新型コロナウイルス

インド 新型コロナのパンデミック禍に児童婚が前例のないほど増加

インドでは児童婚が正式に禁止されているが、今もなおこの悪習は根強く残っており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの困難な時期には、児童婚が前例のないほど増加した。社会調査センターの所長で非政府組織Women Power Connect会長のランジャナ・クマリ氏が、「スプートニク」のインタビューで語った。
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クマリ氏によると、COVID-19はインド人1人ひとりの生活に悪影響を与えたが、主に最も被害を受けたのは、最脆弱層と最貧困層だった。多くの家庭が仕事を失い、田舎の子どもたちは教育を受けることができず、大勢の未成年者が親を亡くした。そして、まさにこのような子どもたちが、児童婚の主な犠牲者になったという。
「インドの農村社会では少女が思春期を迎えても家にいると、家族の負担になります。特に収入源を失った家庭では。そのような少女は、よく嫁に出されます。またここでは風習が大きな役割を演じています。風習によると、少女が若くして結婚した場合、その家族は結婚持参金が少なくて済みます。そしてパンデミック禍には価格が下がったため、家族の年長者は18歳未満の少女を急いで結婚させようとしたのです」
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クマリ氏によると、児童婚は早期の妊娠や出産につながり、少女の精神的健康と身体的健康にとって非常に危険だ。さらに早婚は、インドが乳児死亡率の点で極めて脆弱な国に含まれる主な原因の1つでもあるという。クマリ氏は、なぜなら一般的に、幼くして母親になった少女はまったく教育を受けておらず、あまりにも若すぎて、母子の健康問題を理解できないからだと指摘している。
2021年に公表されたユニセフの報告によると、インドでは少なくとも毎年150万人の18 歳未満の少女が結婚しており、これは10代の少女の約15%に相当する。一方、インド当局は、アジア諸国の中で20歳未満の結婚を禁止しているのは日本だけであることを理由に(男性は18歳から、女性は16歳から結婚できるが、未成年者の場合は親の同意が必要とされていた。2022年4月1日から女性の婚姻可能年齢が引きらげれら、親の同意は不要になった)、急いで結婚最低年齢を設けようとはしていないという。
先に、中国ではインドとは対照的に結婚年齢が上昇し、婚姻件数が減少していると報じられた。
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