ロクストリョム教授は、現在、地球の年間の平均気温の上昇は摂氏1.2度で、すでにその後遺症は頻度を増す干ばつ、長期化する異常高温、洪水といった眼に見える形で表れていると指摘している。教授によれば上昇気温が2度を超えた時点で起きる変化は本格化する。
「2.4度という上昇気温を私はカタストロフィーとみなしている。なぜなら地球の大部分があまりにも暑く、人間の住めない土地となるからだ。そしてそうした事態はすでに2070年までに起こりうる」
ロクストリョム教授はまた、気温上昇で永久凍土が融解し、海流が変化し、熱帯林が死に絶えると指摘している。氷の融解で海面上昇が起きれば、大陸沿岸部の国や島国には最大の危険が及ぶ。
ロクストリョム教授は、人類がかろうじて生存できるためには気候に関するパリ協定で取り決められた摂氏1.5度の限界を超えてはいけないと主張する。なぜならこの数値は偶然決められたものではなく、学研調査の結果、選択されたものだからだ。ロクストリョム教授は上昇気温の限界規制をさらに厳格化することさえ呼びかけている。そうした一方で教授は独に現在ある原発の稼働停止には反対した。教授は現在の気候状況ではそうすることの方が理にかなっているとし、すでにある原発は稼働すべきであるものの、だからといってこれが原子力エネルギーの拡大に追加投資すべきだという理論にはならないと指摘している。
スプートニクは以前、急速に融解するグリーンランドの氷河が世界海洋に放出する淡水の量は年間60億トンに達すると報じている。
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