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氷河の溶解で復活する太古のウイルス

© Sputnik / Ilya Timin / メディアバンクへ移行氷河が溶ける
氷河が溶ける - Sputnik 日本, 1920, 13.11.2022
氷河が融解することで、氷に封じ込まれた太古のウイルスや細菌が拡散し、人間の居住域に入り込むことが多くなることが、カナダの研究で明らかになった。この研究をまとめた論文は、学術誌「Proceedings of the Royal Society」に掲載されている。スプートニクは、古代のどの病原体が生命を目覚めさせる可能性があるのか、そして、その病原体が人間の間で広がる危険性はどれほどあるのかについて詳しく伝えている。

地球温暖化がもたらす劇的な結末

氷河と永久凍土は、地球上の巨大な冷蔵庫だ。そこには、蘇る可能性がある微生物が保存されているが、地球温暖化の影響で太古の昔に死んだ動物の凍ったミイラが解けることがあれば、そういった病原体が一緒に地球上に拡散することになる。雪解け水の量が増えれば、河川などによって運ばれる古代の病原体も増えていく。また、温暖化によって、病気を媒介する動物の生息地が北上し、地球上のより広い範囲を覆うようになる。氷が溶けてこの世に出てきたウイルスは、遅かれ早かれ、4本足または2本足の動物と出会い、その中で生活し、増殖するだろう。これは、人類にとって劇的な結果をもたらす恐れがある。

災いのもと

研究者らは、動植物を永遠の冬眠から目覚ませることに何度か成功している。例えば、1972年、シベリアで105年間も仮死状態だったイモリを蘇らせた。さらに、チベット高原で採取した氷のサンプルから、33種類のウイルス(うち28種類は未知)の遺伝子を発見することに成功した。これらのウイルスは、1万5000年前の氷の中で冬眠していたという。そして研究者らは2014年、シベリアの永久凍土のサンプルから3万年前の未知の巨大ウイルスを発見した。このウイルスは通常の光学顕微鏡でも見ることができるという。研究者がこの巨大ウイルスを試験管に入れて観察したところ、現代のアメーバはこのウイルスに感染した。したがって、永久凍土から感染させる能力がある微生物が復活することは、「災いのもと」と考えることが可能だと研究者らはみている。氷が溶けて世の中に出現した病気には、現代の薬では効かない可能性がある。
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ロシア 古代のウイルスの襲来に備える

国土の3分の2が永久凍土に覆われているロシアは、氷から溶け出たウイルスによって最も被害を受けると思われる。また、北極圏でこれほど大規模な経済活動が行われている地域は世界でも他にない。雪解け水が飲料水源に流れ込むと、有害な微生物が人々に感染させる可能性がある。
ロシアのウイルス学研究センターでは、マンモスを用いた実験を行っている。化石動物の中に存在する古代のウイルスを探し、その対策法を組み立てるためだという。また、ロシアの北極圏では、140の観測点からなる永久凍土のモニタリングシステムが構築されている。研究者らは、早ければ2023年、このシステムから最初のデータを取得するという。
カナダの研究者らも氷河が融解することで起こる危険性を訴えている。研究者らがカナダの北極圏にあるヘイゼン湖の土壌と湖底の堆積物を分析したところ、湖の中にある氷河が溶けると蘇る古代のウイルスが存在していることが明らかになった。
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