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米国 人間の脳をベースにしたバイオコンピュータを開発中

CC0 / Pixabay / 人工知能
人工知能 - Sputnik 日本, 1920, 02.03.2023
バイオコンピュータとは、タンパク質やDNAなどの生体物質を演算素子として用いるコンピュータのこと。米国の研究者らは今回、人間の脳細胞を使って、通常のシリコンベースのものよりも強力なだけでなく、今までにない高い学習能力を示すバイオコンピュータの構築に取り組んでいる。この研究をまとめた論文が、学術誌「フロンティアーズ・イン・サイエンス」に掲載されている。
研究者らは、従来型のシリコンベースのコンピュータが数字の処理に優れていることを否定していないものの、人間の脳は学習能力の点でシリコンタイプのコンピュータより優れている上、脳に費やすエネルギーはコンピュータと比べてはるかに少ないという。研究者らは、2017年に当時の世界最強囲碁棋士を破った囲碁の人工知能(AI)「AlphaGo」に対するトレーニングに、アクティブな大人を10年間動かすのに必要なエネルギーよりも多くのエネルギーが消費されたと指摘している。
脳が事実上無限の学習能力を持つのは、2500テラバイトと推定されている独自のメモリ容量によるものである。しかし、シリコンタイプのコンピュータの場合、小さなチップに詰め込めるトランジスタの数は限られているため、今日、メモリ容量の物理的限界に近づいている。一方で、人間の脳には約1000億個の神経細胞があり、それぞれの神経細胞が他の脳細胞と1000回以上接触している。つまり、脳は現在のコンピュータでは太刀打ちできないほどの大きな可能性を秘めている。
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米国の研究者らは、これまで実験室で、平均5万個の細胞を含む小さな脳オルガノイド(オルガノイドとは、試験管なのでつくられた臓器のこと)を作成することに成功している。研究者らがOI(オルガノイド知能)と読んでいる未来のバイオコンピュータには、最大1000万個の脳細胞を搭載する必要がある。したがって、このアイデアの実現には時間がかかると研究者らは指摘している。また、研究者らは将来的にOIを使って新たな次元で神経疾患の研究を行う予定。バイオコンピュータは、特定の物質が記憶や学習のプロセスにどのような影響を与えるかを理解することを可能にさせるものになるという。
しかし、OIを作る側には解決しなければならない重要な問題が1つある。それは、人間の脳細胞をベースにしたコンピューターを作ることが、どれだけ倫理的に正しいかを見極めなければならないという点だ。OIは学習し、情報を記憶し、環境と相互作用することができるが、OIは原始的なものであっても意識を持つことができるのだろうか?痛みを感じることができるのだろうか?開発者らは、研究者と一般市民からなる常設の倫理委員会を設置する予定だ。この委員会は、技術の発展を監視する他、バイオコンピュータが賢くなりすぎた場合には、開発者らが持つ野望を制限することを計画している。
スプートニクは以前、米国の実業家イーロン・マスク氏が、手を動かさずにパソコンや携帯電話を使えるようにするマイクロチップ「ニューラリンク」を人間の脳に移植することを計画していると報じた。
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