扇の日舞とバレエ 合同慈善コンサートで露日のアーティストは何を見せる

2月の最後の日、モスクワの「ゲリコン・オペラ」劇場で「生きる幸せ」と題されたチャリティーコンサートが開かれる。「生きる幸せ」は露日交流年の枠内で行われている、より規模の大きいプロジェクト「暮らしの文化」の一部を成している。
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スプートニク日本

同じ舞台に2つの国のオペラ、バレエ、映画、ショービジネスのスターたちが集合する。モスクワ、サンクトペテルブルクのバレエ劇場から出演するダンサーらは有名な古典作品のパートを踊る。観客が心待ちにしているのは岩田守弘さんの踊り。

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岩田さんは日本人として初めてボリショイバレエでソリストとして活躍し、退団後、ブリヤート共和国の首都ウラン・ウデの劇場で芸術監督を務めている。舞台の目玉となるのは世界各国で文化大使を務める山田みどり池坊総華督の扇を使った日本舞踊。

コンサートの演出を担当している元バレエダンサーで現在は演出家のアンドリス・リエパ氏は、スプートニクからの取材にコンサートのコンセプトについて2つの文化をひとつにし、きわめて興味深い舞台に仕上げたいと抱負を語っている。

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「このナンバーは様々なプランが組み合わさっていますが、それを束ねるアイデアは1つ。平和と友情を味わいながら長く、幸せにこの世に生きるというものです。舞台がこの多様性ゆえに面白いものに仕上がるよう期待しています。ボリショイ、マリインスキー両劇場のソリストらによる古典バレエのフラグメント。岩田守弘さんがウラン・ウデの劇場から率いてくるアーティストらと見せる2つの現代的な舞台。非常に面白いオーディオ・ビジュアル・ソリューションを用意しています。舞台の動きに合わせてLED画面の映像配列が映し出されます。日本のアーティストらも一連のサプライズを用意してくれています。ロシアと日本という様々な文化、ジャンルをこんなふうに1つにするとは奇跡ではないですか。芸術はつまらないものを除けば分野を問わずすべて素晴らしいのです。」

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「生きる幸せ」はモスクワでの初演を終えると、今度はロシアの地方都市の巡回を開始する。5月にはサンクトペテルブルクのエルミタージュ劇場で、8月には南に下り、ソチのジームニイ劇場(冬劇場)、11月には極東へと飛んで、ウラジオストク・オペラ劇場でそれぞれかけられ、収益金は日本の赤十字および重症児童の治療を支援するロシアのNPO「リーニア・ジズニ(ライフライン)」へと寄付される。

「リーニア・ジズニ」基金のファイナ・ザハロヴァ会長は「私たちは喜んでこうした素晴らしいプロジェクトのパートナーとなりました。なぜなら慈善活動というのは生活文化の一部だからです。優しさなくして何かを成功させることはできません…」と語っている。

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