スプートニク日本
ブラウン氏は通信社スプートニクのインタビューで、現段階での露日関係の評価、そして安倍首相から次の首相に交代した後の露日関係の行方について語った。
誤算はどこにあったのか?
ロシア側は、クリルで稼働している自由経済区の既存の特別法の枠組みの中で作業することを提案している。だがロシアに既に存在する法的基盤を受け入れることは、日本にとって降伏を意味するとブラウン氏は考えている。一方、クリルを自国領土と考えるロシアは、そこに別の法律をつくることには同意できない。なぜならクリルが一種の「グレーゾーン」であることを認めることになるからだ。数日前、ロシアのガルージン駐日大使は「スプートニク」のインタビューで「我々は自らに向けられた領土的要求を、南クリルも含め、いかなる方面でも受け入れることはない」と改めて述べた。
ブラウン氏によると、安倍首相は2012年に再び首相に就任した後、最も野心的な道を進むことに決めた。だが西側の制裁によって孤立したように見えたロシアが、領土問題で比較的容易に譲歩するだろうという安倍首相の計算は間違っていた。ブラウン氏は「この計算の一部はプーチン氏自身だった。ある意味プーチン氏は親日家で、日本にとってメドベージェフ氏よりも分かりやすく、好ましい。プーチン氏の柔道への情熱と、同氏の娘の一人は日本語を勉強していたと思うが、これらはすべてプーチン氏が日本を愛していることを物語っている。その他、プーチン氏は強い指導者であるため、譲歩することができない」と語っている。
安倍首相でないとしたら、次の首相は誰か?
またブラウン氏は、安倍首相の次の首相が誰になろうとも、露日関係の発展の動きは目に見えて鈍化するだろうとの見方を示し、次のように語っているー「3人の名前が挙げられている。それは主要候補者の石破氏、潜在的候補者の岸田氏、そして小泉氏だ。小泉氏は次期首相ではなく、次の次の首相、あるいは安倍首相がさらに3年間首相を務めた場合、小泉氏が次の首相になる可能性があると言われている」。
ブラウン氏は、上記の3人の政治家はいずれも安倍首相が抱くようなロシアへの関心は持っていないと考えている。ブラウン氏は「石破氏はタカ派で、軍事分野や防衛が好きだ。私は、石破氏は米国とより緊密な関係を築く方向に進む可能性があると考えている。岸田氏もそれほど熱意はない。同氏は外相だった時にラブロフ外相と何度も会談したが、私は両氏の間に個人的な良い関係が築かれたと感じたことは一度もなかった。かなり冷めた関係だった」と語っている。
次回の露日首脳会談は今年9月に予定されている。安倍首相は極東ウラジオストクで9月に開かれる東方経済フォーラムに招待されている。