ロシア政府の公表した文書によると、SODECOの他に同じく外国企業として参画していたインドのONGCも20パーセントの株式引継ぎを承認された。SODECOやONGCはこれまでに、ロシア側にプロジェクトへの参加継続を正式に申請していたとも記されている。
SODECOには日本政府(経済産業省)が50%出資しているほか、伊藤忠グループ、石油資源開発、丸紅、INPEXも出資している。
これまで「サハリン1」の株主はロシアのロスネフチ(20%)、米エクソンモービル傘下のエクソン・ネフテガス社(30%)、日本のSODECO(30%)、インドのONGC(20%)などとなっていた。このうち、エクソン・ネフテガス社は、10月にロシアから完全撤退していた。
ロシアのプーチン大統領は10月7日、「サハリン1」の運営会社を新たに設置し、米国の旧運営会社から権利や義務を移行する大統領令に署名した。SODECOを含む外国企業は、新たな運営会社が設置されてから1か月以内に株式保有を継続するかどうかについて、ロシア政府に通知する義務があった。また、この大統領令に基づき、10月14日付で国営の新運営会社が発足している。
これまでに日本の西村康稔経済産業相は「原油輸入の9割以上、いまや95%にも及ぶ量を中東に依存する我が国にとって、(ロシアは)中東以外の貴重な調達先である」と述べ、「サハリン1」のエネルギー安全保障上の重要性は変わらないとの認識を示していた。
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