【解説】人材不足を補填するため、あらゆる可能性を探る日本

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地下鉄 - Sputnik 日本, 1920, 05.12.2022
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日本語を知らずに初めて日本に来た人は情報の海に溺れてしまいがちだ。そうした人々のため、また、日本在住で求職中、あるいは新たな自己実現の可能性を探している外国人のために、11月25日と26日、東京でEXPAT EXPO TOKYO 2022が開催された。日本にはどれくらいの外国人がいるのか。彼らはどこから、どんな目的で日本に来ているのか。
EXPAT EXPOは、外国人が日本企業や外資系企業の人事担当者と交流できる場として開催された。EXPOにあわせて、国際ジョブフェアも行われた。EXPOにはインターナショナルスクールや語学学校のほか、不動産、医療、金融、観光、レジャーなどの分野で外国人向けサービスを提供する企業も参加した。
多くの国で労働力不足が問題となり、各国は外国人の専門家の誘致に積極的だ。コロナ禍の国境閉鎖で移民の流れは大きく減少したものの、現在は再び元に戻りつつある。国連の国際移住機関(IOM)によると、2019年の世界の国際移住者数は約2億7200万人に達しており、このうち、1億6400万人が労働移民であった。外国からの労働力流入が最も多かったのはアジア諸国だったが、同時に、アジア諸国からは労働力の流出も起こっている。
東京出入国在留管理局 - Sputnik 日本, 1920, 26.11.2022
【解説】東京の入管施設で相次ぐ外国人の死亡、その原因は何か?
かつて、日本で働く外国人は、大学教授や文化人でない限り、「日本人の仕事を奪っている」という偏見から警戒されてきた。しかし、やがて経済的な必要性から、日本も外国人労働者を受け入れざるを得なくなり始めた。高齢化や若者人口の減少に伴い、様々な分野や地方で深刻な労働力不足が顕在化したのだ。2017年11月には技能実習生法が施行され、一定の技能訓練を行うことを条件に、労働移民の受け入れが合法化された。2018年末には、国会で出入国管理法の改正が可決され、2種類の在留資格が新設された。熟練度の低い業務に従事し、家族の帯同が認められないものと、より熟練した技能を持ち、家族の帯同が認められるものである。日本で働く外国人の在留期間は在留資格によって異なり、平均すると1〜5年程度である。高度専門職や研究者、企業のトップマネジメント、大学教授などには、例外的に無期限の在留が認められている。
新たなルールのもと、2019年から5年間で、農業、水産加工、建設、清掃、看護など14の分野で、さまざまな技能の外国人を約34万5000人受け入れることが想定された。
しかし、コロナ禍と、その後2年近く続いた世界で最も厳しい水際対策により、来日する外国人労働者の増加傾向は腰折れした。法務省によると、2012年からコロナ禍前年にあたる2019年の在日外国人は300万人近くに達していた。それでも、さまざまな分野で138万人分の労働力不足が発生していた。JICAによると、現在の経済レベルを維持するだけでも、2040年までに外国人労働者を674万人に増やす必要があるという。
2022年10月11日、日本は外国人観光客の個人旅行を解禁し、ビザ免除を再開すると発表した。同日、政府は1日5万人だった外国人観光客の入国制限を撤廃した。岸田文雄首相率いる政府が今年3月から段階的に進めてきた水際対策の正常化により、日本は外国人労働者の受け入れを再開することができる。しかし、前向きな政策的な変化はあるものの、外国人労働者の増加の大部分は、留学生や技能実習生によって賄われているのが現状だ。2022年1月までに既にビザの発給を受け、日本入国を待っていた外国人40万人のうち、約15万3000人が留学生で、12万9000人が技能実習生である。
人口問題研究所の上級研究員のニキータ・リャザンツェフ氏は、次のように指摘する。
「日本政府は、留学生を労働力と見なしていることを隠していません。つまり、教育移民は労働移民を誘致する政策の延長線上に置かれているのです。日本の大学で教育を受けた留学生の多くは、日本に残ることを希望するため、その結果、日本は労働市場のニーズに適した技能の労働力を得ることができます。日本に来る留学生は急激に増加し、2012年には16万1000人強だったのが、2019年には31万2000人に達し、過去最高を記録しました。2021年は24万2000人にまで減少しました。出身国を見ると、中国、ベトナム、韓国、台湾、タイ、スリランカ、インドネシアなどが多く、主に日本の経済的・地政学的影響圏の国々です。もうひとつ重要なポイントは、日本留学に来た人々が民族的・文化的に日本に近い人々だという点です。こうした人々は新しい生活環境に適応するのが容易なのです。若者を日本に留学させるための仕組みはさまざまです。 例えば、日本企業のイニシアチブで、タイの首都バンコクで毎年、大規模なイベントNippon Haku Bangkokが開催されています。観光・文化プログラムだけでなく、このイベントには日本から教育機関、人材紹介会社、外国人を雇用したい企業も積極的に参加しています。また、近隣諸国からの留学生誘致は、投資、貿易、ビジネス関係、文化交流によってサポートされています。そのおかげで、近隣諸国には新たな雇用が生まれ、海外の日本関連セグメントや日本に労働力を呼び込むための好条件を生み出すことになるのです。また、日本語学校も大きな役割を担っており、事実上、外国人の若者の就職斡旋を担っています。技能実習生については言うまでもありません。彼らは、表向きは教育目的の移民とされていますが、事実上は、組織的に労働力をリクルートするためのチャンネルとなっています。」
労働移民が、多くの場合、仕事を求めて自発的に他国へ行く人だとすれば、戦争、自然災害、飢餓などから逃れるために移住を余儀なくされた強制移民もいる。まだ全貌は明らかになっていないが、国連難民高等弁務官事務所によると、2022年の避難民は世界全体で1億300万人に達する可能性があると推定されている。
日本は1981年に国連の「難民の地位に関する1951年の条約」に加盟した。以降、8万7892人が日本に難民申請を行ったが、承認されたのはわずか915人だ。2021年、日本が難民認定したのは74人。2022年、日本はウクライナから約2000人の避難民を受け入れた。ここで注意したいのは、日本がウクライナから受け入れているのは「難民」ではなく「避難民」であるという点である。この資格の違いにより、避難民は一部の権利が制限されている。
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