【解説】F-35戦闘機の調達:米企業のために自国民に大きな負担を課す日本の防衛省

F-35戦闘機 - Sputnik 日本, 1920, 01.11.2022
アジア太平洋地域の情勢悪化は軍事費の拡大を引き起こしている。とくに日本は、防衛費を2023年の7兆8000万円から、2027年には約10兆円まで増額させる意向であり、5年間の防衛費総額は43兆円規模になるとみられる。この防衛費の中で、主要な出費となっているのが、米戦闘機F-35の購入費である。現在、日本はこの戦闘機を25機保有している。
2020年に承認された計画では、日本はF-35A戦闘機63機とF-35B戦闘機42機の合わせて105機の購入することが予定されている。2つ目の改良型であるF-35Bは日本の護衛艦に搭載されることになっている。この計画の費用は230億ドル(およそ3兆4000億円)に達している。

あらゆる付属品と一式となった戦闘機

多くの記事で、F-35戦闘機の1機の価格はおよそ7800万ドル(およそ115億円)とされている。この金額は最新の戦闘機の価格としてはそれほど高く感じられないかもしれない。しかし、これは完全なデータではなく、ここには購入の際に必要なその他の費用や戦闘能力を維持するための費用は含まれていない。
まず戦闘機というものは、それ単体では供給されないという点から話を始める必要がある。
戦闘機には、それに必要な数多くの部品、また整備や飛行準備のためのさまざまな装備が付属されている。
たとえば、F-35供給一式には、予備のジェットエンジン、プラット・アンド・ホイットニーF135、無線電子機器、通信システム、輸送管理システム、特殊梱包、対空ミサイルから機体を守る赤外線暗視能力を持つ光学センサー、ミッションソフトウェア、各種シミュレーターなどが含まれ、これが購入価格に含まれるのである。
つまり、戦闘機に付属するあらゆる装備を含め、日本がF-35に対して支払う価格は一式あたり2億1900ドル(およそ429億円)にもなるのである。
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戦闘機の維持費

戦闘機購入の費用はここが始まりである。戦闘機の技術サービス、戦闘能力の維持、飛行準備などにも多額の費用がかかる。
統計によれば、その費用は、F-35A戦闘機1機で780万ドル(およそ11億5400万円)、F-35Bで910万ドル(およそ13億4600万円)、そしてF-35Cでは990万ドル(およそ14億6400万円)となる。
もし日本が計画通りの数量の戦闘機を調達するとなると、年間の出費は10億ドル(およそ1480億円)を超える。すべての戦闘機を全運用期間にわたり維持するには、きわめて膨大な資金が必要となるのである。
日本に88機のF-35Aと42機のF-35Bが納入されたとして、その運用期間が40年であることから、2062年までにその費用は、F-35Aで274億ドル(およそ4兆540億円)、F-35Bで152億ドル(およそ2兆2490億円)、合わせて427億ドル(およそ6兆3000億円)となる。
しかもこれで全てではない。運用期間中、戦闘機は数段階にわたる改良を必要とし、これにも費用がかかるのである。
米国防総省は、総額4000億ドル(59兆2600億円、1機あたりにすると1600万ドル=およそ23億6700万円)のF-35戦闘機を2500機製造するとの計画を立てた。戦闘機の運用開始から終了までの42年間の費用総額は1兆7000億ドルと算定される。この金額は、購入費、年間維持費、そして改良にかかる費用から計算されたものである。運用年数分の年間費用が8億5300万ドル(およそ1262億4954万円)となるのであれば、改良のための出費を計算するのは難しいことではない。運用年数の費用の総額から、購入費と毎年の費用を差し引くと、4470億ドル(66兆円)、1機あたりにすると1億7800万ドル(およそ263億5310万円)となる。そこで、日本が現在保有するものと新たに購入するF-35戦闘機合わせて130機の改良には、さらに231億ドル(およそ3兆4205億円)かかる計算である。

支払いは子や孫の代まで

このように、総合すると、日本のF-35戦闘機購入には以下のような費用が必要となる。購入に230億ドル(およそ3兆4070億円)、年間維持費に420億ドル(およそ6兆2200億円)、そして改良に230億ドル(およそ3兆4070億円)、合計で880億ドル(およそ13兆円)になるのである。また、運用期間に必要な費用が、購入時に支払う金額の2.8倍にもなるという点も注目に値する。この計算は現在の価格に基づいたもので、しかも概算でしかない。
インフレや日本円の対ドルレートの変動、日本、アジア太平洋地域、世界全体の経済状況の変化により、将来的に戦闘機の維持にかかる費用がさらに大幅に増額する可能性もある。ただ一つはっきり言えることは、日本の防衛省は今後10年にわたって納税者のお金を注ぎ込む相手を見つけたということである。米製戦闘機の費用を支払いは、今生きている日本国民だけでなく、その子どもたちの代の負担ともなり、さらには孫の代にも残されるのである。米国の軍需企業にとって、これは、今後が保証された素晴らしい長期的ビジネスである。というのも、戦闘機のサービスに対する年間の費用と改良にかかわる費用の大部分が収入になるからである。
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米国には壮大な計画がある。
米国は、国防総省のために2500機の戦闘機の生産を計画している一方で、2046年までに輸出用として、F-35のさまざまな改良型機を900機生産するとしている。ちなみに、2021年の製造数は400機、輸出用は200機であった。
このような輸出計画から、日本に対しても、今後数年にわたって、さらにF-35を購入するよう要請してくる可能性も除外できない。
900機の輸出というのは、米国の軍需企業にとっての大きなビジネスである。
販売価格はおよそ1970億ドル(およそ29兆2090億円)、技術サービスの年間費用が78億ドル(およそ1兆1560億円)で、40年間にすると3120億ドル(およそ46兆2472億円)、そして改良費が1600億ドル(およそ23兆7230億円)にもなるのである。
このように、総額でおよそ6690億ドル(およそ99兆1500億円)、年間平均で160億ドル(およそ2兆3712億円)になるのである。この数字はかなり一義的なものである。
つまり、日本の防衛省は、米戦闘機F-35購入の決定を下すことにより、米企業をこの先数十年にわたって潤わせるために、自国民にきわめて重い負担を課したということを意味するのである。
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