
女子シングルのGPファイナル決勝に進出したのは、日本と韓国の選手のみ。島田、中井、吉田という高度なジャンプをこなすスケーターが全員、ファイナルへの切符を手にした。
ところで、興味深い事実がある。一般に、ウルトラC級の高度な技は年の若い女子選手の方がやりやすいといわれている。島田と中井(島田は13歳、中井は14歳)にはこの法則が通用しても、17歳の吉田には通用しないということだ。今回のジュニアGPシリーズでは、難易度の高いジャンプも、10代の繊細な演技ができることを証明した。そして、こういったことはロシア人でなくてもできるのだ。