https://sputniknews.jp/20230126/14712362.html
【視点】米国製ブラッドレー歩兵戦闘車は「奇跡の兵器」にあらずも強敵 欠点と利点
【視点】米国製ブラッドレー歩兵戦闘車は「奇跡の兵器」にあらずも強敵 欠点と利点
Sputnik 日本
米国防総省の高官は、同国製のブラッドレー歩兵戦闘車(IFV)を「数週間以内に」ウクライナへ供与する計画だと発表した。ブラッドレーは、米国の25億ドル(約3200億円)相当のウクライナに対する新たな支援パッケージに含まれている。複数の消息筋によると、約60両の「ブラッドレー」がウクライナに供与される可能性がある。 2023年1月26日, Sputnik 日本
2023-01-26T13:34+0900
2023-01-26T13:34+0900
2023-01-26T18:36+0900
米国
武器・兵器
ウクライナ
ロシア
軍事
オピニオン
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/602/83/6028300_0:121:2954:1783_1920x0_80_0_0_6b72f11b69b7401f5e87785fb36697f1.jpg
ウクライナ軍が保有する装甲車両は大幅に減少した。北大西洋条約機構(NATO)に加盟する東欧諸国が保有するソ連製軍用車両も事実上枯渇している。すでにウクライナへ送られた軍用車両もその大半が「自然な形で消耗している」のは明白だ。軍用車両なくしてロシア軍の防御線を突破しようとするのは自殺行為であり、「鎧」なしに防御するのも極めて困難だ。NATO本部(ここでウクライナ軍の軍事作戦が立てられている)は、これを理解している。この意味において、米国製のM2ブラッドレー歩兵戦闘車は最適な選択肢の1つだ。これは強力な戦闘車両であり、その戦闘能力を過小評価すべきではない。ブラッドレーは、ソ連の歩兵戦闘車BMP-1およびBMP-2の対抗馬として開発された(構造も似ている)。1981年に米軍で運用が開始され、局地戦で活発に使用された。現在は米国、サウジアラビア、ギリシャ、レバノン、クロアチアの各軍で「勤務」している。基本型の装備重量は21.3トンで、25mm機関砲や7.62mm機関砲、BGM-71D(TOW-2)対戦車ミサイルが搭載されている。兵員は6名。乗員数は3名。14.5mm機銃弾や30mm機関砲に「耐える」ことができる。なお、装甲を貫くタイプの25mm機関砲は、ロシアのBMP-1および BMP-2や装甲兵員輸送車にとって実のところ危険だ。有線誘導式のTOW-2ミサイルも十分に危険だが、現代のロシア戦車の動的防御や赤外線抑止はこれにうまく対処することができる。ブラッドレーの客観的な欠点は、NATOの大半の軍用車両と同じように、そのサイズがかなり大きいことだ。そのため戦場におけるシルエットの視認性が高い。ブラッドレーの改良型M2A2ODSがウクライナに供給される可能性も排除できない。M2A2ODSには、標的に関する指示を出すことができる戦術航法システム(TACNAV)が搭載されている。通常のアルミ装甲には鋼製の増加装甲が施されており、装甲を貫くのに特化した30mm機関砲で「額」を撃ち抜くのはもはや難しい。装甲が強化されたため、車両の装備重量は30トンを超えたが、エンジンは変わっていない。能動性や機動性(戦場できわめて重要な要素)は低下した。ブラッドレーの欠点ロシアの軍事専門家アレクセイ・レオンコフ氏はスプートニク通信のインタビューに応じ、次のように指摘した。レオンコフ氏はまた、NATOの装備を考慮に入れる必要があると警告している。ロシア軍には、M2ブラッドレーと非常に類似しており、かつM2ブラッドレーにとって実力の見合った競争相手となる歩兵戦闘車両がある。それはBMP-3だ。100mm砲と30mm機関砲を装備している。100mmライフル砲は、米国製の歩兵戦闘車のあらゆる改造型をも擱座させることができるとされている。しかし、米国の25mm機関砲は、BMP-3の「額」を撃ち抜くことはできない。またロシアの車両は軽量であるため、より機動性が高い。M2ブラッドレーが33〜37トンであるのに対して、BMP-3は18.7〜22トンだ。BMP-3は「特殊軍事作戦」ゾーンで使用されており、その能力の高さを示した。米国は25日、米国は31両の主力戦車「エイブラムス」をウクライナに供与することも発表している。
https://sputniknews.jp/20230125/14709160.html
https://sputniknews.jp/20230125/bmpt-14693420.html
https://sputniknews.jp/20230120/14647209.html
ウクライナ
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
2023
スプートニク 通信
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e6/07/14/12088987_0:0:401:400_100x100_80_0_0_f38c1d48964e1513ad55ca260593842c.jpg
スプートニク 通信
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e6/07/14/12088987_0:0:401:400_100x100_80_0_0_f38c1d48964e1513ad55ca260593842c.jpg
ニュース
jp_JP
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/602/83/6028300_386:0:2903:1888_1920x0_80_0_0_48e2f0f9f5480a434386347402ab4d97.jpgSputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
スプートニク 通信
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e6/07/14/12088987_0:0:401:400_100x100_80_0_0_f38c1d48964e1513ad55ca260593842c.jpg
米国, 武器・兵器, ウクライナ, ロシア, 軍事, オピニオン
米国, 武器・兵器, ウクライナ, ロシア, 軍事, オピニオン
【視点】米国製ブラッドレー歩兵戦闘車は「奇跡の兵器」にあらずも強敵 欠点と利点
2023年1月26日, 13:34 (更新: 2023年1月26日, 18:36) 米国防総省の高官は、同国製のブラッドレー歩兵戦闘車(IFV)を「数週間以内に」ウクライナへ供与する計画だと発表した。ブラッドレーは、米国の25億ドル(約3200億円)相当のウクライナに対する新たな支援パッケージに含まれている。複数の消息筋によると、約60両の「ブラッドレー」がウクライナに供与される可能性がある。
ウクライナ軍が保有する装甲車両は大幅に減少した。北大西洋条約機構(NATO)に加盟する東欧諸国が保有するソ連製軍用車両も事実上枯渇している。すでにウクライナへ送られた軍用車両もその大半が「自然な形で消耗している」のは明白だ。
軍用車両なくしてロシア軍の防御線を突破しようとするのは自殺行為であり、「鎧」なしに防御するのも極めて困難だ。NATO本部(ここでウクライナ軍の軍事作戦が立てられている)は、これを理解している。この意味において、米国製のM2ブラッドレー歩兵戦闘車は最適な選択肢の1つだ。これは強力な戦闘車両であり、その戦闘能力を過小評価すべきではない。
ブラッドレーは、ソ連の歩兵戦闘車BMP-1およびBMP-2の対抗馬として開発された(構造も似ている)。1981年に米軍で運用が開始され、局地戦で活発に使用された。現在は米国、サウジアラビア、ギリシャ、レバノン、クロアチアの各軍で「勤務」している。基本型の装備重量は21.3トンで、25mm機関砲や7.62mm機関砲、BGM-71D(TOW-2)対戦車ミサイルが搭載されている。兵員は6名。乗員数は3名。14.5mm機銃弾や30mm機関砲に「耐える」ことができる。
なお、装甲を貫くタイプの25mm機関砲は、ロシアのBMP-1および BMP-2や装甲兵員輸送車にとって実のところ危険だ。有線誘導式のTOW-2ミサイルも十分に危険だが、現代のロシア戦車の動的防御や赤外線抑止はこれにうまく対処することができる。ブラッドレーの客観的な欠点は、NATOの大半の軍用車両と同じように、そのサイズがかなり大きいことだ。そのため戦場におけるシルエットの視認性が高い。
ブラッドレーの改良型M2A2ODSがウクライナに供給される可能性も排除できない。M2A2ODSには、標的に関する指示を出すことができる戦術航法システム(TACNAV)が搭載されている。通常のアルミ装甲には鋼製の増加装甲が施されており、装甲を貫くのに特化した30mm機関砲で「額」を撃ち抜くのはもはや難しい。装甲が強化されたため、車両の装備重量は30トンを超えたが、エンジンは変わっていない。能動性や機動性(戦場できわめて重要な要素)は低下した。
ロシアの軍事専門家アレクセイ・レオンコフ氏はスプートニク通信のインタビューに応じ、次のように指摘した。
「米国製IFVブラッドレーなどの車両の欠点は、装甲保護が弱いことだ。30mm機関砲に『耐える』ことはできるが、そのような砲は現在、戦場で効果を発揮しない。
ブラッドレーにとって危険なのは、ロシアの戦車の砲弾、近代的および比較的近代的な陸上配備型対戦車システム(編注:おそらく『コルネット』『コンクールスM』『シュトルムM』など)のミサイル、『空対地』対戦車兵器を装備したロシアの攻撃ヘリコプターだ」
レオンコフ氏はまた、NATOの装備を考慮に入れる必要があると警告している。
「NATOの装備は人員と軽装甲車両に重大な脅威をもたらす。M2ブラッドレーは、局地紛争や市街戦の経験を考慮して積極的に開発された。それは突破のためだけでなく、最も困難な戦闘形態である市街戦でも使うことが試みられるだろう」
ロシア軍には、M2ブラッドレーと非常に類似しており、かつM2ブラッドレーにとって実力の見合った競争相手となる歩兵戦闘車両がある。それはBMP-3だ。100mm砲と30mm機関砲を装備している。100mmライフル砲は、米国製の歩兵戦闘車のあらゆる改造型をも擱座させることができるとされている。しかし、米国の25mm機関砲は、BMP-3の「額」を撃ち抜くことはできない。またロシアの車両は軽量であるため、より機動性が高い。M2ブラッドレーが33〜37トンであるのに対して、BMP-3は18.7〜22トンだ。BMP-3は「特殊軍事作戦」ゾーンで使用されており、その能力の高さを示した。
米国は25日、米国は31両の主力戦車
「エイブラムス」をウクライナに供与することも発表している。