善行か殺人か? ロシア法は安楽死をどうカテゴライズする

4日、欧州メディアでオランダ人女性のノア・ポトベン(17)が性暴力被害を受け、同国で合法な安楽死を選択したと報じられた。この話は広く拡散し、SNSでは安楽死について激しい議論に発展した。ロシア法では安楽死はどう扱われているのか、そして、安楽死が合法な国とは?
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後に判明したところ、ポトベンさんは安楽死ではなく、自らの意思で飲食を止めたことによる餓死だと判明した。だが、この話を発端とした安楽死に関する議論は弱まっていない。

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安楽死はロシアで禁止されている。ロシア法45条「安楽死の禁止について」には「医療従事者は安楽死、つまり患者の要請によって、患者の生命を維持する人工的活動の停止を含む何らかの措置を行う(もしくは行わない)ことや手段によりその人物の死を加速することを禁じる」とある。

ロシア刑法では、安楽死は105条「殺人」にあてはまり、計画的犯行だった場合は6年から15年の懲役刑の可能性がある。

ロシアでは安楽死問題は何年にもわたり議論されているテーマだが、大きな進展はない。

世界で初めて積極的安楽死を合法化したのはオランダだ。積極的安楽死はその人物の同意を得て死を早める。同意を得ない消極的安楽死もある。

ベルギーはオランダに続いた。要件を満たす人物の安楽死はカナダ、米国の一部州、ドイツ、フランス、イスラエル、スウェーデン、オーストラリアのビクトリア州で合法化されている。

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日本に関しては、安楽死に関する正式な法律がなく、最高裁はこの問題に関して判決を下したことがない。日本の安楽死政策を決めているのは2つの判例だ。1962年の名古屋高等裁判所の判決と、1995年の横浜地方裁判所の判決だ。1962年の判決では消極的安楽死が、1995年の判決では積極的安楽死が問題になった。2つの判決は、消極的および積極的安楽死の両方について、合法たり得る法的枠組みや要件を明記した。しかし、双方の事件で安楽死させた被告は有罪判決を受けた。さらに、これらの判例に法的拘束力はない。一方では、日本ではすでに安楽死を実施するための暫定的な法的枠組みが存在する。

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