【視点】G7、中国との建設的な戦略対話への道開けず 西側核政策のダブルスタンダード

© AFP 2023 / POOL/Franck RobichonG7外相会談
G7外相会談 - Sputnik 日本, 1920, 19.04.2023
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この頃日本で行われたG7(主要7カ国)外相会談で採択された共同声明では、台湾問題での自制や核戦力の透明性を求める文言が加えられた。一方、専門家はこうした「ダブルスタンダード(二重規範)」に基づく西側の要求は、中国にとって受け入れられないと指摘している。
G7 諸国は、地球規模の問題や「共通の課題」について中国と協力する必要性を認識している。 気候変動から生物保護、世界・地域の安全保障、保健衛生、男女平等まで様々だ。 このことは、日本の軽井沢で16~18日に行われG7外相会談の共同声明でも言及されている。 さらに声明では中国に対し、国際社会の舞台のなかで責任を持って行動するよう求めている。
台湾海峡の「平和と安定」についても強調されている。だが、声明では緊張の高まりの責任をほぼすべて中国側に押し付けており、台湾への脅迫や実力行使を控えるよう求めている。G7外相らは中国との相互連携がなければグローバルな課題を解決することができないことは認めているものの、実質的に声明では新たなものは含まれていなかった。
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中国に対する先入観、偏見は、特に米中間の戦略的リスクの問題において明白となっている。声明では双方ではなく、中国だけに対して直ちにこの問題に関する対話を呼びかけ、一方的に核政策に関する透明性を高めるよう求めている。米国の核兵器の透明性へは言及されていないのだ。
中国現代アジア研究所の上級学術研究員のパーベル・カメノフ氏は次のように述べている。

「中国は相手と完全に平等な立場であることを条件に対話をする準備がある。これは完全に公正な要求だ。中国は相手が尋ねてくる核兵力や透明性に関する質問を、自らも相手に求める権利を持てる条件でのみ、対話に応じられる。だが米国は今、この中国の条件に応えられる準備はない」

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また、中国の南西交通大学の研究員、ツァン・ヤシュイ氏は、中国は西側のダブルスタンダードを認めないと指摘する。

「西側が中国に核の透明性を求めるのは今に始まったことではないが、この要求はG7のダブルスタンダードを如実に反映している。米、英、豪のオーカスの協定で豪州に引き渡される潜水艦では、兵器レベルの高濃縮ウランが事実上使用されることになる。大量の放射性物質とともに、豪州は技術も得ることになる。これらは全て核不拡散条約に反する。

 国家安全保障の観点から見ても、軍事協力や兵器開発は高レベルの機密性が求められる。完全な透明性を達成するのは不可能だ。西側は中国に完全な透明性を求めておきながら、自らは核兵器の秘密を保っている。こうしたダブルスタンダードは中国には受け入れられない」

米国が諭すように中国との対話を試み、ダブルスタンダードを維持する姿勢は、ブリンケン米国務長官の声明からも明らかになっている。声明では米国が中国との対話のチャンネルを重要視し、関係発展を期待するとしておきながら、中国側の「意志の表明」を求めて、その条件でのみ「相互協力の道が見つかる」としている。二国間関係の発展にここでも前提条件がつけられている。しかも米側は、自らが台湾問題で「レッドライン」を越えたことが、中国との関係改善を阻害していることには触れていないのだ。
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