【解説】FIFA インドネシアでの2023年U-20ワールドカップに向けて安全対策を見直し

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国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長とインドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、同国東ジャワ州マランで1日に開催されたサッカーの試合終了後に起きた暴動事件について、インドネシアの全てスタジアムの安全対策を見直すことで合意した。ウィドド大統領は18日の会談後、24チームが出場する2023年のFIFA U-20ワールドカップの開催権が剥奪されることはないと明らかにした。
インファンティーノ会長のジャカルタ訪問は、FIFA、インドネシアサッカー協会(PSSI)、アジアサッカー連盟が、再び事件が起こらないようスタジアムの安全性の向上を目指し、事件の経緯を調査するための合同作業部会を設置することに関連している。1日、インドネシアの東ジャワ州マランにあるカンジュルハン・スタジアムでアレマFC対ペルセバヤ・スラバヤの試合が行われたが、試合結果を不服としたファンがサッカー場に乱入する出来事が起きた。警察は混乱を防ぐため、催涙ガスを放ち、スタジアムの出口は逃げ惑う人で大混乱に陥った。
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インドネシア当局の発表によると、この暴動で33人の未成年者を含む133人が死亡した他、29人が重傷、440人が軽傷を負った。この事件は、サッカー界に大きな衝撃を与えた。翌日、FIFAのウェブサイトではインファンティーノ会長の声明が掲載され、悲惨な事件で命を落とした犠牲者の家族や友人たちに哀悼の意を表した。その声明で同会長は、「サッカーに関わるすべての人にとっての悲しい日だ」と述べている。
事件の調査報告書では、人々が亡くなった主な原因は「過度」で「無差別」な催涙ガスの使用であると記されている。インファンティーノはウィドド大統領との会談後、インドネシアでのサッカー改革が最優先課題であるとの考えを示した上で、「私たちには、ファンを守り、安全を確保する義務がある」と述べた。そのため、FIFAはインドネシアに事務所を設置し、2023年のU-20ワールドカップに向け、すべてのスタジアムが安全要件を満たしているかどうかを調査し、同国政府と緊密に連携していくという。
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スポーツジャーナリストでコメンテーターのニコライ・ヤレメンコ氏は、FIFAにとって、11月20日から12月18日までカタールで開催されるワールドカップの決勝戦に関連して、セキュリティの問題は特に重要だと述べている。
「サッカーの試合で群衆を制圧するために催涙ガスを使用することは禁止されている。 その国の人々だけでなく、数万人のファンが集まることも多いスタジアムで無秩序な行為が起きた場合、治安機関は追加部隊を要請し、特別な器具(ゴム製の警棒)を使用する権利がある。しかし、スタジアムの構造、出入口を管理する組織、警備担当者の行動にも大きく左右される。残念ながら、誰もがストレスフルな状況下で適切な反応をする能力を持っているわけではない。その一例が、欧州サッカー連盟(UEFA)の制裁により、チャンピオンズリーグ決勝がサンクトペテルブルクからパリに変更された時のことだ。 職員が観客のチケットを確認したところ、その多くが偽物であることが判明したのだ。パリ警察は、インドネシア警察と同様に催涙ガスを使用した。その時はたまたま犠牲者が出なかったのだ…」
もうすぐ開催されるカタール・ワールドカップは、初めて冬に開催される大会であり、アラブ圏で初めて開催されるワールドカップでもある。また、アジア全域でみるとワールドカップの開催は2002年の日韓大会以来の2度目となる。インドネシアサッカー協会(PSSI)は、11月のG20サミットにインドネシア当局から招待されているインファンティーノ氏が、サミットの枠組みでFIFA U-20ワールドカップの準備について演説するとみている。
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