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【視点】金の値上がりは新たな経済危機の予兆?
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日本では6日、金の国内小売価格が最高値を更新した。日本の地金商最大手の田中貴金属工業による販売価格は、前日に比べて5円高い1グラム1万105円だった。なお、金は「有事の金」と呼ばれる。そこで疑問が生じる。このような上昇は、金価格の世界的な上昇の予兆なのだろうか? 2023年9月7日, Sputnik 日本
2023-09-07T18:33+0900
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また、もしそうならば、世界経済の不確実性の中で貴金属の価格はどうやって決まるのだろうか?そして、このような状況において、米国の金融政策の引き締めは金価格にどのような影響を与えているのだろうか。また、金相場が元に戻った場合、日本の金保有量はどのくらいになるのか。日本は世界で最も多くの金を保有する国の仲間入りをするのだろうか。スプートニクは、ロシアの経済金融研究所所長代理で国立経営大学世界経済・国際経済関係学科の教授を務める経済学博士のガリーナ・ソロキナ氏に話を聞いた。同氏は、日本や中国の例を挙げながらこれらの差し迫った質問に答えた。ソロキナ氏は、まず第一に、金は保険投資資産であり、投資家は金をその保全を目的とした長期的な投資先として考えていると指摘した。なぜ金投資が重要なのかソロキナ氏は、したがって、おそらく金を収益性の高い投資と考えことはできないが、いずれにしても金は重要だとの見方を示している。一方、ソロキナ氏は、貴金属の価格は非線形性(購入する商品の量に応じて価格が変わる)の性質を有しているほか、貴金属の価格は投資家自身の将来像の認識に関係するその他の多くの要因にも左右されると指摘している。何が価格に影響しているのかソロキナ氏によると、金需要の増加、ひいては金価格の上昇に影響を与える1つ目の基準は、通貨の値動きの変動率だという。ソロキナ氏は、ここではちょうど日本の例が典型的だとし、日本では低い主要金利が需要の増加を生み出し、それに応じて金価格の上昇が起こっていると強調した。ソロキナ氏によると、世界の政治状況が不安定なときにも同様の傾向が見られる。例えば、特別軍事作戦が始まった後、世界経済は深刻な危機に陥った。なぜ日本で金価格が最高値を更新したのかソロキナ氏は、現在の世界最大の金消費国は中国、インド、米国、日本、トルコだと強調している。ソロキナ氏は、したがって、おそらく日本の国内市場では金価格がさらに上昇すると予想できるとの見方を示している。
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【視点】金の値上がりは新たな経済危機の予兆?
2023年9月7日, 18:33 (更新: 2023年9月7日, 18:47) 日本では6日、金の国内小売価格が最高値を更新した。日本の地金商最大手の田中貴金属工業による販売価格は、前日に比べて5円高い1グラム1万105円だった。なお、金は「有事の金」と呼ばれる。そこで疑問が生じる。このような上昇は、金価格の世界的な上昇の予兆なのだろうか?
また、もしそうならば、世界経済の不確実性の中で貴金属の価格はどうやって決まるのだろうか?
そして、このような状況において、
米国の金融政策の引き締めは
金価格にどのような影響を与えているのだろうか。また、金相場が元に戻った場合、日本の金保有量はどのくらいになるのか。日本は世界で最も多くの金を保有する国の仲間入りをするのだろうか。
スプートニクは、ロシアの経済金融研究所所長代理で国立経営大学世界経済・国際経済関係学科の教授を務める経済学博士のガリーナ・ソロキナ氏に話を聞いた。同氏は、日本や中国の例を挙げながらこれらの差し迫った質問に答えた。ソロキナ氏は、まず第一に、金は保険投資資産であり、投資家は金をその保全を目的とした長期的な投資先として考えていると指摘した。
ソロキナ氏は、したがって、おそらく金を収益性の高い投資と考えことはできないが、いずれにしても金は重要だとの見方を示している。
「なぜなら他の選択肢とは異なり、金は決して価値を失うことがなく、何の価値もない紙になることもないからだ。不安定な時期または他の投資方法が高い収益を持たないときに金への需要が増えるのはまさにこのためだ」
一方、ソロキナ氏は、貴金属の価格は非線形性(購入する商品の量に応じて価格が変わる)の性質を有しているほか、貴金属の価格は投資家自身の将来像の認識に関係するその他の多くの要因にも左右されると指摘している。
ソロキナ氏によると、金需要の増加、ひいては金価格の上昇に影響を与える1つ目の基準は、通貨の値動きの変動率だという。
「なお、主要通貨が下方方向に不安定な動きを示した場合、投資家は安定資産である金に投資を始める。例えば、2008年から2009年の世界金融危機の最中には、他の世界通貨に対してドルが下落した際、金価値が着実に上昇する傾向がみられた。
金価格に大きな影響を与える2つ目の基準は、インフレ期待だ。インフレ期待が高水準となり、経済が安定性を欠いているとき、金は価格が安定した魅力的な資産のように見える。例えば、トルコの急激なインフレは、この国の金価格の上昇と一致している。
金需要、ひいては金価格に影響を与えている3つ目の基準は、投資収益率だ。最も重要なパラメーターは、その国の銀行の主要金利。これが高ければ高いほど、有価証券への投資の収益性が高くなる。なぜなら、金は投資の代替手段だからだ。したがって、その代替手段の収益性が高ければ高いほど金の需要は低くなる。その反対に、国内の主要金利が低ければ、投資は貴金属の購入に向けられる」
ソロキナ氏は、ここではちょうど日本の例が典型的だとし、日本では低い主要金利が需要の増加を生み出し、それに応じて金価格の上昇が起こっていると強調した。
「4つ目の基準として考えることができるのは、国内の経済状況だ。経済成長期には、経済の実物部門や証券への投資の方が貴金属よりもはるかに収益性が高く、金の価値が下落することは周知の事実だ。例えば、中国経済は世界金融危機の時期にも安定性を示した。そのため、危機後における中国経済のさらなる成長は、中国での金価値の下落と一致した。逆に、景気後退期間は金の価格が上昇する」
ソロキナ氏によると、世界の政治状況が不安定なときにも同様の傾向が見られる。例えば、特別軍事作戦が始まった後、
世界経済は深刻な危機に陥った。
「なぜなら、このような時期には貿易や政治的関係が変化するからだ。そして、その結果、あらゆる国の国債または通貨への投資のリスクが高まる。一方、永遠で安定している金は、国レベルでさえも魅力的な投資のように見えてくる。したがって、特別軍事作戦が始まった後、多くの国が自国の金保有量を増やした。日本も例外ではない。日本の保有量は(2021年初め時点で)81トン超増加した。つまり、10.5%増えた」
ソロキナ氏は、現在の世界最大の金消費国は中国、インド、米国、日本、トルコだと強調している。
「日本での金価格の上昇を詳しく見てみると、日本ではほぼすべての要因が重なり合ったことがわかる。まず、日本は主要金利が世界で最も低い国の1つであるため、日本では有価証券投資の収益性は低い。世界金融危機の後に急成長した日本経済の成長速度は、現在は大きく鈍化している。さらに、製造業で最も大きな減速が見られている。
国内の金消費量の高さと日本の金保有量の増加によって、市場の需要と供給の不均衡が生じた。また、対ロシア制裁とそれが世界経済に及ぼす影響と関連した世界的な不安定さによって、現在、金は最も魅力的な投資リソースになっている」
ソロキナ氏は、したがって、おそらく日本の国内市場では金価格がさらに上昇すると予想できるとの見方を示している。