農業省モスクワ郊外支局のグレゴリー・フィリモノフ副代表は次のように語った。
「東海市長、韓国のビジネス関係者とともに、モスクワ郊外の農業ハブ「セリャチノ」と東海市をウラジオストクを経由して結ぶ、複合的な物流網の発足に関する協定に署名した。ロシア市場へは韓国製自動車を含む産業製品を積んだコンテナが運ばれる」
一方、韓国へはロシア産の食料や木材加工品などが輸出されるという。フィリモノフ氏は今回の協定が、新型コロナのまん延からウクライナ情勢に端を発する外交危機による、3年間に及ぶ露韓関係の休止期間を「凍結解除」するものだとしている。
「政冷経熱」は「政治分野では冷却しているが、経済分野では過熱している」という意味で、1990年以降の日中関係を形容した言葉。
ウクライナ情勢の悪化以降、ロシアと韓国の外交関係は危機に瀕している。米国の同盟国である韓国は、西側諸国の一員として対露制裁に参加。これを受け、ロシア側は韓国や日本を含む西側諸国を「非友好国」に指定した。
これに先立つ10月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、モスクワで行われた有識者会議「ヴァルダイ国際討論クラブ」で登壇し、「仮に韓国側が兵器供給を実行に移せば2国間関係は破壊される」と牽制していた。これに対し、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、韓国が原則的にウクライナに対して人道支援だけを行っていると説明し、韓国からの軍事支援が決まったとの情報を否定していた。
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