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救えるのは核爆弾だけ 学界が小惑星からの防御手段を模索

© 写真 : ESO. Acknowledgement: JAXAイトカワ(小惑星)
イトカワ(小惑星) - Sputnik 日本, 1920, 01.02.2023
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科学者の証明で外的な影響を受けない小惑星があることがわかった。これらから地球を守ることは従来の方法では不可能だ。ただし、絶望する必要もない。この宇宙の脅威は、本質を理解すれば、防御することはできる。

もはや体当たりしかない?

地球に猛スピードで向かってくる天体に体当たりするという選択肢は実際に試されている。2022年、実験のためのカミカゼ機器が作られ、地球には脅威を及ぼさないものの、実験モデルには最適な小惑星「デイモルフォス」を直接狙って発射された。その結果、 デイモルフォスの軌道の変更に成功している。
だが、この実験で得られたデータから判断すると、この方法は危険性のある天体には功を奏さない恐れがある。
イトカワ(小惑星)がその一例だ。日本の小惑星探査機はやぶさ1によって2010年に得られた映像から、イトカワは時に平らな岩石ではなく、破片が集積されたものであることが示された。
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宇宙の古代クッション

イトカワは全長535メートル。独自の軌道を周回しており、その軌道は火星と地球のそれぞれの軌道と交差している。全体積の40%が空洞で、科学者らは冗談めかしてイトカワに「砕石」という呼び名をつけたが、この砕石が実は、外からの作用に稀に見るほど強い耐性を持つことが明らかにされた。
カーティン大学地球惑星科学スクールのフレッド・ジョーダン教授は、「端的に言うと、イトカワは巨大な宇宙クッションに似て、破壊は極めて難しい」と語る。宇宙物理学者の公算では、外的な力がかかれば、イトカワの一部が内部の空洞にのめり込むだけに終わる。
これほどの大きさの小惑星に宇宙機器を体当たりさせても無意味であり、打撃力はどうしても足りない。もっと悪いことに、体当たりで破片が生じれば、もっと大問題になる。
つまり、イトカワは太陽系(4.57)自体とほぼ同じくらい古い。これは驚くべきことだ。なぜなら、イトカワと同じ大きさの一枚岩の構造物なら寿命は桁違いに短く、数億年を超えることはないからだ。
ここからわかることは、宇宙にはイトカワのような天体は少なくないということであり、このことから地球の近くにそれが出現する可能性も比較的高いことになる。

じゃあ、核爆弾を使う?

フィクション作家や映画監督たちの提案は、こうした「頑固な」天体はブルース・ウィリス出演の映画『アルマゲドン』のごとく単純に爆破せよ、というものだ。映画では主人公は必死で小惑星に穴を開け、爆薬を注入していたが、今、同じシナリオを選ぶとすれば、主人公は知的な自動制御装置に取って代わられるはずだ。
© 写真 : Jerry Bruckheimer Films (1998)ブルース・ウィリス出演の映画『アルマゲドン』
ブルース・ウィリス出演の映画『アルマゲドン』 - Sputnik 日本, 1920, 01.02.2023
ブルース・ウィリス出演の映画『アルマゲドン』
あるコンセプトとして2つの異なるセクションからなる宇宙船の造船が提案されている。1つのセクションは先に切り離されて小惑星にクレーターを作り、2つめのセクションは電荷を積載した状態で現場で爆発する。
米国人科学者らの試算では、直径100メートルの天体を1メガトン級の核爆弾で破壊した場合、破壊が地球との衝突の2カ月前であっても、ほとんどの破片は地球から外れるか、大気圏で燃え尽きる。ただしそれは、電荷が正しく積載され、エネルギーが正確に計算された場合のみである。そうでなければ、破片のサイズが大きすぎてしまい、地球に深刻なダメージを与えることになるからだ。この方法は一枚岩の天体を爆破する想定で試算されている。
もうひとつの代替案は危険な天体の前で核爆弾を爆発させるという方法だ。この場合、爆発で強力な波が生じ、これが小惑星を破壊せずに、地球から遠くへ「押しやる」。
確かにこれは、体当たりの宇宙船と違って、まだ机上の理論にとどまっており、いかなる方法でも検証は不可能だ。なぜならこうした実験は現在、国際法で禁止されているからだ。
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