そこでは米国が羨望を抱く客人でしかない自分たちの亜大陸に「花咲く庭」をつくるという欧州諸国の夢が崩れ去った理由を専門家らが説明

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米国とEUの旗 - Sputnik 日本, 1920, 02.07.2023
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欧州外交評議会は「属国化の技:ウクライナにおけるロシアの戦争は大西洋を越えた関係をどのように変えたか」という題名の報告書を発表した。これについて中国とロシアの政治学者がコメントした。専門家らは、冷戦時代に超大国の競争の場だった欧州が、現在いかにして米国の従順な属国となったかを説明した。

紛争に「手を縛られ」、米国に反論できない欧州

「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」の政治コラムニスト、アレックス・ロー氏は、中国は過去数十年間のロシアと同様、欧州において、グローバルな競争相手を抑圧する米国の路線に代わるものを見たいと欲しているという見解だ。その一例が、最近行われた中国の李強首相の欧州歴訪だが、ロー氏はあまり期待できないとの考えを示している。「米政府は現在、欧州連合(EU)と英国が米国の対中戦略に従うことを期待しており、米国はまさにそうなるために自国の指導的立場を利用するだろう」
ロー氏によると、米政府の呼びかけに盲目的に従い、中国との紛争に引き込まれることは、欧州諸国にとって将来的にその経済的独立を失うことを意味する。 2008年、EUの経済規模は世界最大だった。EUの同年のGDPは16兆2000億ドル(約2300兆円)だったのに対し、米国は14兆7000億ドル(約2120兆円)だった。一方、現在は、米国の25兆ドル(約3600兆円)に対して、EUは19兆8000億ドル(約2850兆円)。しかし、これは欧州経済崩壊の始まりにすぎないとロー氏は強調している。また同氏によると、2010年の世界の取引に占めるユーロの割合は最大39%だったが、現在はわずか 31%となっている。
ロー氏は、欧州の指導者たちは何が起こっているかをよく理解しているが、ウクライナ紛争への参加で「手を縛られている」ため、米国に一切反論できず、その結果、欧州経済はすでに景気後退に陥り、今後さらに悪化するとの考えを示している。
ベラルーシとポーランドを経由する「ヤマル・ヨーロッパ・パイプライン」 - Sputnik 日本, 1920, 30.05.2023
2022年の冬 EUのエネルギー危機は新型コロナよりも多くの人を死に追いやった

弱体化し、独立性を完全喪失の欧州

「スプートニク通信」の政治コラムニスト、ドミトリー・コスィレフ氏は欧州諸国について、冷戦の主要な参加者であり、ソ連やその同盟国と積極的に競争し、独立した政策を実行できる強力な世界勢力になろうとし、さらには多くの点で米国を凌駕していたが、現在は状況が大きく変わったとの見方を示している。同氏によると、欧州は逃げ道がない状況に陥った。欧州経済は弱体化しており、独立性を完全に失ったため、自分たちを一切守ることができない。コスィレフ氏は、欧州諸国が自己防衛本能を発動することがあるとしたら、それが起こるまで一体どのくらい時間がかかるのだろうかと問いかけている。同氏は、自分たちの領土に「花咲く庭」をつくらなかった欧州の例は、それぞれが自分の運命を自由に選択できる「非西側」世界と同一行動をとるというロシアの決意を強めるだけだとの考えを示している 。
スプートニク通信は先に、日本をウクライナ紛争に引き込み、日本を軍事化させるために米国がどのような手段を使っているかについて報じた。
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