国連、人道支援の財源が4.4兆円不足 過去最悪

国際連合が2022年に計画している世界で人道支援に必要な総額が487億ドル(6.5兆円)で、そのうち150億ドル(2兆円)程度しか集まっていないことが分かった。国際連合人道問題調整事務所のイェンス・ラエルク報道官が明らかにした。世界の食糧問題やエネルギー危機で迅速な人道支援が求められるなか、国連は330億ドル(4.4兆円)という過去最悪の財源不足に陥っている。
この記事をSputnikで読む
ラエルク氏によると、世界各地で起こる武力紛争や気候変動のほか、それらが複合的に重なり合って人道危機が広まっていると指摘し、次のように述べている。

「この歴史上もっとも重大な財源不足は、各支援国が過去最大の額を支出しているという事実を隠してしまう。問題は、需要がリソースを超えている点にある」

再開したウクライナ産食品輸出 輸出量とその行方
国連は7月、世界で飢餓に苦しむ人の数は2021年に8億2800万人に達し、新型コロナウイルスによるパンデミック以前に比べ1億5000万人増加したとする報告書を発表。国連食糧農業機関の主任エコノミストであるマクシモ・トレロ氏は7月、ウクライナ情勢を背景に、2022年には1300万人、2023年には1700万人が新たに栄養失調に陥る可能性があるとの見方を明らかにしていた。
一方、日本の岸田文雄首相はこれまでに、ウクライナの穀物輸出や中東・アフリカ諸国への食糧支援などのために、日本が2億ドル(約270億円)規模を拠出する方針を表明しているほか、およそ1億ドルの追加人道支援を検討していることも明らかにしている。
関連ニュース
メキシコ大統領、5年間の全面的な休戦を呼びかけ
ウクライナの穀物を搭載した船舶 アフリカやアジアを「飢えさせ」、代わりに西側へ=露外務省
コメント