G7広島サミット - Sputnik 日本, 1920, 16.05.2023
G7広島サミット
2023年、G7の議長国は日本に引き継がれた。G7サミットは19日から21日にかけて、1945年8月6日に米国が原爆を投下した広島県で開催される。主要7か国に加え、オーストラリア、ブラジル、ベトナム、インド、韓国、インドネシア、クック諸島、コモロ諸島が招待された。

【視点】G7広島サミットへ準備の閣僚会合 問題は共通 でも解決策はバラバラ

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5月に広島で開かれるG7(主要7カ国)サミットを前に15の閣僚会合が予定されているが、4月15日〜16日にかけて札幌では、その最初の一つとなる気候・エネルギー・環境大臣による会合が開かれた。この会合は、気候変動に向けた国々の協力を調整することを目的としたものである。
今回の会合で参加者らは、再生可能エネルギーへの移行に向けた世界的な傾向を維持し、パリ協定の条件を遂行する意向を確認した。パリ協定は2015年12月12日に、気候変動およびその否定的影響の抑制を目的に196カ国の間で締結された国際的な枠組みである。G7のメンバーは世界経済の40%、世界の二酸化炭素排出量の4分の1を占めている。
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また今回の会合では、水素を活用した発電、エネルギー安全保障、また主に中国に依存しているリチウムやコバルトなど重要な部門に必要不可欠な鉱物の安定供給を保証することなどについても話し合われた。
会合終了後に採択されたコミュニケ(共同声明)では、気温上昇を1.5℃に抑え、また気候変動の脅威にさらされている人々を保護するため、気候変動対策に向けた参加国の財政支出を2025年まで年間1000億ドル規模に引き上げるとしている。
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またコミュニケでは、2023年にこの目標を完全に達成するため、他の先進国と協力していく姿勢が示されている。
さらに、G7の閣僚らは、緑の気候基金の重要性、また貧困国や開発途上国に対する気候変動対策のための資金援助の条件を創設することの必要性を改めて確認した。
2023年、G7の議長国を務めるのは日本であるが、日本は今のところ、再生可能エネルギーへの移行において欧州諸国に遅れをとっている。というのも、原子力発電所の再稼働に向けた動きには進展が見られず、依然、発電所では石炭を使用しており、また少なくとも今後10〜15年は輸入の天然ガスに頼る計画となっているからである。
日本の西村明宏環境大臣は、会合は成功裡に終了したと発言しているものの、日本とその他の参加国との間で、いくつかの意見の相違を避けることはできなかった。
そこで、日本政府が提案したコミュニケの草案には、液化天然ガスおよび需要が高まっている天然ガスの採掘・生産に向けた投資の増額が盛り込まれていた。
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しかし、コミュニケの最終案は明らかにこれとは異なる内容のものとなった。
「ガス部門への投資は、特定の国の情勢を考慮した危機による市場のガス不足問題を解決するため、また我々の掲げる気候変動に関する目的に合致して行われる場合―たとえば、低炭素燃料やグリーン水素に関する国の発展戦略と統合されることを保証するなど―には合目的的である可能性がある」。
またコミュニケで大きな問題となったのは、石炭使用の停止に関するものである。コミュニケでは、日本の意見が反映され、石炭火力発電所の停止時期に関しては言及されなかった。日本ではまだ石炭火力発電の消費量がかなり多いためである。
日本は温室効果ガスの排出量で世界で5番目となっている。2021年の日本における石炭火力の割合は31%であるが、これを2030年には19%ほどにしなければならない。一方、現在およそ20%である再生可能エネルギーの割合を2030年までに36〜38%にすることが計画されている。
しかし、会合では、2035年に自動車分野の二酸化炭素排出量を50%削減することで合意がなされた。さらに2035年までに、乗用車の新車販売の100%を、電気自動車やハイブリッド車にするという目標も組み込まれた。
日本のエネルギー問題に詳しい中国・近代アジア諸国研究所のコンスタンチン・コルネーエフ主任研究員は「スプートニク」からの取材に対し、サミットを前にしたこのような閣僚会合は、プロトコル的な要素を持つもので、その唯一の課題は、発展に向けた全体の方向性を定めること、いわば、その分野における「指針」を決め、国々の行動を調整することだと指摘している。
「コミュニケに記された1000億ドルという数字も、どの基金から、どこに拠出され、何のプロジェクトに使われるのか不明です。またその目的をどのような方策で実現し、またその目的の実現において起こりうる障害をどこで確認するのかなどもはっきりしません。実際的な今後の行動については、各国のエネルギー発展戦略で示されることになり、そこに課題、プロジェクト、実施の期限、担当省など、具体的な内容が盛り込まれることになるわけです。このような戦略は、日本、ドイツ、米国、インドで作成されるものですが、それらは似たような内容とはとても言えないものです。たとえば、ドイツが原子力発電所を廃止しようとしている一方で、日本は逆に、自国のエネルギー保障の大部分をそれに頼ろうとしています」。
またコルネーエフ氏は、これらの会合には世界のわずか7カ国しか参加していないが、気候変動、大気や海洋の汚染、エネルギー安全保障、脱炭素化といった問題は世界全体に関係したものだと強調する。
「またG7の加盟国すべてが参加する国連の気候変動サミットというものがあります。2023年の末にもサミットが開かれます。こちらはより高いレベルの会合ですが、そこでは計画に関する覚書がまとめられるだけです。国連は実際的な全権を持っていません。つまり、世界の主要な専門家の意見を総合し、各国政府にその結論を考慮し、助言に従うよう提案するだけです。エネルギー分野における実際の政策はそれぞれの国、そして他国との協力に委ねられています。実際の例として、ノルウェーからドイツへの水素パイプライン建設で合意が得られたことを挙げることができます。これは、再生可能エネルギーで発電した電力を使って、水を電気分解したグリーン水素で提携するというものです」。
さて、札幌を舞台としたG7のエネルギー・環境大臣らによる会合は閉幕し、今度は軽井沢でG7の外相が集まり、世界および地域の安全保障などまた別の共通の問題について話し合うことになっている。いずれも、5月に開かれるG7広島サミットを前に開かれている。
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