ロイター通信によると、8月中旬、米空軍の第5世代戦闘機「F-35」のエンジンの潤滑油ポンプに使われている合金が、許可を受けていない中国製のものであることが判明した。国防総省は「F-35」に使われている各部品の適法性を調査するため、新たな機体の受領を停止したという。
問題の合金は情報を送受信したり、機体に害を及ぼしたりするものではなく、現時点でリスクは確認されていないという。また、機体には他にも中国製部品が使われているが、同省の承認をあらかじめ得たものだとしている。
機体の製造元のロッキード・マーティン社は、この部品はハニーウェル社製の潤滑油ポンプに使われているコバルトとサマリウムの合金だと説明。一方、ハニーウェル社は「全ての顧客とのニーズに沿う高品質の製品の供給にコミットしています」とのみコメントしている。
米軍の航空装備をめぐってはこのごろ、問題が相次いで確認されている。8月中旬には輸送機「CV-22(オスプレイ)」の技術的欠陥による事故が増加したとして、米空軍が全52機を運用停止に。だが、今月2日には根本的な原因が特定されていないにも関わらず、問題が発生した場合に対処できるようリスクを軽減する措置を講じるなどとして運用を再開した。また、8月末には別の輸送ヘリ「CH-47(チヌーク)」もエンジンから出火する恐れがあるとして運用を停止していた。
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