ウクライナのテロには「見ざる聞かざる」=ラブロフ露外相、西側の二重規範を批判

西側諸国はロシアによるウクライナへの集中攻撃は非難する一方、ウクライナのテロ行為には『見ざる聞かざる』の姿勢を貫いている。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、11日に放映された国営放送のインタビューのなかでこう指摘し、西側の二重規範(ダブルスタンダード)を非難した。
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ラブロフ外相は次のように述べている。

「西側はゼレンスキーの行為に関しては『見ざる聞かざる』のゲームをしている。だがロシアがウクライナのテロ攻撃に耐えかね、ついに本気で報復した際は、西側はロシアを批判している」

ロシア南部のクリミア半島とクラスノダール地方のタマン半島をつなぐクリミア大橋で8日、貨物自動車が爆発し、大規模な火災が発生。4人が死亡したほか、橋の一部が崩落した。
翌9日、ウラジーミル・プーチン大統領は、クリミア大橋の爆発がウクライナの特務機関による「民間インフラの破壊を目的としたテロ行為」だと表明。10日には露軍がウクライナの軍事、通信、エネルギー関連施設に対して長距離精密兵器による集中攻撃を行ったと明らかにした。
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さらにラブロフ外相は、ウクライナのゼレンスキー大統領が元俳優であることを引き合いに出して、西側との協力関係を次のように皮肉っている。

「ゼレンスキーはワシントンやロンドンからの命令に『承知しました!』と答え、どうしたら自分の面子が失われないか考えているのかもしれない。ゼレンスキーは俳優だが、あちら側には今、指揮したり巧みに操作したりして演技している俳優がたくさんいる。皆、ロシアの特殊軍事作戦に憤慨した高貴な騎士を演じているのだ」

ウクライナ問題の外交的解決について米国が「ロシア側の真剣な対話への姿勢がみえない」と批判していることに対しては、「そもそも我々は真剣な対話の提案を受けていない。嘘をつくのはよくない」と指摘。また、西側は嘘に嘘を重ね、ロシアに対抗するために世論の知的レベルを低下させようとしているとも述べた。
西側が喧伝するいわゆる「ロシアの核の脅威」に関しては、「人工的にヒートアップさせるべきでない」と主張。「いつも核戦争のテーマを煽っている者たちは自らの責任を理解すべきだ」と苦言を呈した。
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