スプートニク日本
スプートニク:あなたはロシアだけでなく国際的に活躍し、ロシア芸術を紹介する展覧会を世界各国で開催しています。こうした文化交流における課題とは何だとお考えですか。
スプートニク:先月、日本とロシアの友好親善に寄与したということで日本の外務大臣表彰を受けられましたね。これについて詳しく教えてください。
ミハイロフスキー氏:2011年に東日本大震災が起こったとき、ペテルブルクの総領事に電話して、被害にあった県にお住まいの若い方々を助ける用意があると提案しました。我々のアカデミーに、無償で被災地からの学生を受け入れると発表したところ、山口恵都さんが来ることになりました。彼女は版画学科でもう長期間学んでいて、我々はこの数年の中で、彼女を外国人学生だと捉えなくなりました。山口さんは何度か個展も開きましたし、現在は卒業制作に取り組んでいます。彼女の成功が嬉しいですし、アカデミーで人種や宗教、政治的姿勢、様々なものが違う色々な人が学んでいることを誇りに思います。重要なのは学びたいという意欲と才能です。だからこそ39か国から350人以上もの留学生が在籍しているのでしょう。
スプートニク:昨年の国際文化フォーラムでは、あなたのイニシアティブで武蔵野美術大との協力協定が結ばれました。この協定の結果と、日本に対する印象を教えてください。
スプートニク:フォーラムの開催にあたり、サンクトペテルブルクの文化遺産をどう評価しますか。
ミハイロフスキー氏:サンクトペテルブルクは文化遺産という視点では素晴らしい町で、現代人ではなく前世代の人々によって築かれました。我々はこれを保護し支援しなければいけません。他方で、町は発展しなければいけないし、住人に快適なものである必要があります。ですから過去・現在・未来をひとつの町の枠の中でうまく調和させ、新しいアイデアや新しい精神で、この空間を満たす必要があると思います。