グローバル・タイムズ紙は、ジェームズ・ベイカー米国務長官がかつて、ソ連の指導者ミハイル・ゴルバチョフ氏に対して、NATOは「東には1インチも拡大しない」と約束したことを指摘した。
同紙は「バイデン氏が『領土の隅々まで』という言葉を強調したときの皮肉を理解していなかったことは明らかであり、それは人々に破られた約束を思い出させるだけだった」と書いている。
また同紙は、米国がウクライナを潜在的なNATOの同盟国とは見ておらず、紛争を可能な限り長引かせ、ロシアを弱体化させようとするためのツールとしてしか見ていないことを強調した。
「ポーンとしてのウクライナの価値は、米国によってまだ十分に活用されていない。米国がロシアを枯渇させようとしている限り、彼らは危機を終わらせたり、ウクライナを有利に利用することをやめたりすることを望んでいない」
グローバル・タイムズ紙は、この状況が続くと、世界中の誰も安心できないと結論付けている。
米政府関係者がポリティコ紙に語ったところによると、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領がウクライナのNATO(北大西洋条約機構)早期加盟を申請する決定を下したことは、米バイデン政権にとって驚きだったという。
ロシアのプーチン大統領は9月30日、ドネツクおよびルガンスク人民共和国、ヘルソン州、ザポロジエ(ザポリージャ)州のロシア編入に関する条約に署名した。決定は上記4地域の住民投票の結果に基づき採択された。その後、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は速やかにNATO加盟申請を行う意向を表明した。一方、米国のジェイク・サリバン大統領補佐官はウクライナの加盟申請に関する手続きを現在行うことはふさわしくないと表明していた。
関連ニュース