ロシアの漁業交渉拒否、日本には痛い反撃に=露専門家

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クナシル島(日本名:国後島)のユジノクリリスク港 - Sputnik 日本, 1920, 01.02.2023
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ロシアが南クリル諸島(日本側が領有権を主張するいわゆる「北方領土」)における漁業協定に関する政府間交渉に応じない姿勢をみせていることは、経済・政治の2つの意味で日本にとって大きな痛手となっている。ロシア科学アカデミー中国・現代アジア研究所、日本センターのワレリー・キスタノフ所長が、スプートニクに対し語った。
日本の松野博一官房長官によると、ロシア側は19日、南クリル諸島周辺海域での操業条件を決めるために毎年行われている政府間交渉の日程について合意できないと日本側に通知した。これに対し、松野官房長官はロシア側の対応は「受け入れられない」と発言していた。
スプートニクに対し、キスタノフ所長は「日本政府はできるだけ早期にロシアとの政府間交渉の日程で合意しようと強く要求している」としたうえで、次のように述べている。

「これはもちろん、ロシアへの非友好的な政策を取り続ける日本にとってはロシアからの痛い反撃になっている。なぜ痛いかというと、極東における露日間の漁業分野での関係は、いつでも特別に扱われてきたからだ。ソ連時代やそれ以前からこれは大きな意味をもっていたからだ」

漁船 - Sputnik 日本, 1920, 27.01.2023
【解説】クリル諸島周辺海域での日本漁船の操業条件に関する協議をロシアが拒否 日本の水産物市場に打撃
また、キスタノフ氏は漁業協定は日本にとって政治的重要性も大きかったと指摘する。

「漁業協定は日本からみれば、南クリル4島の『返還』に差し向けたステップとしての意味合いがある。だから合意文書をよくみれば、漁業分野で露日が協力することは示されているが、ロシアの領海とはどこにも書かれていない。これはあまり知られていない事実ではあるが、合意の本質であるといえよう」

スプートニクはこれまでに、日本の対露制裁の効果は極東のロシア市場を骨を折って開拓した日本のビジネスマンへの罰という形で跳ね返ってくるとする専門家の視点を伝えた。
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