再編「サハリン1・2」をめぐる状況

「サハリン1」から「サハリン3」まで 欧米企業撤退の陰で露市場を狙うインド

一部欧米企業が撤退し、日本は残留を決めたロシア極東の石油・ガス開発事業「サハリン1・2」。ここにきてインドが虎視眈々とロシアのエネルギー市場進出を狙っている。インドのジャワハルラール・ネルー大学国際研究学院のアヌラドハ・チェノイ元院長が、スプートニクが加入するメディアグループ「ロシアの今日」で行われた卓上会議で明らかにした。
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「ロシアは一部の参画企業が撤退したから『サハリン1』を国有化したが、他の国がここに空いた穴に入れる。インドはサハリン1の参画に関心がある」

チェノイ元院長はこのように話し、同様の状態となっている「サハリン2」や現在計画中の「サハリン3」への参画もインドは視野に入れていると示した。

「ロシアから多くの西側企業が撤退したことにより、(編注:サハリン・プロジェクトにおける)西側との一部の契約は白紙となった。だが、これはインド企業にとっては、ロシア市場に段々と進出する可能性が開けたといえる」

一方でチェノイ元院長は、インド企業はロシアでのビジネスによって、西側による「二次的(間接的)制裁」を受けるリスクがあるとも指摘している。
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ロシアのプーチン大統領は6月30日、「サハリン2」の運営会社をロシア法人に代える大統領令に署名。新運営会社の「サハリンスカヤ・エネルギヤ」は8月5日に設立された。参画する日本の三井物産と三菱商事は出資継続を露側に伝達し、ロシア政府もこれを承認していた。一方、英シェルは9月に新運営会社への不参加を発表していた。
また、10月には「サハリン1」についても運営会社を新たに設置し、米国の旧運営会社から権利や義務を移行する同様の大統領令が発せられた。米エクソン傘下の参画企業は完全撤退を決めたが、日本の伊藤忠商事、丸紅、石油資源開発などが出資する日本のサハリン石油ガス開発(SODECO)は出資を継続する意思を示している。
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