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国防費でトップを切るのは以前通り、米国だ。2018会計年度の国防費は総額6391億ドル(1ドル=110円換算で70兆3010億円)。内訳はベース予算が5745億ドル(63兆1950億円)、OCO(海外不測事態作戦)予算が646億ドル(7兆1060億円)。米国の国防予算に初めてロシアの脅威への対抗というテーマが個別に出されたことは注目に値する。比較すると、2018年のロシア国防省の予算は460億ドル(4兆9250億円)となる。
アナリストの算出によると、最も防衛費が伸びる地域は東欧かもしれない。これは、NATOがGDPの2%以上を国防費に回すよう加盟国に要求していることに関係している。地域での複雑な状況により、中東と北アフリカ諸国の防衛費が増大。ラテンアメリカやアジア太平洋地域の諸国でも伸びを見せた。
3月5日、中国・北京で開かれた全国人民代表大会では前年度比8.1%増となる1兆1000億元(約18兆4千億円)の国防費を計上した。とはいえ、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)等の一連の国際団体は、中国の公式な国防費は低められており、実際の額はさらに多いと見ている。中国の国防費は米国に続いて世界2位だ。
インドも2018年度(2018年4月1日〜2019年3月1日)国防費に前年度比5.9%増の460億ドル(約4兆9303億円)以上と増大させる方針だ。韓国の国防予算は前年比7%増の43兆1581億ウォン(約4兆4500億円)に確定。日本の2018年度防衛費は前年度比1.3%増の5兆1911億円となる。日本の防衛費はすでに6年連続で伸びている。防衛費の一部は米軍の陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」や迎撃ミサイル「SM3ブロックIIA」の導入費用に加え、垂直離着陸輸送機オスプレイや最新鋭戦闘機F35Aの購入費用に充てられる。
防衛費を増大させながら、各国政府は彼らの軍事政策や防衛費増大は国防のみを目的としていると説明。しかし、本質的にこれは世界的な軍拡競争ではないか?ロシア連邦軍産委員会の専門家協議会のメンバーであり軍事専門家のビクトル・ムラホフスキー氏はスプートニクのインタビューに対し、これがおそらく再軍備であり、各国軍隊の近代化だとの見方を示した。
現代の軍事用および二重目的のハイテク製品が高価格であることが、国防費の上昇に影響していることは間違いない。同時に、実際の状況における新兵器の性能を評価することは困難だ。そのため、おそらくあらゆる軍事演習が活発化し、軍事活動の偵察的な側面も強化されるだろう。今年1月、音を出さないと考えられていた中国の原子力潜水艦を数日間にわたり、日本の対潜艦や航空機が探知したことは記憶に新しい。