ゼレンスキー大統領はSNSに投稿したビデオメッセージの中で次のように発言した。
「今日は国家安全・国防会議が開催された。ウクライナで活動する宗教団体と加害国の関係について多くの事実をこの会議で検討した」
大統領によると、「加害国の影響下にある団体」がウクライナ人を操作できない環境を整える必要があるという。その上で会議はロシア連邦に本部を置く宗教団体と関連した組織の活動を禁止する法案を立法府で審議するよう政府に命じた。その他、ウクライナ正教会がモスクワ総主教府と宗教的・教義的関係を持っていないかを専門家に調査させ、必要に応じて法的措置を適用するよう命令した。この関連でゼレンスキー大統領はキエフ・ペチェールシク大修道院(世界遺産に登録)をウクライナ正教会が管理することの法的正当性を調査するよう命じたことも明らかにした。
また宗教関係者の間でロシアの工作活動に協力する人物をより大規模に摘発する用意を表明した。大統領はそうした内通者のリストを近く公表するとのこと。
先にウクライナ保安庁はキエフ・ペチェールシク大修道院内で「鐘が鳴り渡り、ロシアの上に母なるルーシが目を覚ます、聖母がロシアを救う、母なるルーシが目を覚ます」という「ロシア支持」の歌が歌われていたとし、刑事告発していた。
キエフ・ペチェールシク大修道院のパーヴェル府主教によると、儀礼を担当したザハリヤ神父は今後、教会内での活動が禁止されたとのこと。その後、府主教はウクライナ主義のサイト「平和維持軍」で懲罰の対象リストに掲載されたという。このサイトにはジャーナリストやドンバス地域の義勇兵、及びその他の市民の情報が記され、「売国奴」と定義されている。
キエフ・ペチェールシク大修道院はウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)の管理下にあるものの、5月に分離派のウクライナ正教会(2018年にウクライナ正教会からの独立を宣言)は大修道院の明け渡しを要求する声明を発表していた。ウクライナ正教会は分離派が保安庁を利用し、キエフ・ペチェールシク大修道院を自らの管理下に置こうとしていると懸念している。
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