日本のEEZへのミサイル発射は習近平氏自身が承認=共同通信

先日台湾周辺海域で実施された中国人民解放軍の演習計画は習近平国家主席自身が承認したものだった。演習では発射されたミサイル数発が日本の排他的経済水域に落下したと日本は主張している。関係者の話をもとに共同通信が伝えた。
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共同通信によると、演習準備にあたり軍側は2つの計画を提示。1つ目の計画ではミサイル落下範囲に日本が排他的経済水域(EEZ)とする水域は入っていなかった。しかし習近平氏はEEZが含まれるもう1つの計画を選択したという。
共同通信は、中国側はこれにより、台湾をめぐる作戦が開始された場合に日本の紛争介入の可能性を牽制したと指摘している。中国軍は対台湾作戦の際には米国が台湾を支援するために沖縄米軍基地から航空機や艦隊を派遣すると見ている。ただし台湾への仮想上陸作戦を展開する前に空中および海上で優位を確保するには、米国軍の接近を阻止する必要があり、そのためにミサイルの使用も想定される。このシナリオは先日の中国の演習において訓練されたと共同通信は結んでいる。
台湾 中国の「一国二制度」を否定
台湾をめぐる状況はナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問を受けて緊張激化。中国側は同議長の訪台前に何度か米国に警告を送っていた。訪問を受けて中国は台湾周辺の6水域でミサイル発射を伴う大規模軍事演習を実施した。
演習の過程で発射されたミサイルが日本のEEZに落下と日本側は主張、さらに中国に抗議した。日本のEEZでの軍事演習に関する東京の声明に対して、中国外務省報道官は当該水域にEZZの境は設定されていないと反応した。日本は北京のこの立場を受け入れられないとしている。
日本は中国に抗議したものの、岸田首相は10日、緊張関係においてコミュニケーションを維持していくことが極めて重要と強調。「日本は中国との対話にオープン」と述べた。
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