同氏によると、ステーションの最初の図案設計は終了しており、軌道の傾斜と高度の選択が決定されたという。また、ISS(国際宇宙ステーション)のロシアのモジュール「ザーリャ」で行われているような、ステーション全体の制御機能を持つ新ステーション用の最初のモジュールも準備されている。まさにこのコンパートメントが最初に宇宙へ送り出され、ロシアの新しい宇宙ステーションの基礎となる。新しいステーションには、合計6つのモジュールが想定されている。第1段階では、同ステーションは、科学・エネルギーとハブ、ベース、ゲートウェイの4つのモジュールで構成されることになる。第 2 段階では、ターゲットとプロダクション、そしてサービスプラットフォームの 2つのモジュールが追加されるとマルガリータ・シドロワ氏は述べている。
同氏によれば、新しいステーションでは、ISS のロシアのセグメントと比較して、視界ゾーンが著しく増加されるという。こうした点は非常に重要と言え、それは、新ステーションの主要な課題が、地球上で生じるあらゆる事態を観測し、それに対処する能力を得ることにあるためだと、設計エンジニアは説明した。同氏は通信社「スプートニク」のインタビューに、「地球の観測は重要だ。新ステーション は、設定された軌道のおかげで、極周辺の領域でも観測が可能となる。ISSは我が国の全領土を観測することもできなかった。新ステーションによって、軌道上から地球上のほぼ全域を調査することが可能になる。このステーションによって、氷河の融解の観測や火災の監視・防止が可能になる。特にロシアの接近が困難な場所。 今日の問題は、それらをすぐに発見できず、気付くのがかなり遅れるということだ。新ステーションは、地球と、そしてもちろんロシアの『健全さ』をより綿密に監視するのに役立つ。また、ステーションは複雑な地質調査を可能にする。たとえば、新しい鉱床の調査だ」と語った。シドロワ氏によれば、ロシアがISSを離れる頃には新ステーションの操業が開始される見込みだという。
通信社「スプートニク」は以前、ロシアは、自国の宇宙ステーションの操業まで、ISS でのプレゼンスを維持する準備があると報じている。
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