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マクロン仏大統領の「ロシアの安全も保証」発言が意味することとは 変わるレトリックと米欧関係
マクロン仏大統領の「ロシアの安全も保証」発言が意味することとは 変わるレトリックと米欧関係
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フランスのエマニュエル・マクロン大統領が将来の欧州の安全保障体制を考える際に「ロシアに対しても安全を保証しなくてはならない」と述べたことについて、地政学に詳しい専門家は、マクロン大統領の立場が変わったことを意味するものの、そのアイデアを実現化することは容易ではないと指摘している。 2022年12月7日, Sputnik 日本
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マクロン大統領は3日、将来の欧州における安全保障の枠組みを考える際、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大を懸念するロシアの立場を考慮し「NATO加盟国をいかに守るかを考えなければならないと同時に、ロシアが対話の席に戻ってきたときにロシアに対しても安全保障を担保しなくてはならない」と述べていた。政治・戦略分析機関「StratPol」の創設者のクサビエ・モロ氏は次のように指摘している。マクロン大統領の発言は、ウクライナ紛争で勝利するのはロシアだと悟ったことを示しており、だからこそNATOが紛争の遠因となったことやロシアの安全を保証する必要性を口にした、とモロ氏は推測する。発言自体はマクロン大統領特有の「ぼやぼやした」ものだったと指摘するものの、マクロン大統領は欧州のために新しい安全保障の構造をつくり、新しい地政学的条件に向け準備する必要性をしっかり分かっているという。一方のマクロン大統領本人はというと、一連の発言について「2月、3月からずっと主張してきたことだ」と説明している。また、来年1月に施行される米国のインフレ抑制法(IRA)をめぐる貿易摩擦の解決のための米国訪問が失敗に終わったことは、マクロン政権にとっては政治的な「平手打ち」となったとモロ氏は続ける。米側の譲歩を引き出せず、物別れに終わったことで、「欧州の産業は完全に破壊される」としており、米国と欧州の亀裂もますます広がることになりそうだ。マクロン大統領は米英首脳とは違い、ウクライナ紛争激化後もしばしばロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談をするなど、対話の窓を完全には閉ざしていない。現在もウクライナ国内の原発の安全性をめぐり、国際原子力機関(IAEA)と協力してロシア側と接触を試みているとされる。一方、なかなか決定的な成果を出せないマクロン流外交に、一部では「マクロンは電話」と揶揄する声もあがる。関連ニュース
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マクロン仏大統領の「ロシアの安全も保証」発言が意味することとは 変わるレトリックと米欧関係
2022年12月7日, 06:17 (更新: 2022年12月7日, 06:28) フランスのエマニュエル・マクロン大統領が将来の欧州の安全保障体制を考える際に「ロシアに対しても安全を保証しなくてはならない」と述べたことについて、地政学に詳しい専門家は、マクロン大統領の立場が変わったことを意味するものの、そのアイデアを実現化することは容易ではないと指摘している。
マクロン大統領は3日、将来の欧州における安全保障の枠組みを考える際、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大を懸念するロシアの立場を考慮し「NATO加盟国をいかに守るかを考えなければならないと同時に、ロシアが対話の席に戻ってきたときにロシアに対しても
安全保障を担保しなくてはならない」と述べていた。
政治・戦略分析機関「StratPol」の創設者のクサビエ・モロ氏は次のように指摘している。
「マクロン大統領の立ち位置は変わりつつある。彼は欧州の対露制裁の結果や今冬のエネルギー危機を目の当たりにしている。だが、バランスがとれたアプローチを進めるだけの政治的手段や願望があるかについては、疑問を持たざるをえない。それでもマクロン大統領の認識は変わっていることには違いない」
マクロン大統領の発言は、ウクライナ紛争で勝利するのはロシアだと悟ったことを示しており、だからこそNATOが紛争の遠因となったことやロシアの安全を保証する必要性を口にした、とモロ氏は推測する。発言自体はマクロン大統領特有の「ぼやぼやした」ものだったと指摘するものの、マクロン大統領は欧州のために新しい安全保障の構造をつくり、新しい地政学的条件に向け準備する必要性をしっかり分かっているという。
一方のマクロン大統領本人はというと、一連の発言について「2月、3月からずっと主張してきたことだ」と説明している。
また、来年1月に施行される米国の
インフレ抑制法(IRA)をめぐる貿易摩擦の解決のための
米国訪問が失敗に終わったことは、マクロン政権にとっては政治的な「平手打ち」となったとモロ氏は続ける。米側の譲歩を引き出せず、物別れに終わったことで、「欧州の産業は完全に破壊される」としており、米国と欧州の亀裂もますます広がることになりそうだ。
マクロン大統領は米英首脳とは違い、ウクライナ紛争激化後もしばしばロシアのウラジーミル・プーチン大統領と
電話会談をするなど、対話の窓を完全には閉ざしていない。現在もウクライナ国内の原発の安全性をめぐり、国際原子力機関(IAEA)と協力してロシア側と接触を試みているとされる。一方、なかなか決定的な成果を出せないマクロン流外交に、一部では
「マクロンは電話」と揶揄する声もあがる。