【視点】自動車の対露輸出規制 消費者のみならず日本企業も苦しむ

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ウラジオストクで日本車の積み下ろしを行う作業員 - Sputnik 日本, 1920, 08.08.2023
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自動車の対ロシア輸出に関する日本の制裁はロシアの消費者だけでなく、日本の企業界にも悪影響を及ぼす。日本は8月9日から、排気量1900ccを超えるガソリン車、ディーゼル車、それにすべての電気自動車(EV)、ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車の対ロシア輸出を禁止する。
この禁輸は新車だけではなく、近年、日本からの輸出額で、ロシアが世界で首位に立っている中古車も対象となっている。さらに禁輸品目には、大型車の部品やタイヤなども含まれている。日本財務省のデータによれば、2022年の日本からロシアへの輸出額はおよそ6000億円で、前年比約3割減となっている。さらに全体のうち、中古車は20万台、およそ2500億円で、日本からの輸出額全体(9600億円)の4分の1を占めている。
今回の規制はロシアの自動車市場にどのような影響をもたらすのだろうか、そして日本の経済に損害を与えるものとなるのだろうか。「スプートニク」は、自動車業界の専門家、イーゴリ・モルジャレット氏にお話を聞いた。

「一定期間、この打撃を受けて、ロシアの自動車市場は停滞するでしょう。そしてその影響は、日本の自動車に対する需要が伝統的に高いロシア極東地域だけにとどまらず、日本の消費市場に目を向けている平均的な収入のロシア人にも及ぶと思われます。なぜならすべての制裁はエンドユーザーにとっての自動車価格の上昇につながるからです。

 もう一つの問題は、排気量の少ないモデルは今回の制裁対象となっていないものの、日本の一連のメーカーが輸送や支払いの問題、また需要が少ないことなどを理由に、ロシアへの自動車の輸出を自粛しているということです。新しい規制によって、ロシアに輸入される日本の新車および中古車の数は半減する可能性があります。そして、その自動車の一部は第3国を通過してロシアに運ばれることになるため、価格も上昇するでしょう。また、ロシアでは8月から、輸入した車両に対して通関時にかけるリサイクル税を引き上げられることになっており、これも価格の上昇につながるものと思われます。

 これにより、消費者たちはより長い期間、同じ自動車に乗り続けることになり、一方、自動車のディーラーは別の供給先を探すことになるでしょう。ロシアのディーラーはすでに韓国や中国の中古車市場に注目しています」

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一方、イーゴリ・モルジャレット氏は、この禁輸措置には、ロシアの消費者だけでなく、中古車貿易で利益を上げている日本の販売業者も苦しむことになると指摘する。

「ほぼすべての制裁は両刃の剣です。2023年の前半だけでも、日本の対ロシア自動車輸出は前年の同じ時期に比べて32.8%増加しているのです。異なるカテゴリーの自動車をすべて合わせると、日本からロシアへの輸出全体の60%を超えています。これはかなりの量です。今回の禁輸によって、日本のビジネスがどれほどの損害を被るか計算することはできませんが、この業界に関わる日本人は今回の措置には反対していると思います。ただ彼らは損害が出ることがわかっていても、政府の要求に従うでしょう」

日本政府は米国とEU諸国に足並みを揃えている。米国は5月にすべての乗用車の対ロシア輸出を禁止した。そして6月にはEUも排気量1900cc以上の乗用車の輸出禁止を発表しており、この制裁は今年9月25日に発効することになっている。
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