プーチン大統領は、ドイツやフランスの仲介によってロシアとウクライナの間に結ばれたドンバス問題の平和的解決を定めた「ミンスク合意」に触れ、現在のウクライナ情勢について次のように述べている。
「正直に言うと、我々は状況を見定めるのが遅かったようだ。もしかしたら、もっと早く始めるべきだったのかもしれない。我々はミンスク和平合意の枠内で合意できると踏んでいたが、ご覧の有様だ」
一方、メルケル独元首相がこのごろ、独紙のインタビューで「ミンスク合意」について、「ウクライナに時間を与えるために署名され、これによってウクライナは強くなることができた」と発言したことについては、「失望した」と述べている。
「思いがけないことで失望している。メルケル氏の言葉は、ロシアが人々を守るために特殊軍事作戦を始めたことが正しかったことを証明するものだ。欧州諸国でさえどの国も合意を履行しようとせず、ウクライナを兵器で満たそうとしていただけだったということだ」
一方で、今後の和平交渉については「オープンだ」と述べたものの、交渉相手が誰になるかについては含みをもたせた。
「いずれにせよ最後は話し合いで決着しなくてはならない。今までも言ってきたが、我々は対話の準備があり、オープンだ。だが、誰と話し合うかについては考えさせられている」
また、プーチン大統領は主要7カ国や欧州連合が導入したロシア産石油に対する上限価格については以下のように述べた。
ロシアは上限価格を導入した国に石油を売らない
上限価格によるロシアの国家財政を心配する必要はない
上限価格はロシアだけでなく、産業全体に影響をもたらす。買い手が価格を決めるような状態になれば、石油産業は崩壊する
上限価格は石油産業の投資不足を招き、最終的には価格の高騰を招く
プーチン大統領の発言直後、欧州の石油価格の指標となるブレントは急上昇し、一時1.8パーセント高の1バレル=77.5ドルの値をつけた。
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