読売新聞の記事では「日本に駐在するロシアの領事1人を国外退去させる方向で調整に入った。ロシア側に近く通告するとみられる」と指摘されている。
ロシア連邦保安庁(FSB)は9月26日、スパイ活動を行ったとして在ウラジオストク日本総領事館の領事、モトキ・タツノリ氏(ロシア語原文ママ)を拘束したと発表した。FSBによると、モトキ氏はロシアと「アジア太平洋地域のうちの一国」との協力やウラジオストクが位置する沿海地方における西側諸国の対露制裁の影響に関連した秘匿情報を、金と引き換えに入手するなどのスパイ活動を行い、ロシアの法律に違反したとしている。FSBの公開したビデオには、モトキ氏が罪状を認める様子が映っている。
日本側は外交ルートを通じてロシアに抗議した。一方、モトキ氏はペルソナ・ノン・グラータ(国外退去)を言い渡され、48時間以内に国外に出るよう求められた。
日本の林芳正外相は、拘束された領事について「違法な活動を行った事実は全くない」「極めて遺憾で、決して受け入れられない」と述べ、拘束したロシア当局側の行為は「領事関係に関するウィーン条約」に明確に違反すると主張。ミハイル・ガルージン駐日ロシア大使は外務省に呼び出され、厳重に抗議を受け、謝罪と再発防止を要求された。
一方、ガルージン大使は当該外交官の行為について「自らのステータスに反するもの」だとし、ロシア側には断固抗議する根拠があるとの認識を示した。
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