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【人物】ロシアで活躍する日本人女優 人生の深みを伝える一人芝居をモスクワで上演中、台詞は全てロシア語
【人物】ロシアで活躍する日本人女優 人生の深みを伝える一人芝居をモスクワで上演中、台詞は全てロシア語
Sputnik 日本
ロシアで女優として活躍する折田智水(おりた・ともみ)さん。日本とロシアで演劇の教育を受け、両国の舞台で活躍してきた彼女は今、一人芝居をメインにモスクワで舞台活動を行っている。ロシア語で一人芝居をするという挑戦的な作品ができたきっかけや、今シーズンの意気込みについて話を聞いた。 2023年11月2日, Sputnik 日本
2023-11-02T10:00+0900
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折田さんがロシア演劇に興味を持ったのは、ロシアの劇団が日本で行った公演を見たことがきっかけだった。夢中になった折田さんは、旅行で初めてモスクワを訪れ、毎日劇場に行って様々な演目を鑑賞。すでに日本で女優として活動していたが、ロシアの劇場文化に魅せられた折田さんは、ロシアの名門である国立舞台芸術大学に入学し、演技を学んだ。その後はモスクワの劇団「アパルテ」など、多くの舞台で活躍した。現在折田さんは独立し、一人芝居「あなたが島だったら」(When you're an island)に取り組んでいる。この作品は2018年から2019年にかけて、「ロシアにおける日本年」「日本におけるロシア年」が開催されることをきっかけに考案された。当時の折田さんは、能楽作品「卒都婆小町」にインスピレーションを受けており、かつては絶世の美女として多くの男性から求愛を受けた小野小町が、老女になった姿を演じてみたいと考えていた。そこでロシア人脚本家にリクエストをすると、卒都婆小町の要素も含めつつ、ひとりの日本人女性がロシアで生きていくという、これまでにない物語ができた。そこで描かれるのは、家族や友人、恋人との関係、それを通した主人公の心の変化という、普遍的なテーマである。一時間半の芝居で折田さんは、ロシア語のみで演技する。「ロシアにおける日本年」では、地方公演が多く、他の演目との兼ね合いもあって一時間以下の短縮バージョンを演じていたが、昨シーズンは毎月、一時間半の完全版を演じてきた。演技する時間がそれだけ長くなると、ロシア語の台詞を間違えないようにするだけでも大変なことだ。折田さんは「これまでは、台詞のことで精一杯になってしまっていたと思います。この作品では、ロシア人と日本人のメンタリティの差異に注目されがちですが、それだけではなく、人間関係での悩みだったり、それを通した内面の成長など、人間の持つ共通性、普遍性についてもっと伝えられるようにしたい」と意気込む。10月17日、今シーズン初の舞台が行われた。夏休みの間、日本での充電期間があったため、普段と比べるとかなり緊張したという折田さん。舞台を見たIT技術者のウラジーミルさんは、「私のようなロシア人にとって、日本人女性の心の機微、ロシア人の恋人との関係において彼女が何を感じるのか、というのは大変面白いポイントでした。しかも、恋人との関係だけでなく両親や女友達との関係を通して、人生において大事な多くのことを考えさせられる話でした」と感想を述べた。日本の文化を、アニメ以外全く知らない状態で見に来たというナタリアさんは「そもそも一人芝居というのも初めてで、一人の演技者が、こんなにも様々な形でそれぞれのシーンに深く入り込めていけることに驚きました。人生においてたくさんのことが起こるけれども、それを通してヒロインの大きくて深い内面世界が見えたように思います」と話してくれた。年内の舞台は11月9日と12月14日。ともにモスクワ市内の文化センター「ZIL」で行われる。関連ニュース
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ロシアで女優として活躍する折田智水(おりた・ともみ)さん。日本とロシアで演劇の教育を受け、両国の舞台で活躍してきた彼女は今、一人芝居をメインにモスクワで舞台活動を行っている。ロシア語で一人芝居をするという挑戦的な作品ができたきっかけや、今シーズンの意気込みについて話を聞いた。
折田さんがロシア演劇に興味を持ったのは、ロシアの劇団が日本で行った公演を見たことがきっかけだった。夢中になった折田さんは、旅行で初めてモスクワを訪れ、毎日劇場に行って様々な演目を鑑賞。すでに日本で女優として活動していたが、ロシアの劇場文化に魅せられた折田さんは、ロシアの名門である国立舞台芸術大学に入学し、演技を学んだ。その後はモスクワの劇団「アパルテ」など、多くの舞台で活躍した。
現在折田さんは独立し、一人芝居「あなたが島だったら」(When you're an island)に取り組んでいる。この作品は2018年から2019年にかけて、「ロシアにおける日本年」「日本におけるロシア年」が開催されることをきっかけに考案された。当時の折田さんは、能楽作品「卒都婆小町」にインスピレーションを受けており、かつては絶世の美女として多くの男性から求愛を受けた小野小町が、老女になった姿を演じてみたいと考えていた。
そこでロシア人脚本家にリクエストをすると、卒都婆小町の要素も含めつつ、ひとりの日本人女性がロシアで生きていくという、これまでにない物語ができた。そこで描かれるのは、家族や友人、恋人との関係、それを通した主人公の心の変化という、普遍的なテーマである。
一時間半の芝居で折田さんは、ロシア語のみで演技する。「ロシアにおける日本年」では、地方公演が多く、他の演目との兼ね合いもあって一時間以下の短縮バージョンを演じていたが、昨シーズンは毎月、一時間半の完全版を演じてきた。演技する時間がそれだけ長くなると、ロシア語の台詞を間違えないようにするだけでも大変なことだ。
折田さんは「これまでは、台詞のことで精一杯になってしまっていたと思います。この作品では、ロシア人と日本人のメンタリティの差異に注目されがちですが、それだけではなく、人間関係での悩みだったり、それを通した内面の成長など、人間の持つ共通性、普遍性についてもっと伝えられるようにしたい」と意気込む。
10月17日、今シーズン初の舞台が行われた。夏休みの間、日本での充電期間があったため、普段と比べるとかなり緊張したという折田さん。
「まずは第一回を終えてほっとしました。普段緊張しないだけに、余計にこの緊張に対してどう対処していいのかわからず、少し不満が残った部分もあったので、次回はさらに頑張ります。いつもそうなのですが、観客の方が温かいです。会場の優しい雰囲気で、私の演技を大きく受けとめてくれます。次回以降は万全の自信を持って、舞台に臨みたいと思います」
舞台を見たIT技術者のウラジーミルさんは、「私のようなロシア人にとって、日本人女性の心の機微、ロシア人の恋人との関係において彼女が何を感じるのか、というのは大変面白いポイントでした。しかも、恋人との関係だけでなく両親や女友達との関係を通して、人生において大事な多くのことを考えさせられる話でした」と感想を述べた。
日本の文化を、アニメ以外全く知らない状態で見に来たというナタリアさんは「そもそも一人芝居というのも初めてで、一人の演技者が、こんなにも様々な形でそれぞれのシーンに深く入り込めていけることに驚きました。人生においてたくさんのことが起こるけれども、それを通してヒロインの大きくて深い内面世界が見えたように思います」と話してくれた。
年内の舞台は11月9日と12月14日。ともにモスクワ市内の
文化センター「ZIL」で行われる。