この角膜インプラントを開発したネイル・ラガリ氏は、「この技術は、ヒト用角膜インプラントとして使用するための基準をすべて満たし、大量生産が可能だ。そして、このインプラントは最長で2年間保存が可能であるため、必要性が高い人々の元が入手しやすいものとなっている」と説明している。
研究者らはすでに、円錐角膜によって視力を失った患者20人を対象に、このインプラントを使用する臨床試験を行っている。円錐角膜とは、角膜の中心部分の厚みが薄くなり、角膜が前方に突出する病気。これによって角膜に歪みが生じ、視力が低下する。この臨床試験が開始した時点では20人中14人が失明しており、残りの6人はまだ視力がある状態だった。
そして角膜インプラントを移植してから2年後、20人全員が物が見えるようになり、うち3人は正常な視力を獲得した。
研究者らは、患者が正常な視力を得ることは重要だが、角膜インプラントの安全性と有効性が最優先事項であると指摘している。また、研究者らは、低所得者の人々がこのインプラントを利用できるよう最善を尽くしたいと語っている。
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