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【視点】日本版「チャーチ・ゲート」 統一教会に関しては政治家と有権者は別々の立場?
【視点】日本版「チャーチ・ゲート」 統一教会に関しては政治家と有権者は別々の立場?
Sputnik 日本
岸田首相は、統一教会の活動を調査するよう命じた。だが、この宗教団体の行動が(おそらく)安倍晋三元首相暗殺の原因の1つとなったことを考えた場合、調査が本格的なものに発展する可能性は果たしてあるのだろうか。 2022年10月21日, Sputnik 日本
2022-10-21T09:30+0900
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この悲劇的な事件で日本の世論は炎上。どれだけ多くの与党(自民党)の有力政治家らが統一教会の行事に参加し、そのことで関係を深めてきたかという事実にさらに大きな関心が集まった。一方で統一教会のために経済的な責め苦を味わった日本人もかなりの数存在する。中には破産の淵まで追いやられた人もいて、それが安倍氏暗殺の動機となった。この「探偵事件の不協和音」は日本国民に疑問を投げかけている。なぜこの宗教団体が日本の政治のエスタブリッシュメントとかくも密接に結びつくことができたのか、そしてそれが自分たちの生活や福祉にどう影響するのか。ロシア科学アカデミー付属世界経済国際関係大学で日本経済と政治グループを率いるヴィタリー・シュヴィドコ氏は、公開の調査で日本社会が余すところなく、誠実な回答を得るとは考え難いとして次のように語っている。一方で、このような状況に置かれているのは主に普通の市民であり、政治家らは統一教会とは別のシナリオで関係を築いてきたとシュヴィドコ氏は指摘している。与党の議員らが統一教会の行事に参加したのも、おそらくそのためだろう。この場合、自民党員と統一教会の関係は互恵的なものだった、有名な政治家を取り込むことで統一教会は信者数を増やすことができ、一方、自民党員も選挙活動を盛り上げ、票集めのために統一教会の具体的な支援を期待できたのだ。安倍氏の非業の死があって初めて、この事実が強烈なスポットライトの中で浮き彫りになって、メディアや世間から厳しい目が向けられるようになり、統一教会が現時点でどれだけ深く日本の政治エリートに「浸透」しているのか、当然の懸念が持たれているのである。日本の世論は、セクトの政治への関与に制御を確立するよう呼びかけている。 なぜなら宗教団体は、その国のより「グローバルな利益」のためにロビー活動をすることもできるからだ。そうなれば、その国の安全保障に直接に関係してしまう。この意味で「チャーチ・ゲート」のような一大政治スキャンダルの懸念は自民党内に分裂を引き起こした。(岸田首相は確かにあのように発言したが)統一教会に対して本当に大規模な調査を行ったほうがいいのだろうかと、シュヴィドコ氏は疑問を呈している。例えば、調査が「統一教会」が積極的に行ってきた悪徳販売行為の、いわゆる「霊感商法」に及ぶことは考えられるし、教会のさまざまな怪しげな取引が調査の対象となることもありえるだろう。だが、調査が大規模化して、マスコミの一面を飾る「スター」の中に有力政治家の名前が「瞬く」ようになることは、まずないはずだ。つまり、政治家らと世界で最大影響力のある宗教団体の間の奇妙な「友情」というスキャンダルが背景にはあるが、国民は日本版「チャーチ・ゲート」とそれに続く権力上層部の大規模な辞任など、まぁ期待はできない。だが、統一教会が事実上半世紀にわたって日本に影響を及ぼしてきたことを考えれば、その活動の大規模なチェック(調査ではなくて)でさえ、なかなかの大きな印象を呼ぶこともありうる。それだけでも決してわずかとはいえない。
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【視点】日本版「チャーチ・ゲート」 統一教会に関しては政治家と有権者は別々の立場?
2022年10月21日, 09:30 (更新: 2022年10月21日, 16:15) 岸田首相は、統一教会の活動を調査するよう命じた。だが、この宗教団体の行動が(おそらく)安倍晋三元首相暗殺の原因の1つとなったことを考えた場合、調査が本格的なものに発展する可能性は果たしてあるのだろうか。
この悲劇的な事件で日本の世論は炎上。どれだけ多くの与党(自民党)の有力政治家らが統一教会の行事に参加し、そのことで関係を深めてきたかという事実にさらに大きな関心が集まった。一方で統一教会のために経済的な責め苦を味わった日本人もかなりの数存在する。中には破産の淵まで追いやられた人もいて、それが安倍氏暗殺の動機となった。
この「探偵事件の不協和音」は日本国民に疑問を投げかけている。なぜこの宗教団体が日本の政治のエスタブリッシュメントとかくも密接に結びつくことができたのか、そしてそれが自分たちの生活や福祉にどう影響するのか。
ロシア科学アカデミー付属世界経済国際関係大学で日本経済と政治グループを率いるヴィタリー・シュヴィドコ氏は、公開の調査で日本社会が余すところなく、誠実な回答を得るとは考え難いとして次のように語っている。
「統一教会 の活動は、外部からのコントロールに対してはかなり閉鎖的、秘密主義的だ。この宗教組織の内部で実際、何が行われているのか、その指導者によっていかなる決定が下されているのか、正確なところは誰も知らない。そうした一方で、世論は統一教会が非常に強引な方法で寄付を集めていることに一番苛立ちを感じている。これらは莫大な額であるにもかかわらず、寄付をする人は金がどこに行くのかさえ知らない」
一方で、このような状況に置かれているのは主に普通の市民であり、政治家らは統一教会とは別のシナリオで関係を築いてきたとシュヴィドコ氏は指摘している。
「おそらく、統一教会自身が、日本国内での活動を政治家らに容認してもらう代わりに多額の寄付をした のだろう。一例では統一教会は自民党の候補者の選挙活動に資金を投入している。また、選挙活動の際に、(教会から)ボランティアを提供することもあったのではないか。だからといって、それが自民党の票集めに大規模な影響を与えたと断言することはまだできないが、選挙資金への金銭的な支援は行われたと思う」
与党の議員らが統一教会の行事に参加したのも、おそらくそのためだろう。
この場合、自民党員と統一教会の関係は互恵的なものだった、有名な政治家を取り込むことで統一教会は信者数を増やすことができ、一方、自民党員も選挙活動を盛り上げ、票集めのために統一教会の具体的な支援を期待できたのだ。
安倍氏の非業の死があって初めて、この事実が強烈なスポットライトの中で浮き彫りになって、メディアや世間から厳しい目が向けられるようになり、統一教会が現時点でどれだけ深く日本の政治エリートに「浸透」しているのか、当然の懸念が持たれているのである。
日本の世論は、セクトの政治への関与に制御を確立するよう呼びかけている。 なぜなら宗教団体は、その国のより「グローバルな利益」のためにロビー活動をすることもできるからだ。そうなれば、その国の安全保障に直接に関係してしまう。
この意味で「チャーチ・ゲート」のような一大政治スキャンダルの懸念は自民党内に分裂を引き起こした。(岸田首相は確かにあのように発言したが)統一教会に対して本当に大規模な調査を行ったほうがいいのだろうかと、シュヴィドコ氏は疑問を呈している。
「なぜなら自民党員の多くがすでに統一教会と関係していたことは『お墨付き』だというのに、本格的な調査が始まれば、ただでさえ政府支持率が低いところに、状況はさらに悪化し、最後は与党の信用を失墜させることになる。 このため自民党議員の中にはスキャンダルに『歯止めをかけ』たいと望む人がいてもおかしくない。プレイヤーの中に日本のエスタブリッシュメントがいるのに、これが世間を騒がす裁判に発展するのかどうかはかなり疑わしい。彼らにとってはリスクが高すぎるからだ。稼ぐ点数よりも、落とす評判のほうが大きい。最も分かりやすいのは、まさに統一教会の活動に対する『調査』だ。調査をしたところで、寄付を強要した科で統一教会に多額の罰金を科されるか、何らかの特典を失う程度で終わるだろう」
例えば、調査が「統一教会」が積極的に行ってきた悪徳販売行為の、いわゆる「霊感商法」に及ぶことは考えられるし、教会のさまざまな怪しげな取引が調査の対象となることもありえるだろう。だが、調査が大規模化して、マスコミの一面を飾る「スター」の中に有力政治家の名前が「瞬く」ようになることは、まずないはずだ。
つまり、政治家らと世界で最大影響力のある宗教団体の間の奇妙な「友情」というスキャンダルが背景にはあるが、国民は日本版「チャーチ・ゲート」とそれに続く権力上層部の大規模な辞任など、まぁ期待はできない。
だが、統一教会が事実上半世紀にわたって日本に影響を及ぼしてきたことを考えれば、その活動の大規模なチェック(調査ではなくて)でさえ、なかなかの大きな印象を呼ぶこともありうる。それだけでも決してわずかとはいえない。