【視点】米国のG20での成果:西側とは合意、中国とは見せかけ?

© AFP 2022 / Alex BrandonG20
G20 - Sputnik 日本, 1920, 18.11.2022
インドネシアで開催されたG20サミットでは、一部の参加国がウクライナ紛争を非難する宣言を承認し、サミットは閉幕した。しかし、(ロシア代表団を率いた)ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は「この状況や制裁について他の見解」も示されたと発言した。
このように、反ロシア的な議題のみをパートナーに強要し、ロシア代表団を「孤立」させようという西側の試みは失敗に終わった。ラブロフ外相は国連事務総長と予定通り会談したほか、中国とトルコの外相とも会談し、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相とも会談した。
G20サミット - Sputnik 日本, 1920, 16.11.2022
G20サミット首脳宣言採択 2月以降初
それでも、米国は今回のサミットをホワイトハウスにとっては成功だったと考えているかもしれない。というのも、バイデン大統領は、今回、ロシアを非難するという課題に加え、中国との首脳会談で米中関係の「波風」を落ち着かせることに少なからぬ力を注いだのだ。
これまでのところ、それは「言葉の上で」しか成功していない。しかし、バイデン大統領率いる米国はあきらかに、中国をこちら側に引きずり込める、(ウクライナ危機の解釈で)中国に西側の味方をさせ、ロシアとの協力を、エネルギー協力も含め、やめさせられると期待しているようだ。
G20サミットで米国の悲願はどこまで達成されたのか。スプートニクが取材した。
政治学者で中国の専門家、ロシア人民友好大学教授のアンドレイ・ヴィノグラドフ氏によれば、米中間の根本的な意見の相違が取り除かれたと結論づけるのは時期尚早だという。

「G20サミットでは、互いに多少の歩み寄りを見せたに過ぎません。しかも、歩み寄りには米国の方が積極的でした。以前は、米国は中国に対して強硬な姿勢をとり、中国は関係のさらなる緊迫化を抑えようとしていました。

 今回は、両国ともに、そのような進路がもたらしうるリスクと結果を計算した上で、「ブレーキをかける」ことにしたのでしょう。これはウクライナ情勢の影響であり、また、それにより世界の国際情勢が全般的に悪化したことも一因です。

 それでも、中国がアメリカの戦略的ライバルであることには変わりありません。ただ、両国が「不要なエスカレーション」を避けるようになることで、両国の対立がより「ゆるやなか」ものになるというだけです。両国で首脳会談が実施されたという事実と会談結果はポジティブなものですが、それが長期的に続くという過大評価は控えるべきです。

 なぜなら、米中の根本的な意見の相違はそのままだからです。つまり、今回の出来事は、両国関係における戦略的転換点を意味するものではなく、戦術的な解決策にすぎないということです」

ロシアと中国の関係については、ロシアはたしかに支持を必要としており、この地政学的状況で支持を得るのは容易ではないことから、難しい状況に置かれている。
G20サミット - Sputnik 日本, 1920, 15.11.2022
【解説】世界経済の激動の中 インドネシアでG20サミットが開催
それでも、インドネシアでのサミットを受けてロシアと中国の関係が悪化することはないだろうと、ヴィノグラドフ氏は考える。

両国関係は、ロシア自身に、また、ウクライナでの軍事作戦がどれだけ効果を上げられるかに大きく左右されます。

 なぜなら、紛争の理由や評価がどのようなものであれ、結局は、弱い側ではなく強い側と「仲良くする」のが普通だからです。中国は(多くの人が思っているように)一般的な情勢に沿って決定を下すわけではありません。自国の長期的な国益に沿って決定を下すのです。

 中国にとって重要なのは自国の立場です。しかも、この戦略は、パートナーや交渉役としての中国の価値を高めるので、中国の行動の余地は広がります。中国が自分の立場を「売る」ことはありません」

したがって、バイデン大統領と習主席の(G20での)会談を受けて、中国がロシアに向けて何らかの声明を出したり、露中関係が劇的に変化したりすることはないと思われる。
政治学者のゲヴォルグ・ミルゾヤン氏も同じ見解で、米中首脳はそもそも「最終的な和解」を目的にはしていなかったと語る。

「米国が自分は特別だというイデオロギーを決して捨てず、唯一の超大国であり続けようとすることを、中国はよく理解しています一極世界のルールを維持しようとすれば、必ず、中国の立場や野心と衝突することになります。

 ですから、両国の戦略的対立は不可避であり、中国はさらなる対外拡張を追い求めることになります。両首脳がインドネシアで和解的な発言をしたことは、早すぎる衝突を避けるための手段に過ぎません。つまり、決定的な対決をできるだけ長く「先送り」しようというものです。

 ちなみに、これは両国ともに必要としていることです。米国にとっては、ロシアと中国を同時に相手にするのは荷が重すぎるのは明らかです。バイデン大統領は、まず、アメリカが「弱い方」だと考えるロシアと決着をつけ、それから中国に本格的に取り組もうとしています」

中国もまた、米国との良好な貿易関係をできるだけ長く維持することは得であり、対立を先送りすることにやぶさかではない。今後待ち受ける衝突を前に「脂肪を貯めておく」というわけだ。
中国 - Sputnik 日本, 1920, 16.11.2022
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また、中国は、米ロ関係における「バイデン・ゲーム」の重要ポイントも踏まえている。米国はウクライナ危機でなにがなんでも「ロシアを倒さなければ」ならない、そうすることで、米国にとっては来たる中国との戦いがずっと楽になる、と中国は理解しているであろう。
したがって、バイデン大統領と習主席が両国の緊張緩和で合意したとしても、それがロシアと中国の関係を犠牲にするものだとは考えにくい。少なくとも、ロシアと中国の重要分野での協力が犠牲になることはない、とミルゾヤン氏は語った。
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