https://sputniknews.jp/20230125/14700506.html
【視点】沖縄戦に動員された元学徒ら、「戦争を引き起こそうとしているような空気を感じる」
【視点】沖縄戦に動員された元学徒ら、「戦争を引き起こそうとしているような空気を感じる」
Sputnik 日本
沖縄戦 (1945年)に動員された元学徒らで作る会が、2023年1月12日、声明を表した。沖縄戦に動員されて生き延びた元学徒隊の生存者らは、日本政府は沖縄戦の教訓を守り、隣国との平和を強化するため努力してほしいと訴えた。 2023年1月25日, Sputnik 日本
2023-01-25T06:03+0900
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2023-09-28T21:01+0900
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また元学徒らは、再び沖縄を戦場にすることに断固反対するとの立場を明らかにしている。ロシアではこのような状況に関して、「直感というのは正しいものだ」とよく言われる。実際に戦場で戦った人というのは、危険に対し、敏感に直感が働くものなのである。前線で向こうのはっきりしない音が攻撃開始を警告している。静かな口笛とともに、元学徒たちは地面に伏し、砲撃を始める。戦う人々はそれを覚えていて、人々に危険な瞬間が始まる兆候を伝えるのである。こうした習慣は何十年もの間、守られてきた。概して、戦争は常に、元学徒たちの頭の中に、そして記憶の中に留まっている。これは政治に関しても同じことである。沖縄戦に動員された学徒らは、日本の総理大臣の演説を聞き、動員が行われ大学や学校から招集され、恐ろしい戦いが始まったあの1945年の春の日をはっきりと思い出したはずである。彼らが聞いたのは、78年前に起こったことを思い出させる言葉や表現だったのだろう。今、日本政府が今、突然、1945年の3月とほぼ同じことを言い出したということは、危険が近くにあり、それをすべての人々に警告する必要があると、元学徒らは考えたのかもしれない。沖縄本島と宮古島を通過した演習2022年12月、24機の戦闘爆撃機J-15を搭載した中国海軍の空母「遼寧」(艦番号16)などの艦艇が本島と宮古島の間を通過し、沖縄の南280キロあたりで演習を開始した。空母の護衛で航行したのは、対空ミサイルと巡航ミサイルの発射装置112セルと対潜水艦ヘリコプター2機を搭載した055型駆逐艦拉薩(艦番号102)、それに対空ミサイルと巡航ミサイルの発射装置64セルと対潜水艦ヘリコプターを搭載した最新型を備えた052DL型駆逐艦開封(艦番号124)である。またこれと共に、補助艦と情報収集艦も同行した。空母打撃群は、沖縄への攻撃を想定した演習を行った。演習はかなり精力的なもので、空母からは艦載戦闘機・艦載ヘリが計130回ほどの発着艦を行った。行われた演習は、おそらく、沖縄占拠のための軍事作戦の計画の一部と考えられる。こうした計画において、沖縄への空からの攻撃は、陸軍の航空部隊が担うことになる。空母には、島をブロックし、そこに敵の艦隊や航空部隊が島に接近するのを阻止する援護部隊の役割が与えられている。「遼寧」は沖縄への攻撃を行うためのものではなく、おそらく標的は米軍の空母群、とりわけ、原子力空母ロナルド・レーガン(CVN-76)、または原子炉で再充電したときの空母ジョージ・ワシントン(CVN-73)であろう。これは容易な課題ではない。米軍の空母はおよそ4つの戦闘機部隊(およそ70機の戦闘機)で構成される打撃群を搭載している。これは「遼寧」の3倍の規模に当たる。中国側は、「遼寧」と「山東」を合わせても、米軍の空母を上回ることはできない。そこで中国の空母が軍事的な課題を遂行し、標的とならないためには、目新しい計画が必要となるのである。しかし、米軍の空母は必要なときに、必要な場所にいない可能性がある。そうなれば、中国の艦隊と空軍が沖縄を占拠することになる。米国はハワイを防衛しようとしているのか沖縄の元学徒らが声明を表した直後、ワシントンでは日米の外務・防衛の閣僚会議、いわゆる2プラス2という興味深い会合が開かれた。この会議で協議されたのは、まさに沖縄に関する問題と、中国の攻撃に備えた南西諸島の防衛問題である。そこで決定された防衛戦略とは、簡単に言えば次のようなものである。まず、沖縄に駐留する米海兵隊を再編し、対艦・対空ミサイルを装備する海兵沿岸連隊(MLR)を創設する。こうした連隊が最初に創設されたのは2022年3月にハワイで(このこと自体、非常に興味深く、症候的である)あり、それが今度は沖縄でも同じようなものが創設され、また次にはグアムにも展開されようとしている。米軍は、敵―おそらくは中国人民解放軍―が沖縄、グアム、ハワイに、落下傘部隊の上陸を伴う大規模な攻撃を計画していると確信しているのだろうか第二に、米軍は、港のない島への迅速な部隊や物資の展開を目的に、横浜に13隻の船舶と約280人の編成による小型揚陸艇部隊を新たに配備する第三に、自衛隊司令部は、陸上自衛隊第15旅団を再編することを決定し、8個の師団・旅団と5つの部隊を本島から南西諸島に展開させることを可能にするとした。まさにこのような報道を受けて、沖縄戦に動員された元学徒らは危険を直感したのである。本質的に、上述した決定事項は、南西諸島をめぐる陸上戦に向けた準備である。しかも、敵の能力は海上でも、上空でも、優勢なのである。もし敵が、日本全土に展開する陸上部隊を攻撃するための上陸作戦をとれば、上空と島周辺の海上は敵の管理下に置かれる。こうなれば、島を占領するために激しい戦闘となり、砲撃による防衛部隊への攻撃は避けられなくなる。1945年の沖縄戦に参加した元学徒らに嘘はつけない。これは実際にこうなるのである。島を防衛する陸上の部隊は、事実上、決死隊である。沖縄を攻撃から守れるかどうかは航空部隊にかかっている。もしも爆撃機がなくなれば、島は大規模あるいは小規模な破壊と犠牲者を伴い、陥落する。きわめて興味深いのは、米軍が島への海上と上空からの攻撃に対し、陸上の米軍海兵隊による防衛の準備を始めた点である。それはどの島かというと、ハワイとグアムである。このような計画を考えられるのは、敵が実際にこの島に到達するだろうと確信があるからに他ならない。中国人民解放軍の司令官の目で地図を見てみたい。沖縄、グアム、ハワイが奪取されれば、太平洋西岸の米軍は完全に機能しなくなる。艦隊、空挺部隊、地上部隊を展開し、支援する基地がなくなるのである。もし中国軍がハワイを占領したとしたら、それは中国艦隊が西経150度から西の太平洋を管理下に置くことを意味する。支援を失った残りの基地も殲滅、占領されるか、あるいは降伏するだろう。これはそれほど悪いシナリオではない。しかし、実行するのはやはり容易ではない。米軍司令部が下した決定を見れば、米国はこれらの戦略的に重要な島にまで攻撃が及ばないという確信がないようだ。攻撃の可能性があるということは、勝利のチャンスもまたある。一方、このような展開は地域にある米国の同盟国にとって何ら良いことはもたらさない。つまり、そうなれば、台湾は母国と統合せざるを得なくなる。韓国はおそらく、北朝鮮に殲滅され、南北が統一された朝鮮民主主義人民共和国が誕生する。そしてこのような条件下で、日本は中国の優位性と主導的役割を認めざるを得なくなる。なぜなら日本は支援なくして単独で中国と張り合うことはできないからだ。そこで、沖縄戦に動員された元学徒らの意見は正当なものだと思え、地域における歴史的な変化はそこまできているような気がするのである。
https://sputniknews.jp/20230103/14467642.html
https://sputniknews.jp/20230114/mlr-14574503.html
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2023年1月25日, 06:03 (更新: 2023年9月28日, 21:01) 沖縄戦 (1945年)に動員された元学徒らで作る会が、2023年1月12日、声明を表した。沖縄戦に動員されて生き延びた元学徒隊の生存者らは、日本政府は沖縄戦の教訓を守り、隣国との平和を強化するため努力してほしいと訴えた。
また元学徒らは、再び沖縄を戦場にすることに断固反対するとの
立場を明らかにしている。ロシアではこのような状況に関して、「直感というのは正しいものだ」とよく言われる。
実際に戦場で戦った人というのは、危険に対し、敏感に直感が働くものなのである。前線で向こうのはっきりしない音が攻撃開始を警告している。静かな口笛とともに、元学徒たちは地面に伏し、砲撃を始める。戦う人々はそれを覚えていて、人々に危険な瞬間が始まる兆候を伝えるのである。こうした習慣は何十年もの間、守られてきた。概して、戦争は常に、元学徒たちの頭の中に、そして記憶の中に留まっている。
沖縄戦に動員された学徒らは、日本の
総理大臣の演説を聞き、動員が行われ大学や学校から招集され、恐ろしい戦いが始まったあの1945年の春の日をはっきりと思い出したはずである。彼らが聞いたのは、78年前に起こったことを思い出させる言葉や表現だったのだろう。今、日本政府が今、突然、1945年の3月とほぼ同じことを言い出したということは、危険が近くにあり、それをすべての人々に警告する必要があると、元学徒らは考えたのかもしれない。
2022年12月、24機の戦闘爆撃機J-15を搭載した中国海軍の空母「遼寧」(艦番号16)などの艦艇が本島と宮古島の間を
通過し、沖縄の南280キロあたりで演習を開始した。空母の護衛で航行したのは、対空ミサイルと巡航ミサイルの発射装置112セルと対潜水艦ヘリコプター2機を搭載した055型駆逐艦拉薩(艦番号102)、それに対空ミサイルと巡航ミサイルの発射装置64セルと対潜水艦ヘリコプターを搭載した最新型を備えた052DL型駆逐艦開封(艦番号124)である。またこれと共に、補助艦と情報収集艦も同行した。
空母打撃群は、沖縄への攻撃を想定した演習を行った。演習はかなり精力的なもので、空母からは艦載戦闘機・艦載ヘリが計130回ほどの発着艦を行った。行われた演習は、おそらく、沖縄占拠のための軍事作戦の計画の一部と考えられる。こうした計画において、沖縄への空からの攻撃は、陸軍の航空部隊が担うことになる。空母には、島をブロックし、そこに敵の艦隊や航空部隊が島に接近するのを阻止する援護部隊の役割が与えられている。
「遼寧」は沖縄への攻撃を行うためのものではなく、おそらく標的は米軍の空母群、とりわけ、原子力空母ロナルド・レーガン(CVN-76)、または原子炉で再充電したときの空母ジョージ・ワシントン(CVN-73)であろう。これは容易な課題ではない。米軍の空母はおよそ4つの戦闘機部隊(およそ70機の戦闘機)で構成される打撃群を搭載している。これは「遼寧」の3倍の規模に当たる。中国側は、「遼寧」と「山東」を合わせても、米軍の空母を上回ることはできない。そこで中国の空母が軍事的な課題を遂行し、標的とならないためには、目新しい計画が必要となるのである。
しかし、米軍の空母は必要なときに、必要な場所にいない可能性がある。そうなれば、中国の艦隊と空軍が沖縄を占拠することになる。
沖縄の元学徒らが声明を表した直後、ワシントンでは日米の外務・防衛の閣僚会議、いわゆる2プラス2という興味深い
会合が開かれた。この会議で協議されたのは、まさに沖縄に関する問題と、中国の攻撃に備えた南西諸島の防衛問題である。そこで決定された防衛戦略とは、簡単に言えば次のようなものである。
まず、沖縄に駐留する米海兵隊を再編し、対艦・対空ミサイルを装備する海兵沿岸連隊(MLR)を創設する。こうした連隊が最初に創設されたのは2022年3月にハワイで(このこと自体、非常に興味深く、症候的である)あり、それが今度は沖縄でも同じようなものが創設され、また次にはグアムにも展開されようとしている。米軍は、敵―おそらくは中国人民解放軍―が沖縄、グアム、ハワイに、落下傘部隊の上陸を伴う大規模な攻撃を計画していると確信しているのだろうか
第二に、米軍は、港のない島への迅速な部隊や物資の展開を目的に、横浜に13隻の船舶と約280人の編成による小型揚陸艇部隊を新たに配備する
第三に、自衛隊司令部は、陸上自衛隊第15旅団を再編することを決定し、8個の師団・旅団と5つの部隊を本島から南西諸島に展開させることを可能にするとした。
まさにこのような報道を受けて、沖縄戦に動員された元学徒らは危険を直感したのである。本質的に、上述した決定事項は、南西諸島をめぐる陸上戦に向けた準備である。しかも、敵の能力は海上でも、上空でも、優勢なのである。もし敵が、日本全土に展開する陸上部隊を攻撃するための上陸作戦をとれば、上空と島周辺の海上は敵の管理下に置かれる。こうなれば、島を占領するために激しい戦闘となり、砲撃による防衛部隊への攻撃は避けられなくなる。
1945年の沖縄戦に参加した元学徒らに嘘はつけない。これは実際にこうなるのである。島を防衛する陸上の部隊は、事実上、決死隊である。沖縄を攻撃から守れるかどうかは航空部隊にかかっている。もしも爆撃機がなくなれば、島は大規模あるいは小規模な破壊と犠牲者を伴い、陥落する。きわめて興味深いのは、米軍が島への海上と上空からの攻撃に対し、陸上の米軍海兵隊による防衛の準備を始めた点である。
それはどの島かというと、ハワイとグアムである。このような計画を考えられるのは、敵が実際にこの島に到達するだろうと確信があるからに他ならない。
沖縄、グアム、ハワイが奪取されれば、太平洋西岸の米軍は完全に機能しなくなる。艦隊、空挺部隊、地上部隊を展開し、支援する基地がなくなるのである。もし中国軍がハワイを占領したとしたら、それは中国艦隊が西経150度から西の太平洋を管理下に置くことを意味する。支援を失った残りの基地も殲滅、占領されるか、あるいは降伏するだろう。これはそれほど悪いシナリオではない。しかし、実行するのはやはり容易ではない。
米軍司令部が下した決定を見れば、米国はこれらの戦略的に重要な島にまで攻撃が及ばないという確信がないようだ。攻撃の可能性があるということは、勝利のチャンスもまたある。
一方、このような展開は地域にある米国の同盟国にとって何ら良いことはもたらさない。つまり、そうなれば、台湾は母国と統合せざるを得なくなる。韓国はおそらく、北朝鮮に殲滅され、南北が統一された朝鮮民主主義人民共和国が誕生する。そしてこのような条件下で、日本は中国の優位性と主導的役割を認めざるを得なくなる。なぜなら日本は支援なくして単独で中国と張り合うことはできないからだ。
そこで、沖縄戦に動員された元学徒らの意見は正当なものだと思え、地域における歴史的な変化はそこまできているような気がするのである。