日本が、武器輸出ルールや自国の防衛能力に関するその他の局面について見直しを迫られているのは、中国における軍事力の増大と北朝鮮のミサイル発射の強化がきっかけであることは明らかである。しかし、共同通信は、こうした計画を促すことになったのは、ウクライナに弾薬やミサイルを含む武器の供給を要請された際に、日本がこの要求に応えることができなかったことだと指摘している。日本がこれを拒否した根拠は、国外への武器供給の原則に違反するということである。そしてその結果、日本はウクライナに発電機、防弾チョッキ、鉄帽、カメラ、ビデオ、テント、衛生用品などで支援を行うことを決めた。
政府は安全保障関連の3つの文書の中で、この政策を具体化させる意向である。外交政策・防衛政策の基本方針を定める国家安全保障戦略が今年末までに見直されるほか、「防衛装備移転三原則」も今会計年度末、つまり2023年の第一四半期には見直されるものと考えられている。現行の「三原則」は、国連安保理決議や条約に違反している場合や紛争当事国への移転を禁じているが、平和の強化と日本の安全保障に資する場合は認めるとしている。この原則に加え、政府は、武器輸出は「外交政策および防衛政策の重要な手段である」として、力による一方的な現状変更などの国際法違反の行為への対処を目的とした武器輸出の可能性についての項目を追加する意向である。
2014年に当時の安倍政権下で、この「三原則」が採択されたとき、防弾チョッキ、ヘルメット、軍事医療設備、レーダーシステム、巡視船、地雷探知船の移転が可能となった。当時、殺傷能力を持つ武器輸出の禁止は残されたものの、これは国際社会からの反響を呼んだ。しかし、日本の武器の輸出市場での成功がそれほど目立っていないことから、次第にその声はおさまった。
2021年、日本は、防衛目的で日本製の防衛装備品を輸入しようとする国々に、低金利の融資を行うことで、防衛装備品を購入しやすい環境を作ろうという試みを行った。この問題に取り組むよう指示を受けたのは、国際協力銀行(JBIC)である。しかし、ストックホルムの国際平和研究所(SIRPI)のデータによれば、現在、日本は武器の輸出国の上位25位にも入っていない。このリストで上位を占めているのは、米国、ロシア、フランス、中国、ドイツである。2017年から2022年にかけて、これらの国が武器輸出全体に占める割合は77%となっている。
ロシア戦略技術分析センターのルスラン・プホフ所長は、「スプートニク」からの取材に対し、日本は武器輸出のための大きな可能性を秘めており、日本はかなり以前からそれに向けて動いてきたと指摘している。
「ウクライナ問題はそのきっかけとしてはあまりにも政治化されたものですが、日本はかなり以前から、この方向で動いてきました。最初は平和憲法と自己制限により、そうした動きは抑制されていました。しかし、日本はついに、憲法が制定されて以降、世界は大々的な変化したことを認めるようになり、『積極的平和主義』をスローガンに、少しずつ自己制限を解くようになりました。
しかし、かつて日本の幅広い世論は、こうした考えにネガティブな意見を示していた訳ですが、それが今ではそういう人々も、国家の安全に対する脅威は高まりつつあり、武器輸出を認めるという理論が根拠あるものだという考えに傾きつつあります。そこで、現在、政府はそれが日本の安全保障を促進するものであれば、殺傷能力のある武器を輸出することを可能にするという案について検討しているのです。中古の装備品について言えば、日本の艦船や陸上技術は、30年間、使用された後でもよい状態を保っています。これは貧困国にとっては大きな援助となるでしょう。
日本は世界市場に提案できるものを有しています。たとえば、潜水艦、水陸両用航空機、多目的ヘリコプター、戦車、装甲兵員輸送車などです。さらに、日本企業は電子機器、通信、ロボット技術、次世代戦闘機の部品などの分野で、強固な名声を博しています。ただ、日本の防衛装備品の世界市場への進出には障壁もあります。それは、競争相手となる国と比較し、価格が高額であるという点です。
また、大型の注文が入った場合に、日本のメーカーが短期間で生産量を増大させることができるかどうかも疑問です。というのも、2014年までは日本の軍事産業複合施設は、自衛隊という唯一の消費者のためだけに製造を行なってきたからです。加えて、輸出に対する一連の制限が解除されるというのは、経済的利益の問題だけではなく、自国の同盟国やその他の国々との関係強化、そして政治的影響の拡大でもあるということを忘れてはいけません。
日本は、北朝鮮の核・ミサイルプログラムと台湾をめぐる中国の野望を、国にとっての主な脅威としています。中国の第20回共産党大会で、習近平国家主席の続投が決定したということは、中国の政治路線がその方向性を変えることはないというシグナルなのです」
しかし、かつて日本の幅広い世論は、こうした考えにネガティブな意見を示していた訳ですが、それが今ではそういう人々も、国家の安全に対する脅威は高まりつつあり、武器輸出を認めるという理論が根拠あるものだという考えに傾きつつあります。そこで、現在、政府はそれが日本の安全保障を促進するものであれば、殺傷能力のある武器を輸出することを可能にするという案について検討しているのです。中古の装備品について言えば、日本の艦船や陸上技術は、30年間、使用された後でもよい状態を保っています。これは貧困国にとっては大きな援助となるでしょう。
日本は世界市場に提案できるものを有しています。たとえば、潜水艦、水陸両用航空機、多目的ヘリコプター、戦車、装甲兵員輸送車などです。さらに、日本企業は電子機器、通信、ロボット技術、次世代戦闘機の部品などの分野で、強固な名声を博しています。ただ、日本の防衛装備品の世界市場への進出には障壁もあります。それは、競争相手となる国と比較し、価格が高額であるという点です。
また、大型の注文が入った場合に、日本のメーカーが短期間で生産量を増大させることができるかどうかも疑問です。というのも、2014年までは日本の軍事産業複合施設は、自衛隊という唯一の消費者のためだけに製造を行なってきたからです。加えて、輸出に対する一連の制限が解除されるというのは、経済的利益の問題だけではなく、自国の同盟国やその他の国々との関係強化、そして政治的影響の拡大でもあるということを忘れてはいけません。
日本は、北朝鮮の核・ミサイルプログラムと台湾をめぐる中国の野望を、国にとっての主な脅威としています。中国の第20回共産党大会で、習近平国家主席の続投が決定したということは、中国の政治路線がその方向性を変えることはないというシグナルなのです」
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