ロシア軍によるウクライナにおける特殊軍事作戦が始まった直後、EUは5億ユーロ(約723億円)を拠出して加盟各国にウクライナへの軍事支援を求めた。この際、各国による支援の85パーセントは基金から補填される手筈となっていた。
だが、軍事支援の増大とともにその額は15億ユーロ(約2170億円)にまで増大。相次ぐ「払い戻し」請求に財源が不足し、補填割合は約46パーセントにまで下がっているという。
同紙はウクライナがより多くの武器を求めるなか、支援を断ればEUの信用を貶めることになると指摘。実際にドイツやフランスはすでに軍事支援が不十分だと批判を浴びている。一方、その他の国は軍事装備の予備が底を尽きかけていると訴えている。支援しようにも首が回らない状況になってきているようだ。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍は必要な武器の10パーセントしか受け取っていないと主張し、西側からさらなる軍事支援を引き出そうと躍起になっている。
だが、これまでバイデン政権はロシア領内の奥深くを攻撃できる米製兵器をウクライナに与えた場合、北大西洋条約機構(NATO)とロシアの直接戦争に発展しかねないとして、供与を渋ってきた経緯がある。ドイツのオラフ・ショルツ首相も、同様の理由でウクライナに主力戦車を引き渡すつもりはないと表明している。
ただでさえ及び腰となっている西側の軍事支援だが、さらに財源の問題が加わるとなるとますます遅れが出そうだ。
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