https://sputniknews.jp/20230830/16941843.html
【ルポ】日本の子どもたち、ロシアの名門ワガノワバレエアカデミーへ夏期留学 参加者に聞く本場の教育の価値
【ルポ】日本の子どもたち、ロシアの名門ワガノワバレエアカデミーへ夏期留学 参加者に聞く本場の教育の価値
Sputnik 日本
... 2023年8月30日, Sputnik 日本
2023-08-30T09:45+0900
2023-08-30T09:45+0900
2023-08-30T17:14+0900
オピニオン
文化
ロシア
芸術
社会
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e7/08/1e/16941148_0:116:1500:960_1920x0_80_0_0_efa43824dfbcbe144220d99c5e25cf8e.jpg
サマースクールの時間割は多彩で、毎日とても忙しい。レッスンで先生の注意を理解するためのロシア語のレッスンから始まり、クラシックバレエ、コンテンポラリー、キャラクターダンス、ヒストリカルダンス、演技法といった授業が休みなく行われた。講義も含めたロシア式の総合的な舞踊教育が受けられるのが、サマースクールの醍醐味だ。マリインスキー劇場の最高位ダンサーであるウラジーミル・シクリャローフをはじめ、現役ダンサーから直接指導を受ける機会もあった。今年のサンクトペテルブルクは、例年にないほど異常な暑さで、体調管理も大変だったが、最終日にはアカデミーの舞台でこれまでの練習の成果を披露することができた。様々な演目を踊りこなし、満席の会場から温かく盛大な拍手が送られた。今年5月、ワガノワメソッドで審査するバレエ・コンペティションで入賞した高校3年生の岩井湖々愛さんは、スカラシップを得てこのサマースクールに参加した。普段からワガノワメソッドに特化したバレエ教室でレッスンに励む岩井さんは、日本で、本場の指導ができるバレエ教師を目指している。目的意識をもって臨む岩井さんにとって、サマースクールの内容は期待以上だったようだ。サマースクールの企画運営、引率にあたった日本ワガノワバレエ協会・代表理事のアンドレイ・オルロフ氏によると、参加者は様々なバレエスクールから集まってきており、経験や実力はまちまちだったが、3週間という短い間にそれぞれが目覚ましいレベルアップを果たすことができた。オルロフ氏は、現在のようなウクライナ情勢の中でサマースクールを開催することは、「試練というべきものだったかもしれない」と打ち明ける。しかしその一方で、必ず成功するとわかっていたし、成功しないという選択肢があり得ないこともわかっていた。それほどまでにこのプログラムに情熱を注ぎ、子どもたちもそれに応えてくれた。一行は、ハードスケジュールを乗り越え、無事に帰国の途についた。このうちロシアのバレエ学校に入学許可を得た数名は、この秋から長期留学に向かう。また、オルロフ氏は8月30日に行われるマリインスキー劇場のファーストソリスト、マリア・ホーレワの公開舞台レッスン 「Dance of Elements」や、12月に行われるバレエ・コンペティション「オマージュ・ア・プティパ」など、ロシアバレエに関連した様々なプロジェクトを行っている。関連記事
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
2023
徳山 あすか
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/703/00/7030049_1221:210:2734:1722_100x100_80_0_0_5796415ffb2e68b4f94b15ab20b3f111.jpg
徳山 あすか
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/703/00/7030049_1221:210:2734:1722_100x100_80_0_0_5796415ffb2e68b4f94b15ab20b3f111.jpg
ニュース
jp_JP
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e7/08/1e/16941148_86:0:1414:996_1920x0_80_0_0_d3776f0c5648cf5b13802b1f56b29e5c.jpgSputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
徳山 あすか
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/703/00/7030049_1221:210:2734:1722_100x100_80_0_0_5796415ffb2e68b4f94b15ab20b3f111.jpg
オピニオン, 文化, ロシア, 芸術, 社会
【ルポ】日本の子どもたち、ロシアの名門ワガノワバレエアカデミーへ夏期留学 参加者に聞く本場の教育の価値
2023年8月30日, 09:45 (更新: 2023年8月30日, 17:14) ロシアの芸術の都サンクトペテルブルクにあるワガノワバレエアカデミー。この名門バレエ学校の卒業生は、マリインスキー劇場をはじめ、ロシアや世界の有名劇場で活躍している。このアカデミーで8月に行われた3週間のサマースクールに、日本での選考を通過した13人が参加した。サマースクールはロシアのバレエ学校のオーディションも兼ねており、プロダンサーやバレエ教師を目指す参加者にとって貴重な機会となった。
サマースクールの時間割は多彩で、毎日とても忙しい。レッスンで先生の注意を理解するためのロシア語のレッスンから始まり、クラシックバレエ、コンテンポラリー、キャラクターダンス、ヒストリカルダンス、演技法といった授業が休みなく行われた。講義も含めたロシア式の総合的な舞踊教育が受けられるのが、サマースクールの醍醐味だ。マリインスキー劇場の最高位ダンサーであるウラジーミル・シクリャローフをはじめ、現役ダンサーから直接指導を受ける機会もあった。
今年のサンクトペテルブルクは、例年にないほど異常な暑さで、体調管理も大変だったが、最終日にはアカデミーの舞台でこれまでの練習の成果を披露することができた。様々な演目を踊りこなし、満席の会場から温かく盛大な拍手が送られた。
今年5月、ワガノワメソッドで審査するバレエ・コンペティションで入賞した高校3年生の岩井湖々愛さんは、スカラシップを得てこのサマースクールに参加した。普段からワガノワメソッドに特化したバレエ教室でレッスンに励む岩井さんは、日本で、本場の指導ができるバレエ教師を目指している。目的意識をもって臨む岩井さんにとって、サマースクールの内容は期待以上だったようだ。
「普段はクラシックバレエの練習がメインですが、すべてのダンスの知識を身に着け、自分でも踊れる教師を目指しています。今回のサマースクールでは全てのダンスを習うことができますし、世界一尊敬し、憧れているワガノワバレエアカデミーの先生方から直接教われるので、これは参加しなくては、と思いました。特に、ヒストリカルダンスは一度もやったことがなかったので、一番楽しみにしていました。完全に新しいものを吸収できるという意味で、わくわくしましたし、楽しいです。
先生方には、例えば腕の使い方の意味や、この動作にはどういう感情が込められているのか、それを舞台ではどういう風に使うのかといった、今この瞬間だけではなくて、今後のバレエ人生において必要な情報も含めて教えてもらえました。また、レッスンだけでなく講義の時間もあり、見様見真似でなく、歴史や時代背景を知った上で、練習に臨めました。そのことはすごく良かったと思います。日本に戻っても、先生方のアドバイスを思い返しながらレッスンしたいと思います」
岩井湖々愛さん
ワガノワバレエアカデミー・サマースクール参加者
サマースクールの企画運営、引率にあたった日本ワガノワバレエ協会・代表理事のアンドレイ・オルロフ氏によると、参加者は様々なバレエスクールから集まってきており、経験や実力はまちまちだったが、3週間という短い間にそれぞれが目覚ましいレベルアップを果たすことができた。
「参加者の中には練習を頑張りすぎてしまった子もいたので、少しでも休息が取れるよう、朝の稽古を別の日に振り返るなど、スケジュール変更を余儀なくされたこともありました。しかしアカデミーの先生方による適切な指導、注意やアドバイスで、このような短期間に、それぞれの子がレベルアップすることができ、舞台の直前には上達がはっきりとわかるようになりました。発表会では満員のお客様の前で、自分たちのもてる最大限の力で、今のレベルでできる最高の踊りを披露できたと思います。お客さんにもそれが伝わりました。みんなが非常に頑張り、実力を見せることができたので、観客の皆さんは拍手と大変温かい感想をくださいました」
アンドレイ・オルロフ氏
日本ワガノワバレエ協会代表理事、バレエ教師
オルロフ氏は、現在のようなウクライナ情勢の中でサマースクールを開催することは、「試練というべきものだったかもしれない」と打ち明ける。しかしその一方で、必ず成功するとわかっていたし、成功しないという選択肢があり得ないこともわかっていた。それほどまでにこのプログラムに情熱を注ぎ、子どもたちもそれに応えてくれた。
「子どもたちには、このサマースクールでしか得ることのできない貴重な経験をしてもらいたかったのです。このサマースクールほど充実したプログラムは世界のどこにもない、と言えるほどのプログラムを組みたいと思っていました。マリインスキー劇場や美術館訪問などを通してロシアの文化芸術に触れてもらうことも大事です。ロシアの心、精神といったものに多面的に触れることは、ロシアバレエを完全な形で理解する助けになります。また、日本のニュースで見るロシアではなく、直接ロシアに来ることで、ロシアの生活、そしてロシアバレエやバレエ教育は存在し続けていると、体感し、理解してもらえたと思います」
アンドレイ・オルロフ氏
日本ワガノワバレエ協会代表理事、バレエ教師
一行は、ハードスケジュールを乗り越え、無事に帰国の途についた。このうちロシアのバレエ学校に入学許可を得た数名は、この秋から長期留学に向かう。また、オルロフ氏は8月30日に行われるマリインスキー劇場のファーストソリスト、マリア・ホーレワの公開舞台レッスン 「Dance of Elements」や、12月に行われるバレエ・コンペティション「オマージュ・ア・プティパ」など、ロシアバレエに関連した
様々なプロジェクトを行っている。